カワサキZ1と双璧を成す人気のホンダCB750フォア/量産車初の4気筒750ccの魅力を公道インプレ

掲載日:2018年08月02日 試乗インプレ・レビュー    

取材協力/ライコランド新横浜店 ハラファクトリー
文/モトメンテナンス編集部 写真/堤 晋一
記事提供/絶版バイクス編集部
※この記事は『絶版バイクス25号』に掲載された内容を再編集したものです。

操作性も乗り心地も良好で
街中でもワインディングでも楽しめる

その感覚は走り出しても変わらない。2スト750ccのカワサキ750SSやスズキGT750で味わえるピーキーさや一瞬のパンチ力は、40年以上経た現在でも鮮烈だが、一方4スト750ccのノーマルエンジンには緊張して身構える必要はどこにもない。きわめて軽いクラッチレバーを握り、節度感のあるチェンジペダルを1速に踏み込んで、スロットルを開けながら優しくミートすれば、重さを感じさせることなくスルスルと発進する。

ただ現行モデルと違うのは、吐き出される排気音が4つのシリンダーの爆発力を明瞭に感じさせるワイルドさに溢れていることだ。この排気音のためライダーはスピードが出ていなくてもバイクを走らせている感じを楽しむことができ、絶版車を操っている実感を得ることができる。

このCBを借用する際に念を押されたのは「ブレーキは今のバイクのようなつもりで掛けないでくださいね」ということだった。CB1300スーパーフォアと同じような効きを期待しないで欲しいという意味で言ったのだろうが、快適なスピードで走っている限り、また急ブレーキが必要なアクシデントが起こらない限り、CBのブレーキに街中でも首都高速でも不満を覚えることはなかった。強力な制動力を持つリアブレーキを併用すれば前ブレーキだけでつんのめることもなく、コーナリングで車体を安定させられる。

ホンダ CB750フォアの試乗インプレッション

サスペンションも同様で、スプリングもダンパーも現行車よりは柔らかめだが、強引な操作をしなければ怖い思いをすることはなかった。高速でガンガン走りたいなら、もっとハードなセッティングにした方がペースが上げられるしマージンも増えるだろうが、そうでなければスタンダード状態で明らかに劣る場面は見当たらない。

このあたりは何を求めるかで判断が分かれるところだろう。外見はCB750フォアだが中身は最新が欲しければ現行のCB1100を750フォア風にモディファイする方が落胆せずに済むだろう。逆に「この性能で十分。この乗り味が新鮮で楽しい」と感じるなら、絶版車を購入することで満足感を得ることができるはずだ。900ccのカワサキZ1と違って、ベースとなる排気量が小さい分、大幅にボアアップするチューニング例はそれほど多くはないが、排気量アップに頼らなくても高い満足度を得られるのが、このCBの美点と言ってもよいだろう。

CB750フォアの詳細写真は次のページにて

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