K'z FACTORY / GSX1100S カスタム写真
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スズキ GSX1100S

掲載日:2011年05月18日 プロが造るカスタム    

わずか5台のみが製作された
最後にして至高のヨシムラカタナ

「1135R」は、2000年に国内市販されたGSX1100Sカタナ・ファイナルエディションを元に“スーパースポーツ並みのコーナリング性能を与える”ことをコンセプトとして、ヨシムラがわずか5台だけを製作したコンプリートマシンだ。5台だけというのは、1100台のみが限定生産された最終仕様=ファイナルエディションのうち5台しか手に入らなかったためで、当然、これら5台はすぐに完売してしまった。だが、その内容と仕上がりの素晴らしさは、それまでの技法の集大成と言うべきもので、その後も大いにカタナカスタムの参考になっている。

 

基本的な処理や仕様は、ヨシムラが'90年代中盤に製作したカタナNKレーサーをベースにしているが、そのマシン自体、'82年にデビッド・アルダナやウェス・クーリーがアメリカのAMAスーパーバイクシリーズを走ったヨシムラGS(X)1000Sスーパーバイクレーサーが手本となっている(当時アメリカのスーパーバイク規定は1000ccだったため、GSX-Sカタナにも1000cc仕様が市販された=GSX1000S。しかも当地では日欧での4バルブGSXもGSと呼んでいたので、2バルブ車GS1000Sの名のままでカタナになった)。つまり、この1135Rはアルダナ・カタナを現代的にアレンジしたバイクと言える。例えば、シートレールをスイングアームピボット直前で1度切断し、再溶接した上でテールアップさせ、レイダウンマウント・リヤショックのストロークを稼ぐ手法などは、まさにアルダナ・カタナそのもの。全14カ所におよぶフレーム補強も、当時からの経験が活かされているのだ。

 

スペシャルアルミタンクやビトーR&D製マグ鍛ホイールの採用などの徹底した軽量化によって車重はSTDの241.2kgに対して43.4kgも軽い197.8kg(いずれもガソリン抜き状態でヨシムラが実測)を達成。一方、エンジンはまだまだ手が入る余地を残したST-1仕様といえる内容ながら、それでも優に150psを超えているという。

 

フォルムこそカタナSTDを踏襲しているが、その走りはまったくの別物に研がれた。カタナがこの世に誕生して、この1135Rが登場した時点でもはや30年弱が経過したが、ここに再来したヨシムラ・カタナ、“ヨシムラ1135R”は多くのライダーにとって憧れとなる、「17インチカタナの究極形」と言っても過言ではないし、登場後10年を経た今でも、十分に参考になる内容を秘めている。

ヨシムラジャパン GSX1100Sの詳細写真は次のページにて

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