スズキ GSX-R1000 プロが造るカスタム

ヨシムラジャパン / GSX-R1000 カスタム写真
ヨシムラジャパン / GSX-R1000 カスタム写真

スズキ GSX-R1000

掲載日:2011年05月25日 プロが造るカスタム    

伝統のネーミングにも
ヨシムラのエッセンスが表れる

ヨシムラは1980年代からいくつかのコンプリートマシンを製作している。本HPでも紹介した“トルネード1200ボンネビル”は1989年当時、スズキのフラッグシップであった油冷エンジン搭載GSX-R1100をベースに、当時困難と思われていた300km/h超の具体化や各部の上質化を図ったもの。公道用に市販も視野に入れていて、3台だけが世に送られた。

 

その“トルネード”は、1985年からの油冷GSX-R750での全日本選手権TT-F1参戦(この年にチャンピオンも獲得)時に独自開発した外装キットに因んでいる。この外装キットをフル装備したロードゴーイングレーサー「GSXR750トルネードF-1」および、これに先んじたTT-F3仕様の「GSXR400トルネード」が、その先駆けだったのだ。

 

そしてこの“トルネードS-1”は、ヨシムラが2001-2002年に登場初期のGSX-R1000を使って戦ったレースで得た技術を還元、世界最高のストリートスポーツを目指して作ったマシンだ。オーナーとなった人が「ヨシムラレーサーのエッセンスを全身で感じ取れるように」との熱い思いも込められている。それも単なる改造車ではなく、ヨシムラブランドとして市販される、れっきとしたコンプリートマシンなのだ。

 

当時の最新だった’01GSX-R1000(K1)をベースとし、同じくK1ベースだったヨシムラ・Xフォーミュラマシン、トルネードS1-Rのノウハウがそのまま投入されている。オリジナルカウルやアルミタンクなど車体パーツはすべて’01年の鈴鹿8耐マシンS1-Rと共通。徹底した軽量化により、乾燥重量はSTDよりも約15kg軽い160kg以下と発表された。

 

エンジンはヨシムラST-1カムを組み込むほか、強化バルブスプリング、ステンレス鋼削り出しコッターなどを採用。ヘッド面研とガスケット交換により、圧縮比は12.0から13.2:1にアップ。最高出力は20ps上乗せされ、後輪で170psをマークする。このスペックは、当時のワークススーパーバイク(750ccベース)とほとんど同等と言っていい。

 

インジェクションのセッティングを変えられるEMSシステムや、マフラーへの新しいトライであるトライオーバル・サイクロンにも専用品を用意、またフォークオフセットの可変機構を採用するなど、当時その内容はカスタムマシンの域をはるかに超えたものであった。そこから10年、ここでまとめられた技術は改めて各分野に広がっている。ワインディングロードからサーキットまで、あらゆる場面でレーサーテイストを存分に満喫できる、価格に見合うだけの魅力に溢れた1台だ。

スズキ GSX-R1000 Detail Check!

メーターパネルはベースとなったGSX-R1000のものをそのまま使用するが、ヨシムラマルチテンプメーター、EMSシステムの切り換えスイッチが追加装備されている。オリジナルのトップブリッジはオフセット量を31mmと25mmに調整可能だ

メーターパネルはベースとなったGSX-R1000のものをそのまま使用するが、ヨシムラマルチテンプメーター、EMSシステムの切り換えスイッチが追加装備されている。オリジナルのトップブリッジはオフセット量を31mmと25mmに調整可能だ

24L容量で耐久仕様の燃料タンクは同時発表の“カタナ1135R”同様に“ヨシムラ”ロゴを左右にエンボス加工したアルミ。クイックチャージャーも取り付け可能だ。S-1の“生産”台数は前作ハヤブサX-1の100台に対し50台となっている

24L容量で耐久仕様の燃料タンクは同時発表の“カタナ1135R”同様に“ヨシムラ”ロゴを左右にエンボス加工したアルミ。クイックチャージャーも取り付け可能だ。S-1の“生産”台数は前作ハヤブサX-1の100台に対し50台となっている

R1000K1をベースにST-1カムなどが組まれたエンジン。ヘッド面研とガスケット交換で圧縮比変更。オイルパンは容量300cc増となるヨシムラオリジナル。チタン4-1EX+トライオーバルサイレンサーは市販のGSX-R1000用と異なるS-1専用品

R1000K1をベースにST-1カムなどが組まれたエンジン。ヘッド面研とガスケット交換で圧縮比変更。オイルパンは容量300cc増となるヨシムラオリジナル。チタン4-1EX+トライオーバルサイレンサーは市販のGSX-R1000用と異なるS-1専用品

シートカウル下に置かれたEMSシステムは今でこそ一般化してきたサブコンで、燃料噴射量や点火マップなどを任意に設定できる。ノートパソコンを用いたセッティング変更に加えて、ハンドル部手元スイッチでのマップ切り替えも可能だ

シートカウル下に置かれたEMSシステムは今でこそ一般化してきたサブコンで、燃料噴射量や点火マップなどを任意に設定できる。ノートパソコンを用いたセッティング変更に加えて、ハンドル部手元スイッチでのマップ切り替えも可能だ”

φ43mm倒立フォークはオーリンズで、セッティングはS-1専用。FキャリパーはK1・STDのニッシン対向6P表面を面研し黒仕上げした上でYOSHIMURAロゴを入れたもの。ホイールは2000年代前半にヨシムラが使っていたBBS製の、アルミ鍛造品だ

φ43mm倒立フォークはオーリンズで、セッティングはS-1専用。FキャリパーはK1・STDのニッシン対向6P表面を面研し黒仕上げした上でYOSHIMURAロゴを入れたもの。ホイールは2000年代前半にヨシムラが使っていたBBS製の、アルミ鍛造品だ

リヤショックユニットもオーリンズ。スイングアームはSTDより30mm長い、8耐仕様のスリックタイヤ対応品でリンクもヨシムラオリジナル。シリアルNo.プレートやSnap-on製車載工具、室内保管用カバーも付属するなど、内容は充実していた

リヤショックユニットもオーリンズ。スイングアームはSTDより30mm長い、8耐仕様のスリックタイヤ対応品でリンクもヨシムラオリジナル。シリアルNo.プレートやSnap-on製車載工具、室内保管用カバーも付属するなど、内容は充実していた

ショップ情報
ヨシムラジャパン

住所/〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津6748

電話/046-286-0321

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