スズキ ハヤブサ

掲載日:2014年07月22日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/杉山 研二

スズキ ハヤブサの画像
SUZUKI HAYABUSA

145kWのフルパワーで登場した日本仕様
ETC車載器も国内二輪車初の標準装備

『隼(ハヤブサ)』は究極のスポーツバイクをコンセプトに、スズキが開発したオーバーリッタークラスのロードスポーツです。空力特性に優れた独特の車体デザインや高出力のエンジン、それに高い運動性能を持ち併せ、1999年の発売当初は300km/hを超える最高速度などで話題となりました。さらに2007年にはモデルチェンジで各部に改良が加えられ、排気量は1,299ccから1,340ccへ、出力は175psから197ps(145kW)へとアップ。現在もスズキのフラッグシップモデルとして存在感を示し続けています。

これまでは『Hayabusa1300(GSX1300R)』として、海外専用モデルとしてヨーロッパや北米、近年ではインドなどの新興国などへも輸出されてきました。一方の日本では、逆輸入という形でのみ流通していましたが、2014年2月からスズキが国内向けに『隼(ハヤブサ)』として販売を開始しました。従来、大排気量の国内モデルは輸出モデルよりも出力を低く抑えられていることが多かったのですが、隼は国内の各種規制をクリアしながらも欧州仕様と同じ最大出力(145kW)と最大トルク(155Nm)をキープしています。

エンジンは水冷直列4気筒です。スロットルボディは気筒毎に2つのバタフライバルブを持つ“スズキ・デュアル・スロットル・バルブ(SDTV)”で、これはメインのスロットルバルブはライダーが右グリップで操作し、もう一方のサブスロットルは状況に応じて、最適な開度に自動制御されるシステムです。また、3つのモードから出力特性を選べる“スズキ・ドライブモード・セレクター(S-DMS)”を採用し、右手のスイッチでスロットルレスポンスなどを変更することが可能となっています。

車体デザインは日本伝統の鎧兜をモチーフに、風洞実験を繰り返してエアロダイナミックフォルムに仕上げています。フロントサスペンションにはDLCコーティングのフルアジャスタブル倒立フォーク、フロントブレーキにはブレンボ製ラジアルマウントモノブロックキャリパーを採用。電子制御式ABSも標準装備です。また、ETC車載器も標準で装備しています。車体色は青/白、グレー/黒、赤/白の3パターン。メーカー希望小売価格は消費税8%込みで160万9,200円です。

スズキ ハヤブサのここがポイント!
  • ● 欧州仕様と同じ145kWを維持したエンジンスペック
  • ● 3つの制御マップから選べるドライブモードセレクター
  • ● 国内二輪車で初となる標準装備のETC車載器

スズキ ハヤブサのライバルはこれだ!

  • カワサキ
    ZX-14R

    最高出力147.2kW、最大トルク162.5Nmの水冷直列4気筒エンジンを搭載するカワサキの旗艦モデル。スポーティなハンドリングや超高速域での安定性が特徴。トラクションコントロールやパワーモードを装備。

  • BMW Motorrad
    K1300S

    超高速長距離移動を得意とするBMWのスポーツバイク。わずか2.8秒で100km/hに達する最高出力129kWの水冷並列4気筒エンジンを搭載。BMW独自の前後サスペンション、デュオレバー/EVOパラレバーも特徴。

  • ホンダ
    VFR1200F

    76度V型4気筒エンジンに28度位相クランク、ユニカムバルブトレイン、スロットルバイワイヤなどを採用したホンダの次世代スポーツツアラー。駆動はシャフト式、トラクションコントロールも装備。

スズキ ハヤブサ1300(2011年11月30日掲載)

スズキ ハヤブサ1300の画像

圧倒的な高速性能だけでなく
全方位でファンライディングを実現したメガスポーツ

スズキのフラッグシップであるハヤブサ1300は、日本が世界に誇るGTスポーツです。初代モデルのデビュー当初は、300km/h を超える最高速ばかりが話題となりましたが、ハヤブサの魅力はそれだけではありませんでした。大柄な車体を持ちながらワインディングも充分に楽しめる高い運動性能や、ロングツーリングを快適にこなす優れた居住性など、総合的な完成度の高さが知られるにつれハヤブサの評価はどんどんと高まり、GTスポーツの最高峰というポジションを確立したのです。

2007年にフルモデルチェンジが実施された現行モデルでは、先代モデルで好評だった高速走行性能や運動性、快適性を更に洗練。スタイリングはハヤブサらしい曲線を主体にした流麗なフォルムを堅持。エアロダイナミクスを追求したカウルデザインは超高速域での防風性に優れ、ライダーを快適に遠隔地へと運んでくれます。モデルネームこそ 1300 のままですが、エンジンの排気量は先代の 1,299cc から 41cc プラスの 1,340cc とされ、最高出力は 22ps アップの 197ps を発揮します。排気量アップは、ピストン径を変えずロングストローク化によって行われており、中低速により豊かなパワー特性が持たされています。パワーだけを追い求めるのなら、ショートストローク化して高回転性能を求めるのがセオリーです。200馬力に迫る最高出力は素晴らしいものですが、スズキの開発陣が求めたのはスペック上の数値ではなく、ハヤブサというマシンに求められるエンジン性能を追求し、その結果得られたものなのでしょう。また、走りのシチュエーションに合わせて、3種類のパワー特性が選択できる S-DMS (スズキ・ドライブ・モード・セレクター)も好評です。

車体に関してもキープコンセプトが貫かれています。アルミツインスパーフレームは先代モデルから、ほとんど手が加えられていません。初代の完成度が如何に高かったのかを証明しています。ですが、スイングアームやステアリングステムなどは高剛性化が図られています。また、ホイールベースは5mm短縮されキャスター角度も立てられるなど、ディメンジョンは見直されスタビリティの高さと大型車らしからぬ軽快なコーナリング性能には更に磨きがかけられました。熟成を重ね、増々魅力の増したハヤブサは愛車にして間違いのない1台なのです。(文/淺倉 恵介)

スズキ ハヤブサ1300 のここがポイント!
  • ● 走行条件に合わせた出力特性を選択できるS-DMSを装備
  • ● 最高出力197ps、最大トルク15.8kg-mを誇る、圧倒的な動力性能
  • ● スーパースポーツに比肩する、自由度の高いコーナリング

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