BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC)
BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC)

BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) – ひとつのカテゴリを築き上げた冒険マシン

掲載日:2010年03月31日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ひとつのカテゴリを築き上げた冒険マシン
大陸横断型巨大巡洋艦にも DOHC を採用

2010年2月、その名の通り『アドベンチャー』を具現化したエンデューロ・ツアラーのハイエンド・モデル R 1200 GS Adventure が、R 1200 GS 同様 DOHC エンジンを搭載してリニューとなった。2002年に初めてアドベンチャーの名を冠するモデル R1150GS Adventure が登場してから、2006年には 1200 ボクサーへのフルモデルチェンジ、2008年には駆動系の全面変更と新たなサスペンション・システムの装備によるフェイスリフト、そして2010年の DOHC 化と、振り返って見ると短い期間で段階的に進化と熟成を重ねてきたことが分かる。

今回のリニューアルもまた、アドベンチャーがボクサー GS の派生モデルという位置付けからすれば当然の流れ。しかし2008年以来、ボクサー GS はオンロードにメインステージを移した『オールラウンダー』的なキャラクターとなり、それによって、そもそもボクサー GS をよりハードなエンデューロ長旅仕様としたアドベンチャーが、GS 本来の性質を継承するキャラクターとなった。

OHVボクサー時代から SOHCボクサーへ、排気量を拡大しながら進化してきた RTシリーズは、2005年に 1200ボクサーへとフルモデルチェンジし、独自のキャラクターを損なうことなく工業製品として真っ当な進化を遂げた。そして2010年、伝統のボクサーエンジンは新型 DOHC シリンダーを備え、さらに RT としての個性に磨きがかけられた。

BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 特徴

アドベンチャーのスタイリングはほぼ不変
新型 DOHC ボクサーでさらに余裕の走り

BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 写真
BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 写真
BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 写真 BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 写真

2006年に 1200 ボクサーとなってから、スタイリングやデザインに大きな変更は見られない。相変わらず大きなボディは存在感たっぷりで、おいそれと跨る気にはなれないのがアドベンチャー最大の特徴だろう。オフロード性能を考慮した車体構成は、ベースとなるボクサー GS から前後サスペンション・ストロークを 20mm 延長したことで車高はグンと上がり、航続距離を延ばすための容量約 33L もある大型燃料タンクは左右に張り出し、給油直後はバランスに気を遣う。また大型ウィンドシールドやクロススポーク・ホイール、アルミニウム製の無骨なケースなど、それら目に写る装備が全て『冒険仕様』だ。実際、メーカーとしては長旅を愉しむライダーや、国境を越えて走り続ける冒険家をターゲット・ユーザーとしており、あらゆる走行環境において、余裕のある走行性能と長距離走行時の快適性をコンセプトとしている。車体サイズ、車両重量は先代と同様。

エンジンは SOHC から DOHC へと変更され、最高出力は 5ps アップの 110ps/7,750rpm、最大トルクは 4Nm アップしているが、その発生回転数は 250rpm アップしており、120Nm/6,000rpm となる。DOHC ボクサーの特徴は GS や RT と同様、低速から豊かなトルクを発生し、低回転から高回転域まで、シャープな吹け上がりと力強さを感じることが出来る。

ベースとなる価格設定のハイラインには、標準でオン/オフの切り替えが可能なインテグラル ABS や、グリップヒーター、オンボードコンピューター、LED ウィンカー&テールランプを装備し、プレミアムラインにはさらにエンデューロ ESA と ASC も標準で装備する。価格はいずれも先代比約9万円強の上乗せ。さらにエンジンプロテクションバーやアンダーガード、シリンダヘッドのバルブカバー、幅広のフットレストやハンドプロテクターなど、アドベンチャーに必要とされるあらゆるパーツが最初から装着されており、工場出荷時からそのままロングツーリングへ、というコンセプトは健在だ。…この記事の続きをバージン・BMWで読む

 

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SPECIFICATIONS - BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC)

BMW Motorrad R 1200 GS Adventure (DOHC) 写真

価格(消費税込み) =
232万8,500円 (Hi Line)
246万5,000円 (Premium Line)

1200 ボクサーエンジンを搭載するアドベンチャーが2010年、DOHC となって再び仕様変更。GS をベースとしたエンデューロ・ツアラーのハイエンド・モデルとしてリニューアル。

■サイズ = 全長2,240×全幅980(ミラー含む)×全高(空車時、ミラー含まず)1,525mm
■シート高(空車時) = 890/910mm
■車両重量(走行可能状態) = 259kg
■エンジン = 空油冷4ストローク水平対向2気筒
■総排気量 = 1,170cc
■クラッチ = 乾式単板
■ミッション = 6速
■最高出力 = 81kW(110ps)/7,750rpm
■最大トルク = 120Nm/6,000rpm
■駆動方式 = ドライブシャフト式
■Fタイヤサイズ = 110/80 R19
■Rタイヤサイズ = 150/70 R17

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