バイクプラザ・メカドック / GSX750E カスタム写真
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スズキ GSX750E

掲載日:2011年04月13日 プロが造るカスタム    

後継車用パーツを巧みに生かし切って
“ベコ”系カスタム最速を目指した1台

1977年に登場したスズキ初の4ストロークビッグバイク、GS750は丸型カムカバーや、柔らかいラインを持った燃料タンクなど、流線型をイメージさせるラウンドデザインを採用していたが、これが1980年代に入ると当時の工業デザインで主流となった直線形デザインを採り入れる。GS1000/750が2→4バルブ化してモデルチェンジを果たしたGSX1100/750系もその流れを汲み、GSになかった押し出しの強いフォルムとカラーから親しみを込めて「赤ベコ」と呼ばれた。

 

ちなみにベコとは東北方言で牛を指し、赤ベコは福島県会津地方の郷土玩具。直線的に作られて首を振るという赤い牛の置き物なのだが、これが大きな角型ヘッドランプを持ち、赤や、それに近い純正色を持っていたGSX1100/750Eをイメージさせたのだろう。それだけでなく、GSから引き継いだスズキらしい質実な作りと高い走行性能も、実直に働く牛の姿を連想させたのかもしれない。

 

そんなGSX系のファンのことをベコファン、ベコフリークとも呼ぶことがあるのだが、このGSX750Eのカスタムを手がけたメカドックの代表・阿部さんは、自らもこのGSX-E系を愛用してきた「牛車フリーク」(もちろん“牛車”は、ベコ系旧車カスタム、からつけたネーミング)。そして、この車両は、そんなメカドックの製作する“牛車”カスタムの中でも最速を目指して作り込まれた1台だった。

 

ベースとなったのは、'81年式の750E。だが、メカドックでは純正の750空冷ユニットをチューニングするのではなく、遠い子孫とも言える'90年式GSX-R1100の油冷エンジンに手を加えた上で搭載。メカチューンに加えて吸排気系のセッティングでこのエンジンは、後輪軸出力で165馬力(この項の流れではむしろ“牛力”と言っていいか)を実測するモンスターユニットに仕上がった。一方、足まわりは同じく後年のスズキ系モデルであるGSF1200のものをほぼ全面移植。この変更を受けてシャシーにも合計6カ所の補強を追加するなどして、前述の超強力なパフォーマンスアップに対応している。

 

気になる走行性能については、メカドックではこの車両同様のカスタムを数台製作している上、日頃から北海道ならではの環境をフルに活かした“激走日帰りツーリング”で、セッティングを確認しているとのこと。現行パーツで良くなったところを、局地的に感じさせるのではなく、愛着の湧く昔のスタイルのまま、高次元なまとまりをドッキングさせている。メカドックが手がけた“ベコ”からは、そんなフィーリングが強く感じられるのだ。

バイクプラザ・メカドック GSX750Eの詳細写真は次のページにて

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