市本ホンダ(Team CB's) / CB1100R カスタム写真
市本ホンダ(Team CB's) / CB1100R カスタム写真

ホンダ CB1100R

掲載日:2011年05月11日 プロが造るカスタム    

17インチ+倒立化で下がる車高に
ひと工夫を加えて妥協のない車体へ

市本ホンダのお客さんは、ストリートとサーキット(今ならエクストリームも含むだろう)、両方を楽しんでいるという人が少なくない。それは代表の市本さんが自ら、ショップ通称の由来となったホンダCBをメインに草レースに出場(TOTの前身、TOF=テイスト・オブ・フリーランスやもて耐など)してきたことも大きく影響しているのかも知れない。

 

そもそも市本さんは、今でこそ現代のCBであるCBR系を使ってエクストリームを行ったり(Team No Limit Japan)と活動範囲を広げているが、ショップオープン以前にはホンダのテストライダーも務めていたという経歴を持っている。つまり、走ることと走る楽しみについては、よく知り抜いているのである。そしてその中で一貫しているのが、市本さんのこんな言葉だろう。「ウチのマシンは街乗りできることが、まず基本。その上で保安部品を外せばサーキット走行もできるっていうのが、理想だよね」

 

このCB1100R改は、そんな市本さんが息子、宗一郎くん(言うまでもなく、ホンダの創始者・本田宗一郎さんと同じ名前)のプレゼント用に作ったというものだった。その内容は、同店が今までのカスタムで培ってきたノウハウをフルに盛り込んだ(市本ホンダの)「究極仕様」とでも呼ぶべきモノで、もちろん保安部品を外せば、サーキット走行に対応できるだけの能力も持っている。とくに他と違う工夫が見られるのは、倒立フォークを装着したフロントまわりだ。

 

「前後17インチ化で車高が下がるんですが、バンク角を確保するためにも最低地上高は高くしたい。でも、オーリンズの倒立フォークは、そのためには全長が短いんですよ。こういう場合、一般的にはフォーク延長キットを組むんですけど、それだとイニシャルやダンピングなどの調整がしにくくなってしまうんですよね」(同)。このように、カスタム化には少なからず複合した問題、あるいは要求が出てきてしまう。

 

そこで同店ではウイリーにトップブリッジ製作を依頼。フレームのヘッドパイプ上面からフォーククランプ位置で下方向に50mmのオフセットを取ることで、フロント車高を確保したのである。ここは作業性とディメンション、どちらも妥協しないアイディアとして、大いに参考にしたい部分だ。一方でウイリー製ステムを使うことは上下ブラケット部のブロック剛性も確保するわけで、50mmものオフセットが剛性不足を招かない選択という、追加の要素も満足している。

 

“あちらを立てればこちらが立たない”ではなく、一挙両得という解決法を見いだしてカスタム化に生かす。これは走る要素を念頭においたカスタムでは当然ではあるものの、なかなか成立させることが難しかったのも、また事実だった。だが、しっかりした目と作り方を知っていれば、このCB1100Rのように見た目にも実際にも、楽しい仕上がりが得られるものなのだ。

市本ホンダ(Team CB's) CB1100Rの詳細写真は次のページにて

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