【2012 マン島TTレース】 第4回 TTレースはなぜ1日置きに4日間、計17日間なのか?

掲載日:2012年06月28日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/小林 ゆき  取材協力/マン島TTレース公式サイト

TTウィークの幕開けを飾るのは、前座レースでもあるプレTTクラシック。コースはTTマウンテンコースではなく、旧首都キャッスルタウンのビロウンサーキットで行われます。コースは4.25マイル(約6.8km)。レース名通り、クラシックバイクのレースです。

マン島 TT レース
2週間のスケジュール

TT レースは “TTウィーク” と呼ぶくらいですから、週末だけのイベントではなく、2週間にもわたる日程で開催されています。今年の場合、5月25日(金)、26日(土)、28日(月)に前座レースの “プレ TT クラシック” がキャッスルタウンのビロウンサーキット(公道)で始まり、TT レースは26日(金)、28日(月)~6月1日(金)は18時~21時過ぎまで TT のプラクティス(予選を兼ねた練習走行)、2日(土)は TT スーパーバイク、サイドカー1の決勝レース、4日(月)は TT スーパースポーツ1(600ccクラス)、スーパーストック(1,000ccクラス)の決勝、6日(水)は TT Zero (電動バイク)、TT スーパースポーツ2、サイドカー2、そして TT 最終日は8日(金)ライトウエイト(650ccツイン)、シニア TT (スーパーバイクなど)が行われます。9日(土)には後座レースとして、再びビロウンサーキットで “ポストTTレース” が開催されます。

まさに長丁場の TT、なぜ1日置きにレース日が設定されているかというと、マン島は目まぐるしく天候が変わるからなんですね。降雨だけではレース延期の理由にはなりませんが、霧や風で救急ヘリコプターが飛べなくなると、必然的にレースは翌日や翌々日に延期になります。そのため、予備日として1日置きの開催としているのです。また、TT レースは公道レースですから、レースを行うには日常交通を止めなければなりません。このため、プラクティスは学校や仕事が終わった午後6時から9時半ごろまで行われます。コースは 60km もの長さなので、選手がじゅうぶんコースに慣れる必要もあり、プラクティスはウィークの前半1週間と、レース日のレース後に行われています。

さて、これを書いている6月6日(水)、朝から TT Zero の決勝が始まる予定でしたが、雨などの影響で午前8時半ごろ、当初のスケジュールを全体的に4時間遅らせ、レースの順番を入れ替えて TT Zero のスタートをスーパースポーツ、サイドカーのあとに行うことが発表されました。

待ち時間が長いのもまた、マン島 TT レースならでは。ライダーもメカニックも、精神力、忍耐力を問われるのがマン島 TT なのです。

フォトTOPICS(写真点数/7枚)

01キャッスルタウンの本表彰式は、伝統的に街の中心部のラッシェン城前の広場で行われます。公共の場でモータースポーツの表彰式とコンクール・ド・エレガンスを行うことで、よりいっそう地元の人たちにモータースポーツに親しんでもらえるチャンスになるんですよね。

02出走前の車検風景です。走る前には、グランドスタンドの下にある車検場で必ず走行前チェックを行わなければなりません。ここは観戦客が柵越しにマシンを観察したりする絶好の場所となっています。

03いよいよTTレースのプラクティスが始まりました。プラクティスは予選も兼ねた練習走行という位置付けで、クラスによって足切りタイムが決まっています。通常のロードレースと違って、グリッドを決めるための予選ではありません。

04レースのときにはバイクやサイドカーがジャンプすることで知られるバラフブリッジ。マン島は天候が目まぐるしく変わるので、天気が良いときは貴重な撮影チャンス。ここバラフは人気スポットなので、ご覧のようにカメラマンが並んでいます。しゃがんでいるのは観戦客に配慮するためです。

05プラクティス中はまだコースに慣れないライダー、ドライバーもいて、元TTライダーが務めるトラベリング・マーシャルがエスコートするシーンも見られました。

06走行が終わってパドックに戻るライダーとドライバーに、サインをもらおうと待ち構えてごったがえすパドック。

07全17日間もあり、また島独特の目まぐるしく変わるお天気で、スケジュールが変更・延期されることも珍しくありません。写真は『Team無限』のテント。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

記事一覧
新着記事

タグで検索