バリーフー / GSX-R1100 カスタム写真
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スズキ GSX-R1100

掲載日:2011年06月01日 プロが造るカスタム    

単に造形の変更だけでなく
実用面も配慮し元のイメージを一新

外装変更は、カスタムにおいては大きな手法である。動かすことを前提としないショーバイクやコンセプトモデルにおいてはもちろん、想像力を高く働かせて、そこにないデザインを提案することが大事になる。一方でいわゆるカスタム、実走を重視した車両においては、その実用性を基本的には損なわないことも、考慮に入れる必要が出てくる。さらに造形においては、元のストック状態が好き、だけどもう少し自分好みにしたいという、カスタムペイントの延長にあるもの。またSTDのフレームやエンジンは好きだけど、これに理想型の外装が付いていたら……とするもの。このように分かれても来る。

 

さて、今回のベース車両はスズキの油冷モデル、GSX-R1100だ。撮影は2001年。機械的に取れば未来形カタナとも、有機的に取ればエイリアンとも言えそうなこの外装形状は、もちろんオリジナル。オーナーさんがフォルムとカラーリングをイメージしてショップに製作を依頼したというものだ。見る者に強烈なインパクトを与えるが、この独特な雰囲気の外装製作はバリーフー、ペイントは サムソンブルー がそれぞれ担当している。しかし、とにかく気になるのは、この造形をどのようにカタチにしていったかという点だろう。だが、この独自性に反してと言うか、意外にもゼロから起こしたワンオフパーツは、それほど使われていないのである。

 

例えば最大の特徴となるフロントカウルは当時GSX-R1100対応品としてリリースされていたカタナ形状のカウルをベースとしたものだ(実際にはベースのみを使っていて、原型はほとんど留めていないのだが……)し、フューエルタンクもGSX-R1100・STDをベースに必要なフォルムを継ぎ足していったもの。テールカウルに至ってはホンダVTR1000F用をそのまま流用している、といった具合なのだ。

 

これは、「面のつながりやフォルムがおかしくないモノは純正パーツ、もしくは純正加工でOK」という製作者、バリーフーのポリシーによるもの。この手法であればコストを抑えることができるほか、取り外しなどが簡単で装着後のメンテナンス性(外装変更の際はこれが問題になりやすいのだが)がスポイルされない、などのメリットがある。

 

そのほかの車体部分は基本的にGSX-R1100のSTDなのだが、外装をオリジナルで作り込むことで、ここまでインパクトのある仕上がり=ベースのイメージを隠すほどに個性的なもの=となる。カスタムと言うとすぐにエンジンや足まわりのチューニングと思いがちだが、STDの性能のまま、外装を思い切りイジってみるという、こんなアプローチも面白い。何も性能を追及するだけが、カスタムではない。外観が変わることでバイクが軽く思えたり、より好きになるというメリットは、とても大事なのだ。

バリーフー GSX-R1100の詳細写真は次のページにて

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