【Z900試乗記事】想像を超えた扱いやすさと完成度に心惹かれるスポーツネイキッド

掲載日:2018年12月14日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/小松 男

カワサキ Z900 試乗インプレッション

扱いやすさ、そして懐の深さは超一級品
誰しもが真摯に向き合えるバイク

Z900に跨り最初に感じたのは余裕のあるライディングポジションの設定だということだ。シートが低めにセットされている上に角がシェイプされているため足つき性がとても良い。さらには自然に手を前に伸ばした位置にハンドルがあり、とても楽な乗車姿勢となる。最近のこの手のモデルの多くは、多大なパワーを押さえつけながらスポーティなライディングをすることを想定し、シートは高く、ハンドルが低く抑えられていることが多いのだが、その逆となっていることでライダーフレンドリーなキャラクターを想定しているという一面が伺える。

カワサキ Z900の試乗インプレッション

心臓部となるエンジンはZX-9R系の血脈を受け継ぐ伝統の並列四気筒を採用している。これは兄弟モデルにあたるZ1000エンジンも同系であり、それをスケールダウンした格好となっている。カワサキはWSBK(世界スーパーバイク選手権)において、2015年から2018年まで4年連続で年間チャンピオンを獲得しており、そのパフォーマンスを引き出すテクノロジーは市販車へもフィードバックされている。

カワサキ Z900の試乗インプレッション

エンジンに火を入れて走り出すと、想像以上に動きが軽いことに驚く。先述したようにポジションにゆとりがあるのである程度背が立ち、その結果軽い操安となっていることも理由のひとつだが、車重がZ900RSのスタンダードモデルと比べて5キロ軽量の210キロとなっていることも注目したい。そして最高出力に関してはZ900RSが111馬力なのに対しZ900は125馬力とパワーがあり、それも軽さを助長することに一役買っていると言えよう。

エンジンフィーリングは低回転から十分なトルクがあり、小気味良くシフトアップしていけば一般道であっても、あっという間に5速を使用することになる。扱いやすいトルク特性のため、ギアを固定してオートマチック的なイージーライドも簡単にこなせる。もちろんひとたびスロットルをワイドオープンすれば、視界に写るものは瞬時に後方へと過ぎ去るような加速を味わえる。

ディメンション及び足まわりの設定が絶妙であり、軽くリーンさせるだけで、思い通りのコーナーリングを楽しめる。ハンドルを抱え込んで走るような“前乗り”のスポーツバイクが多い中、Z900はいわゆる“後ろ乗り”スタイルで、いとも簡単にリアタイヤの端まで使うことができるのは、多くのライダーが自身のライディングが上達したような感覚に陥ることだろう

カワサキ Z900の試乗インプレッション

カワサキ Z900の試乗インプレッション

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