ヤマハ YZF-R1
ヤマハ YZF-R1

ヤマハ YZF-R1 – レースの世界でも活躍するヤマハ最速マシン

掲載日:2013年01月10日 試乗インプレ・レビュー    

取材・撮影・文/淺倉 恵介

レースの世界でも活躍するヤマハ最速マシン
電子制御式デバイスの追加で戦闘力が更に向上

1998年に登場し、センセーションを巻き起こしたヤマハ YZF-R1。その圧倒的な動力性能と抜群の運動性能は、リッタークラスのスポーツバイクとしては画期的と言えるものだった。リッター・スーパースポーツというジャンルは、市販車を改造して争われるレースの世界最高峰である WSBK をはじめ、レースの世界でベース車両として多く使用されるマシンであるため、サーキットでの限界性能まで考慮して作られるもの。だが、YZF-R1 は「ツイスティーロード最速」を標榜し、ストリートでの速さと楽しさを忘れない作り込みが絶賛され、ストリートバイクとして高い評価を得た。

その YZF-R1 も、現行モデルで早くも7世代目を数える。2009年に登場した現行モデル最大の特徴は、クロスプレーン型クランクシャフトを採用したエンジンだ。クロスプレーン型クランクシャフトは、並列4気筒エンジンらしからぬ高いトラクション性能を実現。また、2012年モデルからは、新たにトラクションコントロールシステムを装備し、ますます速さと楽しさに磨きがかけられた。

ヤマハ YZF-R1の特徴

クロスプレーン型クランクシャフトが生み出す異次元の走りを
D-MODE とトラクションコントロールシステムがサポート

YZF-R1 がライバルと最も異なる部分が、クロスプレーン型クランクシャフトの採用だ。一般的な並列4気筒エンジンは、1番、4番シリンダーと、2番、3番シリンダーが 180 度位相して等間隔で爆発する。クロスプレーン型クランクシャフトでは1番と2番、3番と4番のクランクピン位置を 90 度位相。これを1番、3番、2番、4番の順で点火させると、270度、180度、90度、180度という不等間隔爆発となる。不等間隔爆発によるメリットは、クランク周りに生じる不要な慣性トルクが排除され、より効率良くトルクを引き出すことが可能となる。スロットル操作に対してのエンジンの反応が掴みやすく、スロットルを開けやすい特性とされている。

ヤマハ YZF-R1の画像

インジェクションのスロットルバルブ開度制御は、ヤマハ独自のライド・バイ・ワイア方式 『YCC-T』 を採用。ライダーのスロットル操作に対して、ECU が最適なスロットルバルブ開度を瞬時に演算。最適な吸入空気量制御を行う。また、出力特性を3種類のマップを切り替えることで変更可能な 『D-MODE』 を搭載。路面状況や走りのシチュエーションに合わせたパワーフィーリングを選ぶことができる。そして2012年モデルから新たに装備されたのが、トラクションコントロールシステムだ。前後輪の車速を常時モニタしECUが演算、点火時期、燃料噴射量、スロットル開度を統合制御することで、リアタイヤの最適なトラクションを実現する。トラクションコントロールシステムは介入度合いを7段階で調整可能。D-MODE との組み合わせで、21 通りのライディングモードを選択できる。

ヤマハ YZF-R1の試乗インプレッションは次ページにて

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