アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー – スーパーバイクRSV4直系の過激なストリートファイター 試乗インプレ・レビュー

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー

TUONO V4 1100 Factory
APRILIA

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー – スーパーバイクRSV4直系の過激なストリートファイター

掲載日:2017年08月03日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

スーパーバイクRSV4直系の
過激なストリートファイター

スーパーバイク世界選手権王座に君臨してきたアプリリアの最高峰スーパーバイク、RSV4をベースにハーフカウルとアップハンドルを装備し、独自のチューニングを施したストリートファイターと して誕生したのがトゥオーノV4 1100ファクトリーである。

前身となるVツイン搭載モデルのトゥオーノ1000Rから、現行のRSV4譲りの水冷65度V4エンジンへとフルチェンジしたのが2011年。その後、2015年には排気量を1,077ccまで拡大し、2017年モデルでは電子制御パッケージ「APRC」が第4世代にアップグレードされている。

イタリア語で「雷」を意味するネーミングどおり、ライダーを痺れさせるアグレッシブな走りがトゥオーノの持ち味た。RSV4との立ち位置の違いも踏まえて、その実力を検証してみたい。

動画 『やさしいバイク解説:アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー』はコチラ

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー 特徴

排気量アップと電子制御の進化により
さらにパワフルで扱いやすく

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

新型トゥオーノの注目点は、まずパワーユニットだろう。RSV4をベースとした水冷V4エンジンは、ボアを3mm拡大することで排気量を1,077ccに拡大し、中速トルクを一段と持ち上げるとともに最高出力も175HPにアップ。クラス最強レベルの動力性能を持つに至った。

「APRC」の進化も見逃せない。スーパーバイク世界選手権を戦うRSV4から直接フィードバックされた電子制御システムは、現行市販車モデルの中でもトップクラスの先進技術が投入されていると言っていい。2017年モデルでは新たにフルライドバイワイヤを採用し、590gの軽量化とともにIMU(慣性プラットフォーム)の配置変更によって、より精度の高い姿勢制御を実現している。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

ライダーのスキルや走行シーンに合わせて選べる3種類のエンジンマップ(スポーツ/トラック/レース)と連動したエンジン出力特性とエンジンブレーキ特性が与えられたほか、ボッシュ製IMUの最新版、9.1MPシステムによる3軸(ロール/ピッチ/ヨー)角度と角速度の変化を捉えて最適な姿勢制御を行う8段階のトラクションコントロールを採用。そして今回、新たに3段階のコーナリングABSとシフトダウン側にも対応したクイックシフターが導入されている。

これ以外にも、2017年モデルではフロントブレーキにブレンボ製の新型M50キャリパー&大径φ330mmダブルディスクを採用して制動力を強化するとともに、前後オーリンズ製サスペンションはフロントにNXタイプを新採用するなど足まわりもグレードアップ。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

電子デバイスでも新たにクルーズコントロールとピットリミッターが採用され、これらを操作するジョイスティック型コントローラーを備えたハンドルスイッチと、TFTフルカラーディスプレイが新たに装備された。

マフラーも新設計となり、フルスペックのまま欧州の新排気ガス規制であるユーロ4に対応するなど、トータル的な大幅刷新が図られている。

なお、スタンダードモデルの位置付けであるトゥオーノRRとの違いはカラーリングのほか、前後サスペンションがオーリンズ製であること、リアタイヤに極太サイズの200/55を採用していることなどがある。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー 試乗インプレッション

増量されたトルクと楽なライディングポジション
街乗りやツーリングも気持ちいい

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

カラーリングも顔つきもRSV4とそっくりで、ちょっと見ただけでは区別が難しい。逆に言えば、トゥオーノはそれほどまでにRSV4直系であることをアピールしていると言える。

エンジンをかけると聞き覚えのあるV4サウンド。RSV4よりひと際図太くややこもった感じだ。軽いクラッチをつなぐと、まず出足がスムーズなことに気づく。これはまさに排気量アップしたエンジンの恩恵だ。水冷65度バンクのV4レイアウトこそRSV4と共通だが、排気量が1,077ccに上乗せされてより低い回転数で大きなトルクを発生するキャラクターが与えられている。加えてミッションも4-6速がハイギアード設定になっているため、ツーリングなどでは回転数を抑えて楽に走れるし、2次減速は逆にショート設定で加速型になっているためスタートダッシュも俊敏というわけだ。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

スロットルを開けていったときの弾けるような加速感はV4ならではだが、溢れんばかりの中速トルクの“塊感”はトゥオーノが上回る。エンジンが変わったことで、高回転で伸びてくるRSV4とはキャラクターの作り分けがより明確になったと思う。

電子制御もRSV4と同じ第4世代のAPRCへと進化した。2017年モデルからフル電制化されたスロットルはとてもスムーズで、初期の電制スロットルにありがちだったタイムラグやギクシャク感もなく、右手の動きにじつにリニアに応答する。3種類のエンジンマップに合わせて出力特性とエンジンブレーキ特性が自動的に設定されるが、どのモードでもスムーズさは変わらずにエンジンのレスポンスだけが変化するイメージ。街乗りでは最も穏やかな「スポーツ」モードが気持ちいい。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

RSV4と比べると前傾が緩く、比較的上半身が起きているため、見通しが良く腰や首への負担が少ないなど、ストリートでの使い勝手も悪くない。ベースがRSV4なのでハンドル切れ角は十分とは言えないが、低中速トルクがあるためUターンなど小回りもニガテというほどではない。シート高は825mmと、RSV4の840mmに比べるとやや低め。前後サスペンションも初期荷重での沈み込みを多くとったストローク感のあるセッティングため、足着きもだいぶ良いと思う。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

ブレンボ製の最新ブレーキシステムと大径化されたブレーキディスクによる制動力は強烈で、フルブレーキングでは前転しそうな勢いだが、そこも電子制御が後輪のリフトを絶妙に抑えてくれるし、コーナリングABSが新たに採用されて路面の悪いカーブなどでは安心感が一段とアップした。もちろん試す気にはなれないが、もしフルバンクで急ブレーキをかけざるを得ない局面では、最後の砦になるはずだ。

また、新型ではクイックシフターがダウン側も対応してくれる。つまり半クラやブリッピングで回転数を合わせていく必要がないため、コーナー手前での操作が格段に楽になり、その分落ち着いて速度コントロールなどに集中できるようになった。

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリーの試乗インプレッション

ハンドリングはRSV4譲りで俊敏かつ軽快。ライディングポジションと関係していると思うが、フロント分布荷重が少なめな印象で、RSV4よりもヒラヒラと乗れる。一方で車体も少し大柄となり、ホイールベースも長い感じがあり、ゆったりと乗れる安定感も持ち合わせている。エンジンも中速に厚く、ライダーも楽に乗れるだろう。

クラス最強のパワーに軽い車体、SS同等の足まわりなど、まさにRSV4のイメージとパフォーマンスをネイキッドの車体に詰め込んだモデルだ。サーキット性能を優先しつつもたまにはスポーツツーリングを楽しみたい、街中でもクールなイタリアンデザインとV4サウンドに酔いしれたいという人には、是非おすすめしたい。

詳細写真

スーパーバイク「RSV4」ベースの水冷65度V型4気筒DOHC4バルブの基本レイアウトはそのままに、ボアを3mm拡大して1,077ccにスケールアップされたエンジン。最大トルクではRSV4を上回るミッドレンジ重視の出力特性が与えられ、最高出力175HPを実現しつつユーロ4にも対応している。

2017年モデルにはオーリンズ製φ43mmNIX倒立フォークにブレンボ製M50モノブロック4ピストンラジアルマウントキャリパーを新たに採用。ディスク径も10mm拡大されてφ330mmとなり、コーナリングABSを標準装備するなど新型RSV4と同等の装備を誇る。

リアショックにはオーリンズ製ピギーバックタイプを採用。伸び側と圧側ダンパー、スプリングプリロード調整機構を装備したフルアジャスタブルタイプとなっている。ちなみにRSV4はTTXタイプを採用する。

完全新設計のエキゾーストシステムを採用。2つのラムダセンサーと排気バルブを内蔵した新型マフラーは、新たなユーロ4の騒音および排出ガス規制に対応しつつ、クラス最高のパフォーマンスと迫力あるV4サウンドを継承。サイレンサーのサイズは若干大きくなっている。

アルミ製プレス材と鋳造セクションを組み合わせることで、フルパワーに耐える高剛性と絶妙なしなやかさ、俊敏なハンドリング応答性を実現したアプリリア伝統のフレームワーク。基本的にRSV4と同じ構造で、フレーム重量10.5kg、スイングアーム重量5.1kgと非常に軽量に仕上げられている。

フロントカウルは従来型を踏襲。RSV4と共通イメージのトリプルヘッドライトは左右がロー、センターがハイビームのアプリリアのフラッグシップモデルらしいアグレッシブな外観が与えられている。ウインカーは通常のカウルマウントタイプ(RSV4はバックミラー内蔵式LED)を採用する。

極端に絞り込まれてミニマライズされたリアビューもRSV4と共通イメージ。ウインカーは通常のバルブタイプを採用。

RSV4と共通イメージのタンク。容量も18.5リットルと同じでツーリングにも十分な航続距離を確保できる。サイド面は自然な形で絞り込まれていてホールドしやすい。

シングルシート風のデザインはRSV4と共通イメージだが、よく見るとシート幅や厚みが微妙に異なっていて、より快適性が重視されている。シート高も15mm低い825mmに設定。

高速域での安定性を高めるオーリンズ製の調整式ステアリングダンパーを標準装備。スタンダードモデルのトゥオーノRRには非調整式SACHS製ダンパーが装備される。

左側グリップ手元に集中配置されたスイッチ類。APRCのモードやパラメーターは主に右上のジョイスティックで、トラクションコントロールは右下のパドルスイッチで操作する。唯一エンジンマップだけは右手元で操作する仕組みだ。RSV4と同じシステムで、慣れれば便利に使いこなせるはず。

ライディングの関するインフォメーションやAPRCのセッティング情報をトータル的に表示する4.3インチTFTカラーディスプレイを新採用。ブレーキ入力、スロットル開度、バンク角などの走行状況の表示や、昼間と夜間、ロードとレースなどで選択できる多彩な表示オプション機能を備えるなどRSV4と共通機能を持つ。

SPECIFICATIONS – APRILIA TUONO V4 1100 Factory

アプリリア トゥオーノ V4 1100 ファクトリー 写真

価格(消費税込み) = 199万8,000円
※表示価格は2017年7月現在

RSV4ベースのエンジンと車体が与えられたスポーツネイキッド。2017年モデルでは排気量を1,077ccに拡大し、クラス最強レベルの175HPを発揮。電子制御パッケージ「APRC」も第4世代に進化した。

■エンジン型式 = 水冷4ストローク65°V型4気筒 DOHC 4バルブ
■総排気量 = 1,077cc
■ボア×ストローク = 81.0×52.3mm
■最高出力 = 129kW (175HP)/11,000 rpm
■最大トルク = 121N・m/9,000rpm
■トランスミッション = 6速
■サイズ = –
■車両重量 = –
■シート高 = 825mm
■ホイールベース = –
■タンク容量 = 18.5リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70-17
■Rタイヤサイズ = 200/55-17

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