スズキ GSX-R600(2015)
スズキ GSX-R600(2015)

スズキ GSX-R600(2015) – 20年以上の進化熟成を重ねたミドルスーパースポーツ

掲載日:2015年10月22日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

20年以上の進化熟成を重ねた
盤石のミドルスーパースポーツ

スズキGSX-R600は、1992年にGSX-R750の派生モデルとして登場。WSS(スーパースポーツ世界選手権)や全日本ロードレース選手権ST600クラスなどでも活躍する、伝統的なミドルスーパースポーツである。初期型はGSX-R750をベースに排気量を下げたスケールダウン版だったが、世界的な600ccクラス人気の高まりなどに応じて、2006年型からは逆にGSX-R600をベースにGSX-R750が開発されている。

幾度ものモデルチェンジを重ねて進化熟成された現行モデルには、GSX-R1000用に開発されたS-DMS(スズキ・ドライブモードセレクター)やBPFタイプの倒立フォーク、ブレンボ製モノブロックキャリパーを採用するなど上級モデルに準じた装備が投入され、未だ一線級のポテンシャルを誇っている。今回は兄弟車であるGSX-R1000との比較も交えてレビューしたい。

スズキ GSX-R600(2015)の特徴

スズキ GSX-R600(2015)の画像

GSX-R1000譲りのスペックを満載し
本格的スポーツライディングに対応

現行(2015年現在)のGSX-R600は、2011年にフルチェンジを行った7代目からの継続モデルである。エンジンはピストンの軽量化や加工精度向上による燃焼効率アップなどにより、出力特性はさらに向上。これに合わせて、トランスミッションのギアレシオを見直し、コーナー出口での力強い加速を実現した。また、バックトルクリミッターを標準装備しスムーズで安定したシフトダウンを可能としている。 ライダーの好みに応じて出力特性を選択できるS-DMSに関してはパフォーマンスと使いやすさを追求し、GSX-R1000の3マップに対し2マップ選択としている。

スズキ GSX-R600(2015)の画像

車体に関しては、1,350gの軽量化を実現した新設計アルミキャストツインスパーフレームを採用。15mm短くなったホイールベースとマスの集中により、軽快なハンドリングも実現。軽量化されたフロントカウルは防風性能を犠牲にすることなく高い空力性能を発揮している。また、ハンドルバーはより近く低い位置にセットされるなど、ライディングポジションもよりスポーティかつ快適な設定となった。

スズキ GSX-R600(2015)の画像

GSX-R1000譲りのハイグレードな足回りも特徴である。ショーワ社製の倒立式ビッグピストンフロントフォーク(BPF)は作動初期での優れた減衰性能により、高い路面追従性と旋回性、安定したブレーキングを実現。リアサスペンションも圧側減衰に細かな設定を可能にする2ウェイ調整式を採用。サスペンションは前後ともフルアジャスタブル設定だ。また、フロントブレーキにはブレンボ製ラジアルタイプのモノブロック4ピストンキャリパーを採用、軽量化と剛性強化により制動力とブレーキタッチの向上が図られている。

スズキ GSX-R600(2015)の画像

他にも安定性とシャープなハンドリングを両立する電子制御式ステアリングダンパーを標準装備。メーターパネルにはMotoGPマシン譲りのエンジンRPMインジケーターを装備する。

このように、装備の充実度はGSX-R1000とほぼ同等レベルであり、本格的なスポーツライディングに対応したスペックが与えられていることがGSX-R600の大きな魅力になっている。

スズキ GSX-R600(2015)の試乗インプレッションは次ページにて

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索