掲載日:2019年03月24日 プロが造るカスタム
取材協力/ファースト 記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2017』に掲載された内容を再編集したものです
レースを背景として生まれたパーツには『そのパーツでなければ出せない性能』というものがある。最も分かりやすいのは純正負圧キャブに対するレーシングキャブ、それからレーシングキャリパー/マスター/ディスクといったところだろう。
キャブはスロットルを開けるたびにパワーの違いを、ブレーキは握るたびにタッチと効力の違いを感じることができる。確かにコストはかかるが、乗っている間中頻繁に使い、効果を実感できるなら、ある意味コストパフォーマンスに優れているとも言える。
ただメンテナンス性や耐久性といった面では、純正パーツの方が優れている部分があることも事実だ。
「オーナーさんは年に数回北海道や九州など、ロングツーリングに行かれる方。そんな使い方を、もう20年近くしているんですね。そのためチューニングも特殊なパーツは極力避け、耐久性、メンテナンス性に配慮しました」そう語るのは、この車両の面倒を長年みてきたファースト代表・山上さんである。
その言葉通りに、前後キャリパーはブレンボ製キャスト、マスターもフロントがRC30、リアが純正と非常に手堅い仕様となっている。足まわりもフォーク/前後ホイールがGSF1200、ステム/ハンドルがGSX-R750と純正流用が中心だ。ツーリング先で何かトラブルが起きた際にもパーツ入手が容易(純正パーツは絶版でない限り全国のディーラーで入手が可能)というのは、確かに重要な要素であるに違いない。これも理詰めのチューニング、そのひとつの手法ということだ。