カワサキ 250TR
カワサキ 250TR

カワサキ 250TR – シンプルなデザインの中にこだわりがキラリと光る

掲載日:2009年03月05日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

1970年代の雰囲気を身にまとう
ヴィンテージスタイルバイク

ここ数年、1960年代や1970年代のバイクの人気が高い。絶版車だけでなく、新しく発売されるモデルも、ヴィンテージテイストを取り入れたものが多くなっている。最新のフォルムと高性能を追求するのではなく、バイクらしいシンプルなスタイルと必要十分なパワーをもったモデルが支持されており、パフォーマンス追求の果てにライダーを追い越してしまったバイクではなく、等身大で向き合えるバイクとして、ヴィンテージスタイルのバイクが注目を集めているようだ。今回試乗するカワサキ「250TR」は、1970年に発売された同社のトレールバイクをモチーフに、現代の技術で作り上げられたモデル。当時を思い出させるシンプルなデザインに、こだわりある造形の空冷単気筒エンジンを組み合わせたヴィンテージスタイルバイクだ。また、極力シンプルなカタチに仕上げることで、初心者からベテランまで気軽にバイクを楽しめるということも重視しており、その意味でも原点回帰とも呼べる1台。このどこか懐かしさを感じさせる250TRを、早速インプレッションしてみよう。

カワサキ 250TRの特徴

カワサキ 250TRの画像

シンプルなデザインの中に
こだわりがキラリと光る

250TRは、とてもシンプルなバイクだ。空冷4サイクル単気筒エンジンに、コンベンショナルな形式の前後サスペンション。ブレーキはフロントシングルディスクで、リアはドラムと特別なものは何も装備されていない。環境基準に対応するためにフューエルインジェクションを搭載しているが、逆に言えばそれくらいしか電子部品はないオーソドックスな構成。制御機器の配管や大げさな電装パーツがないため、バイクとしての造形の美しさが目を引く仕上がりだ。往年のカワサキ名トレール、250TRの面影を色濃く残すスタイルは、まさに現代によみがえったヴィンテージと言えるだろう。エンジン形式こそ異なるものの、見事に1970年代のスタイル。細部のパーツにもこだわりが見られ、ブリッジ付きのバーハンドルや、タンクキャップやヘッドライトまわりにあしらわれたメッキパーツがより雰囲気を盛り上げてくれる。細部ではグリップラバーにもこだわっており、1970年代に使われていた図面を探し出し、250TR用として新たに生産されたものを使用。ウィンカーやテールランプについても、雰囲気を出すために古いスタイルのものを採用している。

面白いのは、ここまでこだわりのヴィンテージスタイルを作り上げておきながら、カスタムに対する許容度が高い点だ。メーターやシート、ヘッドライドなどはすべて取り外しやすいようにシンプルな固定方法になっているほか、フロントフェンダーについてはダウンフェンダーを装着できるよう、フォーク側に取り付けボスがわざと残されている。実は、250TRはコンセプトに「フリースタイル」を掲げており、自由にカスタマイズして楽しめることを前提に設計されたモデルなのだ。このバイクをどんな姿にするかは、ライダー側に託されている。シンプルな車体にはこだわりと自由度が詰め込まれているのだ。

カワサキ 250TRの試乗インプレッションは次ページにて

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