MFJ全日本スーパーバイク選手権開幕! 第一戦SUZUKA 2&4 RACE速報

掲載日:2011年05月19日 フォトTOPICS    

文・写真/淺倉 恵介  取材協力/鈴鹿サーキット

ホールショットを奪ったのは、絶妙なスタートを決め2番グリッドから飛び出した、スズキGSX-R1000を駆るゼッケン71 加賀山就臣選手。周回数が少ないスプリントレースでは、スタートで前に出るのは順位アップのために欠かせません。

トップカテゴリーJSB1000の第一戦は
チャンピオン秋吉耕佑が貫禄のポール・トゥ・ウィン

国内の2輪レースの最高峰 『MFJ全日本スーパーバイク選手権』 が、5月14~15日に鈴鹿サーキットにて開幕。今回のレース名は 『 SUZUKA 2&4 RACE 』、2輪と4輪のレースが併催される珍しい開催形態で、多くの観客を集めました。東日本大震災の影響で第1戦 筑波Rd. がキャンセル、本来は第2戦だった鈴鹿Rd. が第1戦に繰り上げられ、さらに日程を約1ヶ月後ろ倒しての開催となりました。震災の影響はモータースポーツの世界にも陰を落としていますが、それを吹き飛ばすような熱いバトルが、集まったファンを楽しませてくれました。

ノックアウト方式が採用された予選では、ディフェンディングチャンピオン秋吉耕佑選手(F.C.C. TSR Honda CBR1000RR)が Q1、Q2、Q3 全てでトップタイムを叩き出し、1番グリッドを獲得。迎えた決勝日。秋吉選手は朝のフリー走行で、ピットロード上で他車と接触。転倒するというトラブルに見舞われますが、即座にコースに復帰するというファイティングスピリットを見せます。

正午にスタートした決勝レースでは、2番グリッドから飛び出した加賀山就臣選手(Team KAGAYAMA GSX-R1000)がホールショットを決めたものの、秋吉選手がトップを奪い返しそのまま独走、一度もトップを譲ることなく優勝を果たしました。2位は中須賀克行選手(YSP Racing Team with TRC YZF-R1)、3位には緊急参戦した伊藤真一選手(F.C.C. TSR Honda CBR1000RR)が入りました。トップは独走というレース展開でしたが、その他の順位では熾烈なポジション争いが繰り広げられ、見応えのあるレースでした。

次戦は7月2~3日、ツインリンクもてぎにて開催予定。是非サーキットを訪れ、生のレースを味わいたいものです。

フォトTOPICS(写真点数/26枚)

01トップを独走するのは、圧倒的な速さを発揮する昨年度のチャンピオン秋吉耕佑選手。ホールショットこそ逃しましたが、直後にトップを奪還。一度も後続を寄せ付けずに、ゴールまで走り抜きました。後方では、ゼッケン21 中須賀選手と、ゼッケン5 伊藤選手による、激しい2位争いが展開されています。

02昨シーズンで全日本選手権から引退した、伊藤真一選手が緊急参戦。仙台でショップを営む伊藤選手は、自らも震災で大きな被害を受けましたが、被災地の皆さんを勇気づけようと全日本に緊急復帰。変わらぬ速さを見せつけ、見事3位入賞を果たしました。

03伊藤選手との激しいバトルを制し、2位を獲得したのはヤマハのエース、ゼッケン21 中須賀克行選手。中須賀選手は全日本JSB1000クラスで2008年、2009年に2年連続でチャンピオンを獲得している実力派ライダーです。

04第2グループはゼッケン634 高橋 巧選手と、ゼッケン71 加賀山就臣選手の一騎打ち。これぞドッグファイトという熱い戦いに勝利したのは、CBR1000RRを駆る高橋選手でした。

054位入賞という好結果を残した高橋 巧選手は若干21歳。JSB1000クラスの最年少優勝記録を持ち、昨年の鈴鹿8時間耐久レースでも優勝を果たしています。今年も昨年と同じく MuSASHi RT ハルクプロから8耐に参戦予定です。ベテランが幅を利かせる全日本では、数少ない若手のホープとして期待を集めているライダーです。

06ゼッケン71 加賀山就臣選手は5位入賞。昨年までWSBKやBSBなど世界を舞台に戦ってきましたが、今年から自らTEAM KAGAYAMAを率いて全日本選手権に復帰。スズキのエースとして活躍を期待されている存在です。

07フルモデルチェンジを果たしたカワサキZX-10Rは、今回がデビューレース。同じZX-10Rを駆る、ゼッケン87 柳川選手、ゼッケン01 出口選手、ゼッケン75 大崎選手のランデブーは、さながら“緑の三連星”。カワサキファンの大きな声援を浴びていました。

08カワサキのエースライダー、ゼッケン87 柳川 明選手。ニューマシンZX-10Rのセッティングに手間取ったのか、順位は振るわずに8位。市販車最高レベルのパワーを引き出せるようになれば、更なる好結果が期待できるでしょう。

09人気アニメ『新世紀エヴァンゲリヲン』とのコラボレーションで、大きな話題を呼んでいる『エヴァRT トリックスターFRTR』は、今レースは2台体制でエントリー。芹沢太麻樹選手が駆るマシンは、エヴァンゲリヲン弐号機に合わせたカラーリングで登場。ゼッケンはもちろん02で、カワサキ勢最上位の6位入賞を果たしました。

10全日本スーパーバイク選手権JSB1000クラスは、国内4メーカーのマシンだけでなく海外メーカーのバイクも参戦しています。バラエティー豊かなレーシングマシンを見ることができるのも、このレースの魅力のひとつ。BMWのS1000RRで参戦したのは、姉妹サイト バージンBMW でコラムを連載中のゼッケン17 高田速人選手。

11ドゥカティ1098Rで12位に入ったのは、昨年の全日本ST600クラスチャンピオン山口辰也選手。今年もST600とJ-GP2クラスで全日本ダブルエントリーを予定。鈴鹿8耐は今回と同じドゥカティで挑戦するとのことです。

12少数派の2気筒マシン、KTM RC8Rで奮闘を見せたのは、ゼッケン30 鈴木大五郎選手。順位は25位と残念ながらポイント獲得はなりませんでしたが、4気筒とは違う野太いVツインサウンドを響かせ、観客の注目を集めていました。

13アプリリア RSV4Rは、参戦マシンの中で唯一のV4エンジン搭載車。昨年のWSBKチャンピオンマシンだけに、ポテンシャルの高さは十分な1台といえるでしょう。ライダーはゼッケン55 須磨貞仁選手。

14見事な圧勝劇を見せた秋吉選手。誇らしげにフラッグを掲げながらのウイニングランは、チャンピオンの余裕と貫禄が漂っています。一発の速さには定評がありながら長い間タイトルとは無縁だった秋吉選手ですが、昨年念願のチャンピオンを獲得してからは、速さだけではなく『強さ』も身につけたようです。

15レース名に『2&4』とあるように、4輪レースも併催。3クラスのフォーミュラーレースが開催されました。トップカテゴリーである『Formula NIPPON』では、序盤ゼッケン32 ホンダの小暮選手がトップを快走するも、ピットインを上手く使ったゼッケン36 トヨタのロッテラー選手が逆転優勝。他に、F3とFCJの二つのレースも行われました。

16『Formula NIPPON』で観客を沸かせたのが、ゼッケン37 トヨタの中嶋一貴選手。予選14番手から驚異の追い上げを見せ3位を獲得、見事に表彰台をゲットしたのです。ピットの空いている、レース序盤にタイヤ交換を行う作戦が大当たり。さすが、F1マシンの経験もある中嶋選手でした。

17レース期間中には、日本最大のバイクの祭典『コカ・コーラ ゼロ 鈴鹿八時間耐久ロードレース』の発表会も行われました。席上で昨年の覇者『MuSASHi RT ハルクプロ』と、『F.C.C. TSR Honda』、『エヴァンゲリヲン レーシング』の3チームが参戦を表明しました。

18発表会には人気アイドルユニット『SKE48』のメンバーも登場。鈴鹿サーキットのTV-CMソングも担当する『SKE48』は、鈴鹿8耐前夜祭でのライブパフォーマンスも決定。昨年と同様、8耐を盛り上げてくれることでしょう。

19レーススタート前のリーダータワーには『がんばろう日本』の文字が表示されていました。レースに参戦したマシンにも、震災からの復興に向けたメッセージが書き込まれています。

20少年ファンにサインをする、チャンピオン秋吉選手。憧れのトップライダーと触れ合うことができるピットウォークは、実際にサーキットに足を運んだ人だけが体験できるイベントです。究極のチューニングが施された、レーシングマシンを間近に見ることもできるのです。

21強面なイメージのある加賀山選手ですが、素顔はとても気さく。優しくファンに接していました。今回のレースでは、中学生以下のお子さんと、その同伴者の方は無料で参加できる『キッズ・ピットウォーク』が開催され、多くのファンがファミリーでピットウォークを楽しんでいました。

22キャンギャル人気ナンバー1は、なんといってもエヴァンゲリヲンレーシング。人気キャラクターをイメージしたコスチュームで、圧倒的な注目度を誇っています。『アスカ』コスチュームの野呂陽菜さん、『レイ』コスチュームは水谷望愛さんのお二人です。

234輪レースも併催される『2&4』だから、4輪チームのキャンギャルもお目見えしています。こちらは『Formula NIPPON』のトップチーム『PETRONAS TEAM TOMユS』のお二人。上品さとセクシーさの危ういバランスが、実に魅力的ですね。

24いろいろなイベントが行われるスペース『GPスクエア』には、メーカーの展示ブースやグッズのショップが立ち並んでいました。ホンダのブースでは昨年の8耐優勝マシンが展示されていました。また、注目のニューモデル、CBR250Rを『無限』仕様にカスタマイズしたマシンが高い注目を集めていました。

25ホンダブースでは、話題の電動バイク『EV-neo』の体験試乗会も開催。エンジン搭載車とは違う、電動バイクならではの乗り味に多くの人が驚かされたようです。

26ヤマハのブースではYZF-R1をはじめ人気モデルを展示、他にも電動バイクの試乗も開催されていました。グッズ販売エリアでは、ここだけのお買い得商品も売られており、来場した人たちを喜ばせていました。

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