ホンダ CBR400R
ホンダ CBR400R

ホンダ CBR400R – 走り、スタイルともに一段とスポーティに変身

掲載日:2016年05月19日 試乗インプレ・レビュー    

レポート/栗栖国安  写真/徳永 茂  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はカスタムNo.1マガジン『ロードライダー』の人気企画『New Model Impression』を再編集したものです

2013年にニューファンダメンタルコンセプトによって登場したライトウエイトスポーツのCBR400Rが外装や細部を変更し、さらにスポーツ性を高めてきた。果たしてその走りとは?

走り、スタイルともに
一段とスポーティに変身

ミドルスポーツモデルCBR400Rに、ビッグマイナーチェンジが施され登場した。心臓部の水冷直列2気筒エンジンに大きな変更はないが、内部構造を変更した新形状の異型断面マフラーの採用で、排気効率の向上とマスの集中化を実現。排気音も低音域を増幅させたという。さらに細かなところでは、チェンジペダルの操作荷重を低減し、ギアチェンジ操作フィーリングも向上させている。動力性能面では従来型を踏襲するものの、よりフレンドリーなものへと進化熟成が図られたのだ。

しかし、ニューCBR最大の変更点は、上級モデルCBR1000RRを彷彿させるアグレッシブなカウルまわりの導入である。フルカウル装備のスポーツモデルながら、どちらかといえばおとなしめの印象があった従来型から一変。かなり戦闘的なイメージを強調している。これでボディは全体にシャープなラインとなり、いかにもスーパースポーツといった雰囲気だ。中でもLEDデュアルヘッドライトを採用したフロントまわりは、先進的で精悍。フロントカウルが低く構える。俗っぽい表現をすれば、カッコ良くなったのである。ユーザーにとっての満足度は大きくアップしたはずだ。

このようにスーパースポーツ然としたCBRを目の前にすると、走りへの期待感は自ずと膨れ上がる。ところが乗車してみると、高めにセットされたハンドルにより、アップライトなポジションを取ることになる。上体を低く構えるイメージは霧消してしまうのだ。このギャップに少々戸惑うが、市街地走行からツーリングといった一般的な使用状況を考えれば、このライディングポジションは決して間違いではない。シート高は785mmに抑えられて、足着きに不安はないしステップ位置も高すぎない。ネイキッドモデルに乗っているような感覚なのだ。

7,500回転で最大トルクを発生するエンジンは、極低回転域から粘り強いトルクで車体を前進させる。そしてスロットルをグイッと捻れば、抵抗なく吹け上がりスーッと加速していく。高速道路で一気に高回転域へと持っていったが、エンジン特性はあくまでもフラット。パンチ力を実感するところがなかったのは少し残念だが、アクセル操作に従順に追従してくれるので、長時間乗ったときの疲労感は少ない。

低音寄りとなったエキゾーストサウンドには、とくに心躍る印象はないが、一定のスピードで走行中も、加速した際にも耳障りな音はなく、軽やかなサウンドを奏でる。これなら音からの疲労もない。

乗車感はネイキッドモデルと同様の感覚と前述したが、高速走行ではやはり、カウル装備による恩恵は大きい。フロントカウル、ウインドスクリーンともに低めにセットしてあるのだが、風圧はしっかり抑制してくれるので、無理に伏せ姿勢をとらずとも、身体に当たる走行風は僅かだ。しかもウインドスクリーン下部にダクトが設けられたことで、頭部周辺の乱流が減少し、首の負担もない。高速走行での快適性はノンカウルモデルの比ではない。ツーリング好きのユーザーには朗報だろう。

また、車重が200kg以下ということもあって、ハンドリングは軽快だ。特性としてはニュートラルな部類で、いわゆるクセがない。従ってタイトなカーブでクイックに向きを変えるのも容易だし、高速カーブをピタッとトレースしていく満足感も得られる。前後サスペンションの動きも良く、タイヤの接地感も十分に伝わってくる。すべては公道レベルでの性能だが、フレーム剛性も含めてワインディング性に不足はない。これはブレーキについても同様だ。

外観上はアグレッシブなイメージへと生まれ変わったCBR400Rだが、走りの質はあくまでもフレンドリーだと感じた。その上でスポーツライクな走りも許容してくれる性能も持ち合わせているのだから、幅広いユーザー層に楽しいバイクライフを提供してくれることだろう。

精悍なスタイリングへと変貌した!

鋼管製ダイヤモンドフレームに、軽量コンパクトな水冷直列2気筒エンジンを搭載。その性能はミドルスポーツモデルとして、日常域で十分な実力を発揮する。スタイリングはスーパースポーツらしさを強調し、LEDデュアルヘッドライト採用により、顔つきは一段と精悍さを高めた

ホンダ CBR400Rの詳細写真は次ページにて

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