【カワサキ Z900RS CAFE】STDよりもカワサキらしいライム+カフェの興奮

掲載日:2018年05月11日 試乗インプレ・レビュー    

試乗ライダー・レポート/宮崎正行  写真/富樫秀明  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事は『ロードライダー vol.435号 』に掲載された内容を再編集したものです。

カワサキ Z900RS CAFE

KAWASAKI Z900RS CAFE

昨年末発売のスタンダード版Z900RSに続き、初のバリエーションモデルとして今年3月に発売された「Z900RS CAFE」。Z900RSのように前モデルと比較したくなる車両に乗るのも楽しいが、そこから派生したバリエーションモデルだからこそ、前モデルとの比較は気にせず、より自由なイメージでZ900RS CAFEの世界を楽しむことができた。

過去にとらわれない
そのことを逆説的に体現

なぜカワサキはこれまで、その名をニューモデルに与えなかったのだろうか。「Z900RS」。理由をあれこれと想像してみるけれど、たぶん理由はひとつではない。それでもとうとう昨年末、その重すぎる名を冠して皆の前に現れた。不意を突かれたからか、はたまた待ちに待ったからなのか、このドキドキは本物だ。Z1を知る者みんなの、胸の高鳴りだ。

そんなZ900RSのバリエーションモデル、Z900RS CAFEに試乗した。スタンダードのRSに続いて、EICMA(ミラノショー)で追加された、ライムグリーンのカワサキ純正カフェレーサーだ。

カワサキ Z900RS CAFEの試乗インプレッション

あらましに触れておこう。基本コンポーネンツをはじめエンジンや足まわりのセッティングなどはスタンダードのZ900RS(以下RS)と同じだ。車重もたった1kg増えている程度。しかし強いインパクトを与えるAMAスーパーバイクレーサー風のビキニカウルや当時風の塗色をはじめ、見た目はRSと異なり、’70年代Zレーサーのイメージを各所に投影させたカスタム感の濃い印象を見せてくれる。

変更点はこのカウルのほかに、つや消しブラックにペイントされたハンドルがある。Z現役当時のスワローハンドルに似た形状のそれは、RSよりも左右10mmずつタイトでグリップ位置も低く下げられている。合わせてミラーのステーも短くなった。極端な段付きシートはカウル同様にAMAスーパーバイクレーサー風で、タンデム部分にプレーンな表皮を張ったことでシングルシートのような趣きになっている。シート高は、ハイシート( 欧州仕様/835mm ) とローシート( 国内仕様RS/800mm)の中間となる820mmの設定だ。「丸ライトでビキニカウルが似合う4気筒って、ひさびさに見たなあ」という感慨とともに車体を眺めると、ボリュームのあるデザインのせいだろうかシートが高く見える。

見た目の印象ほどRSとの実寸差(20mm)はないし、シート前端部も絞ってあるので足着きが悪いわけではないが、身長172cmの私・宮崎の両踵はベッタリとはならなかった。RSではベタ足となることを考えると20mmの差は存外に大きいが、乗って気になるものではなかった。ハンドル位置とのバランスもOKだ。

カワサキ Z900RS CAFEの試乗インプレッション

エンジンスタート時点で「これがノーマル?」と思うほど元気な排気音は、もちろんRSとまったく同様なのだが、“ヤル気”に満ちたスタイリングのCAFEの方が、よりシックリとくる。低いハンドル+高いシートでライディングポジションはスポーティなものに変化してはいるものの、実際に想像するほど大きな差ではない。

ただロングツーリングなどでは、その小さな差がジワジワと疲労を進めることも知っている。長距離をメインに使いたいなら、それほど大きなウインドプロテクションを発揮しないビキニカウルに期待するよりも、RSのアップライトなポジションを信じた方がいい。もちろんCAFEのカウルだって、タンクの上に突っ伏して上半身を収めれば効果大だが、それは現実離れした前傾だ。でもカフェレーサーだから当たり前だし、とやかく言うのは野暮だろう。よりスポーツしたいなら、フロントに荷重が載せやすくて前輪の接地感も高いCAFEを選択したい。

極低速から豊かなトルクで200kgオーバーの車体をズイッと押し出してくれるエンジン特性は、こちらが勝手に想像していた空冷エンジンのそれとは明らかに違うけれど、凡百のスポーツネイキッドやストリートファイターに比べればしっかりと味が濃い。急かされないし、気持ちがいい。トップ6速/時速50kmから痛痒なく加速してくれるこの4気筒には、「リッチ」という表現が似合うだろう。

低速でスロットルが少しだけ過敏なのは、慣れの範囲かもと思いつつ、改善してほしいポイントだ。ひとたび回せば、さすがにリッタークラスなりの強烈な加速をするけれど、そのパワーバンドは普段は使わないしほとんど必要ない。常用する回転域で丁寧に仕事をしてさえくれればいいのだ。

カワサキ Z900RS CAFEの試乗インプレッション

ハンドリングにも神経質なところはひとつもなく、低速Uターンから高速コーナーまで思い描いたラインの少しだけ内側をスムーズに駆けるナチュラルフィールだし、とくにリアブレーキはしっかりと制動してくれて、マシンコントロールを裏から支えてくれる。やや硬めの前後サスは乗り心地がイマイチだったものの、粘りはあるのでこれにもう少ししなやかさが加われば十分満足できる。万全を期したい向きは社外パーツからの選択という方法がある。

現在進行形のモダンバイクであるZ900RS。その素性と来歴を考えると、Z1に近づこうと肩ひじ張った感のあるRSより「お手本もないからいっそカフェスタイルで遊んじゃえ!」という軽ノリのCAFEの方が、過去から自由だ。ルックス、そして乗り味に違和感を覚えないのは、そのあたりに理由があるのかもしれない。

Zがモデルアウトして40年以上が経つ。どちらを選ぶかの正解はきっと、アナタのドキドキにある。

カワサキ Z900RS CAFEの詳細写真は次ページにて

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