ボーグ カスタムモーターサイクル / Z2 カスタム写真
ボーグ カスタムモーターサイクル / Z2 カスタム写真

カワサキ Z2

掲載日:2011年04月27日 プロが造るカスタム    

ボルトオンが全盛の時代にあって
あえてオリジナリティにこだわる

ボーグモーターサイクル(モトハウスイトウ)は、カスタム車両製作にあたって早くからGMDコンピュートラックを導入してきた。このGMDとは車体の各部位置関係の計測機器で、ベース車のフレームチェックを筆頭に、ジオメトリーの設定や前後ホイールの整列、チェーンライン出しなどをミリ単位の精密さで行っている(実際はミリ以下の精密な誤差測定もできるのだが、前後ホイールの整列などに関しては誤差2mm以内を公差としているとのこと)。

 

また、こうしたデータはショップのPCに蓄積され、新たなカスタム製作時にも有効活用されている。たとえば同じ車種であればどこまでがゆがみの許容範囲かも分かるし、新たに作られたカスタムでホイールサイズが異なる等ディメンション変更があっても、いい前例が参考データとしてすぐ呼び出して応用することもできる。もちろんこれは、BORGの伊藤さんが各種データと走行性能の相関関係を把握しているからこそ、できることだ。

 

さて、このZ2カスタムは「ボルトオンパーツを極力使わずに仕上げたい」という強力なオーダーの元に製作されたという1台。オーナーは自動車関係の仕事をしており、パーツの脱着などは、ほぼすべてを自分自身の手でこなす。このため、この車両ではBORG伊藤さんが主にワンオフパーツ製作を担当、アッセンブリ作業をオーナーが自ら行うという“分業”を行っているのである。

 

その一例がオイルクーラー上に横置きされたステアリングダンパー。市販キットと同じような、車体側面に置くような装着方法であれば問題はなかったのだが、目立たずコンパクトに収まる場所を追求していった結果、オイルクーラー上に落ち着いたとのこと。ただし、ハンドル切れ角などとの干渉を避けるためのクリアランス設定には、かなり苦労したようだ。

 

ボルトオンパーツが豊富に存在する現在では、そうしたパーツ類をただ組み込んでいくだけでは、オリジナルな仕上がりにはなりにくい。そんな中にあってこのマシンは「考えてゼロから作る」という本来の楽しみを、身をもって示した1台と言える。同時にオリジナルな仕上がりを手に入れているし、さらに言うならば、冒頭のように車両の土台からしっかりとした数字の裏付けがされているので、問題なくしっかり走る。つまり、カスタムとして非常に高い満足度が得られる車両の見本となっているのだ。

ボーグ ボーグ カスタムモーターサイクルの詳細写真は次のページにて

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