カワサキ ヴェルシス650

掲載日:2015年02月09日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/山下 剛

カワサキ ヴェルシス 650の画像
KAWASAKI VERSYS 650

ニンジャシリーズのフロントフェイスとなり
シャープと精悍さを増したファンスポーツ

『ヴェルシス 650』は、ER-6シリーズの一角として2007年に『ヴェルシス』の名称で登場しました。開発コンセプトは“ストリートサーファー”で、ストロークが長い前後サスペンションとアップライトな乗車姿勢、扱いやすくパワフルな水冷並列2気筒エンジンで、市街地やワインディングでサーフィンするようなファンライドを楽しめるバイクというわけです。

いわゆる“足長系”のためオフロードも得意と思われがちですが、ホイールサイズは前後ともに17インチを採用しているため、メインステージはオンロード。どちらかといえばロングツーリングを得意とするモタードといったほうが近いかもしれません。

2015年モデルは外装が一新され、ニンジャシリーズ同様のイメージを持つ精悍な2灯式ヘッドライトを採用。アッパーカウルもシャープなデザインとなり、ウインドプロテクション効果がアップ。ロングツーリングにおける高速巡航がより快適になっています。

エンジンはGPZ500やEX500などに採用されてきた歴史を持つ、もはや熟成しきったタフな水冷並列2気筒。全域でトルクフルな特性は扱いやすさにも優れ、市街地、ワインディング、高速道路、どんな場面でも高いパフォーマンスを発揮します。2015年モデルではワンピース構造のエキゾーストを採用することで、高回転域のパフォーマンスが向上しています。

その他にもエンジンのラバーマウント化、容量アップで21リットルとなった燃料タンク、大型化されて快適性が向上した調整機構付きスクリーン、新設計で積載量が増えただけでなく純正ケースをそのまま装着できるリア周り、リモート式プリロードアジャスターを備えたリアショック、多機能化された新デザインのメーターなど、ツーリングを楽しむための装備が新たに加わっています。

ミドルクラスのツアラーとしての完成度は高く、オンロードを主体としたロングツーリングを楽しむのに最適な1台です。

カワサキ ヴェルシス 650のここがポイント!
  • ● アップライトな乗車姿勢と前後17インチホイールの軽快なハンドリング
  • ● ニンジャシリーズ同様となった精悍なデザイン
  • ● 豊富な純正アクセサリーによる拡張性

カワサキ ヴェルシス 650のライバルはこれだ!

  • ホンダ
    NC750X

    低燃費に優れ、270度クランクのパルス感を楽しめる水冷並列2気筒エンジンを搭載。コンパクトで低重心のシャシーに前後17インチホイールを装着するミドルツアラー。

  • スズキ
    Vストローム650 ABS

    力強いトルクを全域で生み出す水冷90度V型2気筒エンジンがどんな場面でも頼もしいミドルツアラー。前19インチホイールで荒れた路面やダートも得意とする。

  • ドゥカティ
    ハイパーストラーダ

    821cc水冷L型2気筒に、3種のモード切替機能を装備。Lツインならではの鼓動を楽しめるミドルツアラー。前後17インチホイールで軽快なハンドリングだ。

カワサキ ヴェルシス(2012年02月22日掲載)

カワサキ ヴェルシスの画像
KAWASAKI VERSYS

好評のミドルツインスポーツER-6n/fと基本コンポーネンツを共有
軽快な走りが魅力のクロスオーバースポーツ

ヴェルシスは、オフロードバイク的なスタイリングを持たされていますが、前後17インチホイールにターマック向きのタイヤを装着したロードスポーツです。ヴェルシスの特徴として、ロードスポーツのシャシーに、走破性に優れる長めのストロークのサスペンションを組み合わせていることがありますが、こういった車体構成は様々な路面状況を持つヨーロッパの道路事情に対応するために生み出されたもので、「クロスオーバースポーツ」や「アルプスローダー」などと呼ばれています。また、アップライトなライディングポジションやウインドプロテクションに優れる高めのウインドスクリーンなど、ライディング時の快適性を重視した装備もポイントで、日常使用やロングツーリングでのユーティリティの高さから、多くのライダーから支持を得ています。

ヴェルシスは、2006年に発表されたカワサキのミドルクラスツインスポーツ ER-6n/f(Ninja 650)をベースにして開発され、同車を追いかけるかたちで翌2007年に発売されました。基本コンポーネンツの多くを ER6n/f と共有する形で登場しましたが、排気量 649cc パラレルツインのエンジンは中低速重視のリファインが施されたものですし、前後のサスペンションや、大重量のラゲッジに耐え得るシートレール、個性的なエクステリアはヴェルシス専用開発品が与えられていました。これらはクロスオーバースポーツとしての、ヴェルシスの独自性を主張するものです。

ER6系のマシンは2010年に大きなモデルチェンジが行われています。同年のモデルチェンジでは、ヴェルシスも細部の熟成が図られた他、重要な変更点としてフェイスリフトが施されました。特徴的な縦配列の2灯式ヘッドライトは、この2010年モデルで丸目2灯となり、より個性的な顔付を手に入れたのです。

ER6n/f は2011年にフルモデルチェンジが発表され、2012年からはニューモデルがデリバリーされていますが、ヴェルシスは従来モデルが継続販売されています。2012年からは、アッパーモデルとしてZX-10R系の4気筒エンジンを搭載するヴェルシス1000もラインナップに加わり、ますます人気を集めそうなヴェルシスシリーズなのです。(文/淺倉 恵介)

カワサキ ヴェルシスのここがポイント!
  • ● 様々な路面コンディションに対応する専用セッティングの前後足周り
  • ● 燃料タンクは19Lという大容量を確保し長距離走行も安心
  • ● 型のウインドスクリーンは高さと角度を3段階の調整が可能

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