最新モデル試乗速報 カワサキ Ninja ZX-6R

掲載日:2010年03月23日 フォトTOPICS    

取材・文・撮影/バイクブロス×マガジンズ編集部 ムラヤマ

多くのスーパースポーツが不得意とする回りこんだ低速コーナーも、豊かな低中速トルクを駆使すればスポーティにクリアできる。公道上におけるZX-6R最大の武器。

他車を威圧する官能的な排気音と
実用的な低中速トルクが最大の魅力

カワサキといえば「公道走行」に根ざした製品作りで定評がある。たとえ、そのポジションが同社のスーパースポーツであったとしても、譲れない実用性と利便性だけはきっちりと押さえ、軽すぎないハンドリングもどこかビッグバイク的重厚感を残す。こうした公道走行メインのユーザーを大切にした、カワサキ流のバイク作りにシンパシーを抱く熱烈なファンが多いというのも頷ける。

今回ご紹介するこのNinja ZX-6R(以下、ZX-6R)も、その歴史を遡れば公道走行を重視した旧モデルに突き当たる。しかし、この現行モデルへと続く変遷はひたすらパフォーマンスを追い求め、その活躍の舞台をサーキットへとシフトするものだった。それはもしかすると「カワサキらしさ」を少しずつ削ぎ落としていく作業だったと言えるのかもしれない。先鋭化を極める他社製ミドルクラス・スーパースポーツに勝るとも劣らないサーキット・パフォーマンスを追求した結果がこのZX-6Rであり、そのキャッチコピーは「ロードも楽しめる正確無比なトラックツール」だ。あえて、ロード「も」楽しめると謳っているだけに、かえって「サーキット専用」的な割り切りが強く感じられる。

しかし、バイクは乗ってみなければ分からないものだ。果たして、純粋にパフォーマンスを追求したこのZX-6Rに、「カワサキらしさ」は息づいているのか。試乗インプレに先立ち、フォトトピックスでその詳細をお届けしよう。

フォトTOPICS(写真点数/11枚)

01ミドルクラス・スーパースポーツとしては異例とも言える豊かな低中速トルクを誇る水冷4ストローク4バルブDOHC並列4気筒エンジン。街中の走行すら得意科目だ。

02スロットル開度に応じて官能的かつ刺激的な排気音を奏でるショートマフラー。エンジン下部にはプリチャンバーを装備する。試乗後、最も記憶に残っていたのはこの排気音だった。

03軽量化とマスの集中、車体のスリム化に貢献する高剛性フレーム。エンジンのあり余るパワーを受けても「しなり感」は少なく、ハンドリングはシャープかつスパルタンだ。

04スタビライザーと一体でプレス成型された極太のリアスイングアーム。高剛性なのはもちろん、気分を盛り上げるアピアランスも十分だ。チェーンとのタイトな位置関係にも注目。

05オーリンズ製ステアリングダンパーとショーワ製ビッグピストンフロントフォークの豪華装備。圧伸両側のダンパーはこの位置からマイナスドライバー1本で調整可能だ。

06リアサスペンションは質感もまずまずで、もちろんフルアジャスタブル。圧側ダンパーは低速・高速が個別に調整可能だ。街乗りメインであれば圧伸ともに緩めると劇的に乗り易くなる。

07300mmディスクとニッシン製ラジアルマウント4ポットキャリパーからなるダブルディスクブレーキ。ディスクのペータル形状は食い込みよりも放熱性を重視したデザインか。

08小径ながらコントロール性に優れるリアブレーキ。フロントのみでも制動力は十分だが、車体の安定性確保とリアホイールの高速回転を制御・減速するという意味でも有効だ。

09フロントブレーキはラジアルポンプマスターで制御。ソフトでコントロールの幅も広いがタッチはやや曖昧な印象。これは好みが分かれるところだろう。

10スパルタンな印象が支配的なステップまわり。ステップ外側に滑りにくいローレット加工とするなど、作りも丁寧。ブレーキペダルはステップ同軸とされる。

11シフトアップインジケーター搭載の多機能メーターユニット。8,000rpm~16,000rpmがグリーンのゾーンとなっているが、その遥か下から実用的なトルクが発揮される。

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