デーククラフト モーターサイクルズ / RZ250 カスタム写真
デーククラフト モーターサイクルズ / RZ250 カスタム写真

ヤマハ RZ250

掲載日:2011年06月29日 プロが造るカスタム    

最新のパーツを用いながらも
STDのシルエットと構成を踏襲

バイクのカスタムを行うにあたって悩みどころのひとつになるのが、「機能、あるいはスタイルはよくしたいが、ベース車の印象を崩したくない」という点。ステッカーひとつ貼るにしても、元のイメージが大きく変わるケースもあるし、意外にこれは難しいところだ。これをうまく昇華したカスタムは、走りの面でも、ルックスの面でも高い評価が得られる。

 

この初期型=1980年型RZ250は、デーククラフトモーターサイクルズが手を入れた1台。デーククラフトは代表・井上さんがWSB=ワールドスーパーバイクなどで都合13年、ヤマハのファクトリーメカニックを務めていた(YZF-R7+芳賀紀行選手はその核でもある)。今はカスタムやメンテナンスを軸にしつつ、ヤマハのレーシングサービスショップにも指定されていて、全日本から草レースまでレース系、そしてもちろんヤマハ系に強い。お客さんは30~40歳代が中心で、その人たちが以前乗っていたモデル、例えばこのRZやCB-F系などには、STDイメージを踏襲したものが多い傾向にあるそうだ。

 

このRZもその良い例で、冒頭の問題をクリア=STDの持つ印象を変えずに、走行性能を現代風に作り込んでいる=のがポイント。元々現オーナーは完全なノーマル車両を友人から譲ってもらったのだが、車体は何年も放置されていたため、普通に乗れる状態にするには、消耗品以外にもかなり多くのパーツ交換が必要だったという。

 

そこで、乗れる状態にするにもある程度の費用もかかることだし、それなら現代風に、とカスタム化がスタート。使用パーツの多くは、オーナー自身がインターネットなどで探してきた。費用軽減のためでもあったが、ただ闇雲に好きなパーツを購入したというわけではなく、サイズが重要になってくるホイールや同じくスイングアームなどの流用元機種選択には、井上さんからのアドバイスがあった。

 

「RZカスタムというと、TZR250や FZR400のパーツを使ってのリヤ・リンクサス化という手法が多く見られますが、RZは元がショック直押しのカンチレバー式サスだから、リンク化ではフレームを3次元的に検討する必要が出ます。またフレームの大改造が必要になってしまう。それで、RZの素性を生かしたカンチレバー式のままでRZの前後18から前後17インチ化して、今のタイヤを履けるように合わせ込んだんです」と井上さん。

 

前輪の小径化にともないがちなトレール不足を起こさないようにオフセット等も調整、これなら流用改としながらもディメンションはほぼSTDのままなので、フィーリングも変わらずナチュラル。「現代のタイヤが使えて、街乗りからツーリングを不具合なく使いたい。外観もRZから大きくはずれることなく作りたい」という要望は十分達成された。時代が変わっても元の姿を崩さずに、進化という面を取り込む。これができるショップがあるからこそ、カスタムは楽しさを提供してくれるとも言える。

デーククラフト モーターサイクルズ RZ250の詳細写真は次のページにて

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