ホンダ レブル500/250

Rebel500/250
HONDA

ホンダ レブル500/250 – 斬新さと実直さを兼ね備えたクルーザー

掲載日:2017年06月12日 試乗インプレ・レビュー    

試乗ライダー・レポート/中村友彦  写真/徳永 茂  記事提供/ロードライダー編集部

1985年に初代がデビューし、日本では1998年、北米では2016年まで販売が続いたレブルが、初のフルモデルチェンジにより再ラインナップ。ホンダが提唱する新世代のミドル&スモールクルーザーは、どんな資質を備えているのだろうか。

斬新さと実直さを兼ね備えた
ミドル&スモールクルーザー

新型レブルの発表試乗会に参加して、僕が最初にオッ?と思ったのは、以下の2点である。

まずひとつ目は、500cc並列2気筒車と250cc単気筒車が、シャシーを共有していること。おそらく、エンジン形式が異なる車両に同じフレームや足まわりを採用するのは、ホンダでは初ではないだろうか。そしてふたつ目は、ユーザーが個性を演出する手法として、自由なカスタムを提唱していること。この点は、BMWのRナインTやドゥカティ・スクランブラー、あるいはH-D各車に通じる展開のような気がするけれど、3台のカスタム車に加えて、チョッパー&ボバーテイストが濃厚なカスタムプランの写真を数多く公開するというのは、これもホンダでは異例のことだと思う。

もっとも、実際に新型レブルを体感した僕は、そのふたつ以上に、ハンドリングの実直さと乗り味の面白さを強調したい、という意識にかられているのだった。パッと見はデザイン優先のクルーザーで、ファットな前後16インチタイヤ+ナローなボディによって実現した“ボン→キュッ→ボン"のスタイルは、確かに個性的だけれど、新型レブルにはライディングの基礎が学べそうな、ベーシックなスポーツバイクとしての資質も備わっていたのだ。

ホンダ レブル500/250の試乗インプレッション

Rebel500

その新型レブルで特に感心したのは、コストがかかるスランテッドアングル、つまり一般的なクルーザーはキャスター角を寝かせた結果として、トレールが過大になりがちだが、レブルはフォーク角30度/キャスター角28度という数値を採用して、トレールを110mmに設定したことによる、フロントまわりの挙動のわかりやすさである。とはいえ、乗り手の尻にダイレクトに伝わるトラクションや、バンキング中に感じる手応えとスムーズさ、クルーザーとしてはかなり深めのバンク角、目線の低さがもたらすスピード感も、このバイクの魅力を語る上では欠かせない要素だろう。

ホンダ レブル500/250の試乗インプレッション

Rebel500

これは誉め言葉として捉えてほしいのだが、新型レブルはひと昔前のH-Dスポーツスターに通じる、ほどよいスポーツ性とワクワク感、そして安心感が楽しめるモデルなのだ。ホンダが提唱するカスタムとは方向が異なるものの、僕ならこのモデルをベースにして、ツーリングが楽しめるスポーツネイキッドを作ってみたい、と思ってしまうほどだった。

なお、500と250の違いに関しては、500:むっちりしたトルクと強烈なダッシュ力が堪能できる、250:単気筒特有の気軽さとヒラヒラ感が味わえる、という印象で、500が主役で250がお下がり的な雰囲気は、まったく感じなかった。その上、いずれのモデルも重厚な排気音に加えて、適度な振動とメカノイズが心地いい、クルーザーとしての鼓動感がきっちり構築されており、高回転指向のCBR500/250Rから転用したエンジンで、こういった味わいが引き出せるというのは、まさに予想外の展開として驚かされたのだった。

500と250の両モデルに
きっちり立つ瀬がある

HONDA レブル500/250の試乗インプレッション

Rebel500

HONDA レブル500/250の試乗インプレッション

Rebel250

本文でも触れているように、新型レブルは排気量の格差を感じないモデルである。どちらに軍配を上げるかは、乗り手の好みや体格、予算によりけりで、大型免許を所有するベテランが250を選んでも、全然不思議ではない。カラー設定は500:銀と赤、250:銀・黒・黄

レブル500/250の詳細写真は次のページにて

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