ヤマハ YZF-R1

掲載日:2015年02月16日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/杉山 研二

ヤマハ YZF-R1(2014)の画像
YAMAHA YZF-R1(2014)

7段階のトラクションコントロールを装備
MotoGP由来のスーパーコーナリングマシン

『YZF-R1』は、ヤマハが誇るスーパースポーツモデルです。1998年に初代モデルが輸出用として登場し、6代目となる2009年モデルからは国内向けにも発売が開始されました。さらに2012年モデルでは、マイナーチェンジでトラクションコントロールシステムを導入し、2014年モデルでは新しい車体グラフィックが採用されています。

エンジンは総排気量997ccの水冷並列4気筒です。ボア×ストロークは78×52.2mmのショートストローク型で、クランクシャフトはMotoGPマシン『YZR-M1』譲りのクロスプレーンタイプを採用。このクロスプレーンクランクというのは、左側2気筒、右側2気筒それぞれでクランクピンを90度ずらして配置したものです。そうすることによってピストンの慣性によって起こる回転速度の変化が少なくなり、スロットル操作に対してリニアなトラクションが引き出せるようになります。

さらに、後輪の空転状態を把握して点火時期や燃料噴射、スロットル開度を制御するトラクションコントロールも採用。その介入度は7段階から選ぶことができます。一方、エンジン特性はD-MODEで3つのモードが用意されているので、計21通りの組み合わせから選べることになります。

卓越した動力性能を受け止める車体には、軽量で高剛性なアルミデルタボックスのフレームとリアアームを採用。縦剛性とねじり剛性を高めて相対的に横剛性を落とし、強靭ながらしなやかで、高いコーナリング性能を発揮するマシンに仕上がっています。

2014年モデルでは、新グラフィックのブルーとホワイトの2種類のカラーリングをラインナップ。ディープパープリッシュブルーメタリックCは、タンクとカウルのグラフィックを変更し、YZR-M1イメージとしました。またブルーイッシュホワイトカクテル1では左右非対称のグラフィックや赤いピンストライプの入ったホイールを採用し、新しさとスポーティなイメージを表現しています。車両のメーカー希望小売価格は消費税8%込みで145万8,000円です。

ヤマハ YZF-R1(2014)のここがポイント!
  • ● 回転変動を抑えたクロスプレーンクランクシャフト
  • ● 7モードから選べるトラクションコントロール
  • ● 新グラフィックを採用した2種類の車体カラー

ヤマハ YZF-R1(2014)のライバルはこれだ!

  • ホンダ
    CBR1000RR

    扱いやすさと力強さを両立し、ツーリングからサーキットまで、ライダーの意思にダイレクトに応えるスーパースポーツ。国内向けモデルとしてラインナップ。ABS装備車もあり。

  • スズキ
    GSX-R1000

    軽量化と優れた中低速のパワーを実現するスーパースポーツ。最高出力136.1kWの水冷並列4気筒エンジンを搭載。出力特性を3つのパターンから選択できるS-DMSも採用。

  • カワサキ
    ニンジャZX-10R

    予測型のトラクションコントロールやエンジン特性を選べるパワーモードなど、先進のテクノロジーを採用するスーパースポーツ。最高出力は111kW。ABS装備車もあり。

ヤマハ YZF-R1(2011年03月31日掲載)

ヤマハ YZF-R1の画像
YAMAHA YZF-R1

最もGPマシンに近い
最速のスーパースポーツ

1998年に登場した初代から数えて、6代目まで進化した YZF-R1。その間 “スーパーコーナリングマシン” という基本コンセプトを引き継ぐため、レーシングフィールドから得たテクノロジーが積極的に取り入れられてきました。なかでもその純度の高いモデルが2009年に登場し、輸出だけでなく、日本国内でも発売された現行モデルです。

ヤマハのモトGPマシン、YZR-M1 と同じクロスプレーン型クランクシャフトが採用されたことが、このモデル最大の魅力でしょう。クロスプレーンというのは4つのピストンをそれぞれ4分の1回転毎にずらして配置する方式で、これによってトルクの変動を相殺。これまでの4気筒エンジンの常識をくつがえす、力強い鼓動感とスムーズな吹け上がりを両立させた画期的な機構です。事実、このモデルが実戦投入された世界スーパーバイク選手権では、デビューイヤーにも関わらずタイトルを獲得し、その優位性を広くアピールすることに成功したのです。

そのほかの装備もレースやサーキットを強く意識したもので、アルミフレームはトラクションを効率よく引き出し、接地感が高まるように新設計されました。スイングアームには軽量なマグネシウム材が使われています。燃料タンクは独特の形状で容量18リットルを確保しつつ、フレーム枠内に収まる縦長設計となっています。これはガソリン量の増減によって変わるハンドリングへの影響を最小限に留めるためのこだわりで、こうしたマスの集中化は細部にまで徹底されているのです。また、左右独立して減衰力を調整できるフロントフォーク、パワー特性が切り換えられる3モードマップ機能、スムーズなシフトダウンを可能にするスリッパークラッチなど最新テクノロジーが満載。チャンピオンマシンにふさわしい仕上がりを持つスーパースポーツとして君臨しています。

シリーズ全体で見るとスーパースポーツとしては豊富に中古車が揃っていると言えますが、ハードに使われている車両も少なくないので見極めが大切でしょう。(文/伊丹 孝裕)

ヤマハ YZF-R1のここがポイント!
  • ● モトGPマシン並のエンジン設計
  • ● 徹底したコーナーリング性能の追求
  • ● レースにも即対応するハイテクの数々

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