ホンダ CBR1000RR (2012)
ホンダ CBR1000RR (2012)

ホンダ CBR1000RR (2012) – ホンダを代表するスーパースポーツ!

掲載日:2012年04月26日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/田宮 徹

ホンダ CBR1000RR (2012)の試乗インプレッション

ホンダ CBR1000RR (2012)の画像

様々なシーンで安心して楽しめる
極めてフレンドリーな走行性能!

まったくの同条件で新旧を比較したわけではないが、パッと乗った2012年型 CBR1000RR の走行フィーリングは、これまで何度も試乗してきた従来型と、まるで同じ印象だった。エンジンやフレームが、従来型を完全に踏襲しているというのが、その大きな要因だろう。たとえば新型の前後サスペンションは、今回のような公道でのライディングではなく、ハードなサーキット走行をしたときに、初めてメリットが感じられるのかもしれない。

ただし近年の国内仕様 CBR1000RR にとっては、変わりがないということは良いことでもある。2008年型でフルモデルチェンジを受け、さらに2010年型で細部熟成が施された従来型の国内仕様 CBR1000RR は、極めてフレンドリーな性格を誇っていた。2012年型が、足まわりの変更によって乗りこなすのが難しくなってしまうことなく、かつての CBR シリーズにも通じるよりアグレッシブで万人受けするスタイリングを手に入れたことは、むしろ高く評価できる。

ホンダ CBR1000RR (2012)の画像

最高出力 118 馬力というのは、装備重量が 210kg ほどの車体と組み合わせた場合、公道走行で適度に刺激的な加速感が得られるレベル。実際に、高速道路やワインディングでの加速では、高回転域を多用している限り大きく物足りなさを感じることは少ない。国内の環境規制に適合化させるため、最高出力などに対して2次減速比はかなりロング。さらに、約 5,500 回転を境として二次的にパワーやトルクが立ち上がる傾向がある。しかしこれも、クルージング時は 5,000 回転以下を多用することでゆったりと走れるという、公道用バイクとしての優しさへとつながっている。ちなみに、エンジンの振動はかなり少なめだ。

一方で車体も、スーパースポーツでありながらツアラー的な要素を併せ持つ。ライディングポジションは前傾がそれほどキツくなく、身長 167cm の筆者がまたがると両足の裏が約半分接地するくらい足着き性もよい。2012年型ではスクリーンにも変更が加えられているが、相変わらず軽く前傾姿勢を取った状態でのウインドプロテクション効果も高い。全体的に、長時間移動が苦にならない設定となっている。さらに、高速巡航時の直進安定性が高い。

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それでいてワインディングでは軽快なフットワークを誇る。ハンドリングが自然で難しさはまるで感じられず、スリムかつコンパクトな車体には持て余しそうな印象が皆無。車体と同様にエンジンも、神経質にならずに扱え、かといって退屈することもないパワーで、イージーにファンライドが楽しめる。ツイスティロードでも、優しさがいっぱいである。

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さて、国内仕様 CBR1000RR の優しさを語る上で忘れてはいけないのが、サーキット走行にまで対応した電子制御式コンバインド ABS 仕様の存在だ。フットペダル操作時に前後ブレーキに最適な配分で制動力を伝えるコンバインドブレーキと、制動時の車輪ロックを回避する ABS がセットになったこの機構は、公道走行での極めて強力な味方となる。とくに ABS は信頼度が非常に高く、ハーフウェット路面で何度となくフロントブレーキレバーを力いっぱい握ってみたが、一度として恐怖を感じることはなかった。それどころか、まるでドライ路面でブレーキングしているかのように、車速はググッと落ちた。基本的に、採用するトキコ製ラジアルマウントキャリパーを中心としたブレーキシステムは、コントロール性に優れ、ドライ路面であればそう簡単にロックさせてしまうような状況には至らない。しかし、パニックブレーキ時やウェット路面、さらに路面温度が低い冬場の走行などを考えると、やはりコンバインド ABS は魅力的なアイテム。なにより、全体的に優しさがあふれた CBR1000RR と、この高性能で秀逸なコンバインド ABS は、よく似合う存在である。

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公道ではつねに友好的で、大型スポーツモデルに初めて乗るようなライダーでも、恐怖感なくアクティブライディングを楽しめるはず。高速道路で複数の峠道をつないで走るようなスポーツツーリングにも使える。スタイリングはよりアグレッシブになったが、国内仕様 CBR1000RR は 2012年型になっても、ライダーを優しくファンライドへと誘ってくれる。

ホンダ CBR1000RR (2012)の詳細写真は次ページにて

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