BMW Motorrad K 1300 R
BMW Motorrad K 1300 R

BMW Motorrad K 1300 R – 過激さよりも扱いやすさが際立つ

掲載日:2009年05月26日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

進化したストリート・ファイター
過激さよりも扱いやすさが際立つ

『横K』3兄弟のなかで、もっともパワフルでアグレッシブなキャラクターに位置づけられるK1300Rは、2005年に登場したK1200Rの進化モデルだ。2009年春、フルカウルのスポーツモデルである『S』や、スポーツ・ツアラーである『GT』と並んで販売を開始したことで、その個性は次世代K1300シリーズのなかでもしっかりと継承されたことがうかがえる。

今回のモデルチェンジは、排気量のスケールアップやデザイン面の見直しのみにとどまらない。ハンドリングに影響するデュオレバーの材質の変更、イニシャルのみならずスプリングレートまで変更可能になった新型ESA、トラクション・ショックを軽減するために新開発されたドライブシャフト、適切なスロットル操作とシフトチェンジをサポートするシフトアシストシステムとスロットルオペレーション…これらの採用で、外観は先代のK1200と代わり映えしないものの、K1300シリーズの中身は実質上フルチェンジとなっている。さらに、ウィンカースイッチが従来の左右分割タイプから一般的なタイプに変わったことは、既存BMWユーザーにとっては大きな変更点と言えるだろう。

BMW Motorrad K 1300 R 特徴

次世代Kシリーズに搭載された
BMWモトラッドの新技術

BMW Motorrad K 1300 R 写真まず外観から見てみると、はっきり言って先代Kシリーズのそれから大幅な変更は感じられない、というのが正直な印象だろう。よく見れば、フロントマスクからタンクへと流れるサイドカウルのデザインが無骨でワイルドになり、サイレンサーは六角形状のショートタイプに、ロゴマークの書体が変更されており、先代と比較すると、どことなくミリタリーテイストが加味されているように感じる。一見して大幅な変更は見られないものの、実際に新旧2台を並べてみると、その違いはあらゆるところに見つけることが出来る。カウルやスクリーンは形状が似ているものの互換性は無く、LEDを採用したクリアガラスデザインのテールライト、メーターパネル(針の色がオレンジからブルーに)、クリアボディのブレーキおよびクラッチフルードのリザーバタンク、振動軽減タイプのハンドルバー、ワンボタン・ウィンカーなど、ほぼすべてのパーツに、細部にわたる変更が加えられているのだ。

さて、近年では投入される新機軸がなにかと話題となるBMWだが、今回のK1300Rでは、シフトアシストシステムがそれに該当するだろう。これは、シフトペダルへの入力を感知すると、コンピューター制御によって燃料をカットし、クラッチを使用せずにシフトアップを可能とするシステムだ。K1300Rのポテンシャルを考えれば必須のシステムというほどではないが、公道ではスピード感よりも加速感を味わう方が健全。そのような考え方からすれば、K1300Rのような高性能モデルには相応しい装備だと言える。ツーリングなど、頻繁なシフトチェンジやクラッチ操作が必要とされるような場面では、左手の負担が少なくなる、という実用的な利点もある。

もうひとつ、K1300シリーズに共通する『新型2ステージドライブシャフト』の採用も見逃せない。2段階の減衰で加減速のトラクションショックをいなすこのシステムは、より小さなトルクと、荷重によって変わる反動を、それぞれ異なるエレメントで効果的に減衰する働きを備えている。これによって、アクセルのオン/オフ時の“ツキ”による嫌なギクシャク感をしっかりといなすことに成功している。もしK1200Rに試乗して、そのあたりがストレスと感じていた人には、この違いを是非体験してもらいたい。市街地走行からスポーツライディングまで、ストレスの軽減に高い効果を見せているのだ。BMWの伝統となっているシャフトドライブシステムに、ついに進化と改革のメスが入れられた、と感じるのは、決して大げさではないだろう。

このように、あえて先代のデザインを踏襲してはいるものの、ほぼ全てのパーツに見られる細部にわたる変更や、中身に加えられた熟成には目を見張るものがあり、『次世代Kシリーズ』の名にふさわしい進化を遂げている。…この記事の続きをバージン・BMWで読む

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SPECIFICATIONS - BMW Motorrad K 1300 R

BMW Motorrad K 1300 R 写真

価格(消費税込み) =
203万6,000円(Hi-Line)

最新Kシリーズのなかでも、ストリートで圧倒的なパフォーマンスを発揮する『R』。排気量の拡大とともに扱いやすさもグレードアップ。外観もより筋肉質になった。

■サイズ = 全長2,233×全幅856×全高1,230mm
■シート高 = 790mm
■エンジン = 水冷4ストローク直列4気筒
■総排気量 = 1,293cc
■最高出力 = 173ps / 9,250rpm
■最大トルク = 140Nm / 8,250rpm
■Fタイヤサイズ = 120/70-ZR17
■Rタイヤサイズ = 190/55-ZR17

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