モトグッツィ グリーゾ8V
モトグッツィ グリーゾ8V

モトグッツィ グリーゾ8V – 圧倒的な存在感を見せ付ける唯一無二のスタイリング

掲載日:2008年11月27日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

モトグッツィの個性が結実した
独創のネイキッド・スポーツ

モトグッツィは、数あるモーターサイクルメーカーの中でもひときわ個性的な存在だ。1967年に発売されたV7より続く縦置きクランクシャフト空冷90°Vツインエンジンとシャフトドライブの組み合わせは、今もって最新モデルにも採用され続けており、この点だけでもモトグッツィが他とは違うことを感じさせてくれる。また、ルックスにおいても、常に独自の個性を保っているのもモトグッツィらしさのひとつ。過去発売されていたV10チェンタウロや現在の主力車種であるブレヴァなど、どのメーカーとも似ることのない個性的なルックスは大きな魅力となっている。今回試乗するグリーゾ8Vは、そんな伝統と独創が作り出した個性的なネイキッドモデルだ。ベースとなるグリーゾは、2006年にブレヴァ1100に搭載されるエヴォルツィオーネエンジンを搭載していたが、今回の8Vは最新のエンジンである、空冷OHC90°Vツインのクワトロ・バルボーレ(4バルブの意)エンジンを搭載した、よりホットなバージョンへと進化したグリーゾだ。人目を引く個性的なルックスの内側には、現在国内に導入されているモトグッツィの中で、もっともハイスペックなエンジンが搭載されているとなれば、ひとりのグッツィファンとしても期待が高まってしまう。

そういえば、「グリーゾ」という名前はイタリアの小説に出てくる悪党から取ったらしい。真面目一本なのもよいが、バイクという乗り物は少し悪っぽい方が魅力的に感じることが多い。目の前にある個性あふれる荒くれが、どんな走りを楽しませてくれるのか、早速体験してみることにした。

モトグッツィ グリーゾ8Vの特徴

圧倒的な存在感を見せ付ける
唯一無二のスタイリングが魅力

一目見て強烈なインパクトを受けるのが、グリーゾ8Vの出で立ちだ。国産のネイキッドモデルとの共通性は皆無で、海外勢を見渡しても類似したものは無いと言っても過言ではないだろう。極太のパイプを使用した力強いツインスパーフレームに、柔らかなラインを描く外装の組み合わせは、それだけで衆目を引く存在となっている。事実、グリーゾ8Vに乗って街中を流していると、視線を感じてしまう。試乗中、給油のために何度かスタンドに立ち寄る必要があったのが、その度にグリーゾのことを聞かれるほど。ただそこにあるだけで目立つバイク、というのは数少ない。停めて眺めているだけでも、独創性のカタマリのようなグリーゾ8Vは乗り手をニヤリとさせてしまうほど、唯一無二といえる存在感を放っている。

もちろん、グリーゾの魅力はルックスだけではない。スポーツバイクとして重視すべき走行性能に関わる部分にも、個性的な装備がおごられている。モトグッツィのアイデンティティとも言うべきエンジンは、最新のクワトロバルボーレエンジンを搭載。うねるように取り回されている極太のエキゾーストパイプは、メガホン形状のサイレンサーへと繋がっており、グリーゾ8Vの力強さをさらに演出している。ブレーキシステムは前後ともブレンボを採用しており、フロント側にはブレーキング製ペータルディスクを装備。駆動形式はシャフトドライブとなっており、トルクリアクションを抑える「Ca.R.C(カルダーノ・リアッティーボ・コンパット)」が採用されている。サスペンションは前後ともフルアジャスタブルタイプとなっているため、ライダーの好みに応じて自在にセッティングが可能。圧倒的なインパクトを持つスタイルの内側には、見た目だけに終わらせない充実したパフォーマンス・パーツが隠されているのだ。

モトグッツィ グリーゾ8Vの画像

強烈なパンチ力の8Vエンジン

モトグッツィのアイデンティティである縦置き空冷ツインエンジンは、進化したOHC4バルブの「クワトロ・バルボーレ」エンジンを搭載している。80.8kw/7,500rpmというスペックは、日本国内に輸入されているモデルの中で最もハイパワー。

モトグッツィ グリーゾ8Vの画像

強力な制動力を発揮するブレーキ

ブレーキング製の320mmペータルディスクにブレンボ製ラジアルマウントキャリパーを組み合わせたブレーキは、高い制動力を発揮。ハイスピードレンジからのブレーキングも不安なくこなせる。レバーのタッチは硬すぎず絶妙なテイストだ。

モトグッツィ グリーゾ8Vの画像

力強さと優美な雰囲気を併せ持つスタイル

ボディを形作る極太の高張力スチール製ツインスパーフレームの作り出すインパクトは、グリーゾ8Vの大きな特徴。力強いフレームに組み合わされるボディカウルは対極となる優美なラインを描き、唯一無二のスタイルを完成させている。

モトグッツィ グリーゾ8Vの画像

見た目だけではない実用性も備える

類を見ないルックスについ目を奪われてしまうが、シート下に荷掛けフックを備えており、フラットなシート形状と相まって積載性は良好。オプションではソフトタイプのパニアケースも設定されており、意外な程の利便性を持っている。

モトグッツィ グリーゾ8Vの試乗インプレッションは次ページにて

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