ドゥカティ MONSTER 696+ABS
ドゥカティ MONSTER 696+ABS

ドゥカティ Monster 696 – より熟成されたエントリーモデルの実力

掲載日:2010年06月18日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

モンスターシリーズにABS仕様が追加
より熟成されたエントリーモデルの実力とは

モンスターシリーズは、ドゥカティの看板モデルとして人気のネイキッドモデル。1993年からはじまったこのシリーズは、その長い歴史の中で幾度もバージョンアップを繰り返し、時代に即したパフォーマンスをライダーに提供してきた。2008年に登場したエントリーモデル「モンスター696」もその例に漏れず、2010年より各部をブラッシュアップして登場。そして、熟成が進んだモデルをベースとして、新たにABS仕様がラインナップに追加された。各国のメーカーではABSが積極的に導入されているが、近年ドゥカティでABSが採用された市販モデルはSTシリーズのみで、あまり熱心とは言えなかった。しかし、2010年からはモンスターシリーズ(新たに出る796も!)とムルティストラーダ1200にABSを採用。満を持して投入されたABSモデルの実力を、アップデートされたモンスター696+ABSを通して確認する。

ドゥカティ Monster 696+ABS 特徴

ABSの存在を感じさせないスタイル
細部のアップグレードにも注目

モンスター696+ABS最大の特徴は、従来の設定には無かったABSの追加だ。面白いのは、そのコントロールユニットの設置場所。限られたスペースの都合上、他社製バイクだとABSユニットが外部に露出していることが多いが、ドゥカティは無粋な機械が全く見えないように配置しているのだ。ユニットは右のタンクカバー内部に収められ、そのためにタンク容量が1.5リットル削られてしまっているのだから驚きだ。「スタイルと利便性のどちらを取るか」と言う問いに対して、元より決して多くはないモンスターのタンクの容量を減らしてでも、モンスターシリーズの美しいスタイルをキープしたのは、ある意味非常にドゥカティらしい選択と言えるのではないだろうか。おかげでABSを感じさせるのはキャリパーまわりの配管とブレーキ部のセンサー程度となり、遠くから見るとABSの有無はほとんど分からない。こういった美しさを重視する割り切り方も、ドゥカティならではの魅力だと感じた。

一方、2009年モデルからのアップグレードとしては、ヒートガード形状の変更、左右レバーに調整機構を追加、クランクケースの新造の3点。以前のヒートガードは金属タイプでサイズも小さかったが、2010年モデルより樹脂製に変更されて大型化。パッセンジャーの足に伝わる熱をより抑えている。レバーについては左右とも4段階の位置調整が可能となっており、手の小さいライダーにとっては朗報。モンスター696シリーズは女性ライダーも多いだけに、こういった変更は歓迎されるはずだ。最後に、クランクケースの軽量化により1.2kgの軽量化を達成しているが、ABSモデルではユニット分の重量増加があり、結果的には+2kgとなっている。しかし、見方を変えればそれだけで済んだとも言えるだろう。他メーカーの場合はABSの装着でそれ以上の重量が増えている場合が多いことを考えれば、モンスター696+ABSは十分に合格点だ。

 

ドゥカティ Monster 696+ABS 写真

ドゥカティ Monster 696+ABS 写真

ドゥカティ Monster 696+ABS 写真

また、価格改定により、ABS無し仕様との価格差が5万円に抑えられているのもこのモデルのトピックス。+5万円でドゥカティらしいスポーティなABSが追加できるというのは、多くのドゥカティスティにとって嬉しい提案だ。モンスターシリーズの中でも最もバリュー・フォー・マネーなモデルとして、モンスター696+ABSは注目すべき1台と言えるだろう。…この記事の続きをバージン・ドゥカティで読む

画像をクリックするとフォトTOPICSが表示されます

モンスター696+ABS DUCATI BIKES編集部 ダン編集長によるABSチェック!

SPECIFICATIONS - DUCATI Monster 696

ドゥカティ Monster 696+ABS 写真

価格(消費税込み) = 109万円

エントリーモデルであるモンスター696+をベースにABSを装着。ドゥカティらしいスポーティなフィーリングのABSとなっているのが特徴だ。

■エンジン型式 = 空冷L型2気筒 2バルブデスモドロミック
■総排気量 = 696cc
■ボア×ストローク = 88mm×57.2mm
■最高出力 = 80HP - 58.8kW/9,000rpm
■最大トルク = 7.0kgm - 69Nm/7,750rpm
■トランスミッション = 常時噛合式6速リターン
■サイズ = 全長2,100×全高1,129mm
■シート高 = 770mm
■ホイールベース = 1,450mm
■乾燥重量 = 163kg
■タンク容量 = 13.5リットル (内リザーブ 3.5リットル)
■Fタイヤサイズ = 120/60ZR17
■Rタイヤサイズ = 160/60ZR17

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索