ヤマハのニューモデル MT-07

掲載日:2014年07月18日 フォトTOPICS    

取材・文/MotoRIDE編集部  写真/MotoRIDE編集部、富樫 秀明、OutRider編集部  取材協力/ヤマハ発動機株式会社

試乗会はクローズドコース内で行なわれ、シチュエーションとしてはアップダウンが忙しいワインディングといった感じ。広い平地ではパイロンを並べたジムカーナのようなコースや、軽快なハンドリングを体験してもらうためのスラロームなどが設定されていた。

エントリーユーザーからベテランまでカバーする
モーターサイクル本来の愉しみを追求したピュアスポーツモデル

2014年8月2日の発売開始に先駆け、ヤマハのニューモデル『MT-07』と『MT-07A』(ABS標準装備)のメディア向け試乗会が開催されました。

このモデルは2014年4月に発売された『MT-09』の弟分という位置付けで、エントリーユーザーでも扱いやすく、ベテランライダーにも走る愉しさを感じてもらえることをコンセプトに設計されています。したがって価格も大型二輪車(排気量689cc)としてはリーズナブルな設定となっており、メーカー希望小売価格(消費税8%込み)はABS標準装備モデルが74万9,520円、ABS装備なしが69万9,840円です。

MT-09同様すべてが新設計となるこのモデルは、“軽量・スリム・コンパクト”で、スタイリッシュなデザインに優れた操作性などが特徴となる『MT-World』に属する第2のモデルです。メーカーの説明によると今後もMTシリーズのモデル展開に期待が膨らむものでした。

ここではメディア向け試乗会で触れた『MT-07』と『MT-07A』について、ファーストインプレッションを写真でお伝えしましょう。

フォトTOPICS(写真点数/15枚)

01スタイリングは兄貴分のMT-09同様アップライトなネイキッドスポーツ。MT-07の場合、車体上半分は“人とマシンの融合美”を、下半分は“走りの機能美”を追求している。デザインはおなじみ『GKダイナミックス』によるもの。

02(言われて気付く)こだわりのデザイン。燃料タンクからサイドカバーにかけてはシームレスな“ワンモーションボディ構造”になっている。フロントからテールエンドまでを樹脂パーツでつなぐ、衣のような、軽やかで流れるようなデザイン。

03エンジンをかける際に「お?」と思うのがメインキーの位置。メーターパネルの向こう側、ヘッドライトユニットの上部センターに配置されている。国産車ではまず見ないレイアウトだ。これも車体全体のシルエットに統一感を持たせるためのデザイン。

04跨った際に視界を邪魔するものは無く、小型フル液晶マルチファンクションメーターのみが存在している印象。左右ハンドルスイッチはMT-09同様ヤマハ最軽量のコンパクトタイプ。タンク上部のパッドは“フラットトップシルエット”を強調するデザイン性も併せ持つ。

05前後別体式のシート。座面前方は細く絞られて足を地面に下ろし易く、後方は幅広い形状で身体をしっかり受け止めてくれるので疲れにくい。

06パッセンジャーシートはメインキーで外すことが出来る。裏には六角レンチとプラスマイナス差し替え式のドライバーがセットされており、荷掛け用の黒いオビも装備されていてちょっとした荷物を積載するには非常に便利。シート下にはETC車載器を収めるスペースもある。

07(よく見ると気付く)こだわりのデザイン。ショートテール下部から伸びる、ナンバープレートとウインカーユニットの保持ステーに4枚のヒレのようなものがある。エアロパーツにも見えるが、実際は後から追加したリアフェンダー代わりのパーツ。MT-09よりもさらに細身のため、リアタイヤが巻き上げる水や泥が飛散するのだとか。

08エンジンは排気量689ccの水冷4ストローク直列2気筒DOHC 4バルブ。ヤマハが提唱する“クロスプレーン・コンセプト”の思想設計に基づく新開発で、“CP2”の刻印はその証(MT-09は“CP9”だった)。全域で最大トルク(68N・m/6,500rpm)の80%以上を発揮する、まさにトルクマシンだ。

09低重心、マスの集中化、軽量化など、機能を追求したチャンバータイプの2into1ダウンマフラー。消音性能は高いながらも、走行中に聞こえるサウンドは太く、低く、ツインシリンダーらしいリズムを刻む。個人的にはもっと猛々しい味付けも欲しかった。

10(よく見ると気付く)こだわりのデザイン。チェーンアジャスターブロックは“しっかり感”が強い形状。車体下半分は走りの機能美を追求しており、直接走りに関係無さそうな部品にまでデザインが及ぶ。

11カラーバリエーションは(写真左から)、ブルーイッシュホワイトカクテル1(ホワイト)、ビビッドレッドカクテル1(レッド)、マットグレーメタリック3(マットグレー)の3パターンが揃う。

12MT-07(写真左)とMT-09(写真右)。主要構成物であるエンジンやフレームがまったく違うにも関わらず、まるで同じ車体に見えなくもないくらい統一されたスタイリング。ディテールを見れば同じ部分がほとんど無いことに気付く。

13MT-07のエンジンのカットモデル。クロスプレーン・コンセプトと言えば“270度位相クランク”。中低速の実用域で粘り強いトルクとリニアなレスポンス、扱いやすいパワーのバランスによる心地よい加速フィーリングと駆動感が特徴。

14アクセサリー&パーツも豊富に揃う。ミドルスクリーン、MT-07専用のzumo660装着用ステー、ソフトサイドバッグ(要専用ステー)、容量39リットルのトップケース(要専用キャリア)、コンフォートシート、タンクパッド、ラジエターサイドカバー、メッシュエアスクープ、ラジエターリザーブタンクカバー、サイドスライダー、他いろいろ。

15説明会では「モーターサイクルの基本要素を追求した、スポーツモデルの理想像」と言っていたが、それはまず全体にバランスがとれた軽さ(装備重量179kg、ABS仕様は182kg)の中に感じる。切り返しも素直で“操作してる感”が強く、低速から高速まで豊かなトルクに安堵感を覚え、旋回中の安定感に走る愉しみを感じる。これが75万円未満とは驚きだ。

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