MVアグスタ F4R

掲載日:2013年03月13日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

MVアグスタ F4Rの画像
MV AGUSTA F4R

MVアグスタの象徴であるF4シリーズの中核を担う存在
走りの素晴らしさは言うまでもなくスタイリングも絶品

MVアグスタ『F4R』は、同社のスーパースポーツラインF4シリーズに属する1台です。最高スペックを誇る『F4RR』と、F4シリーズのスタンダードモデルである『F4』の間を埋めるポジションにあり、性能面でも価格面でも、バランスの優れたモデルなのです。

エンジンの排気量は998ccで、ボア×ストロークは79.0×50.9mmです。最強モデルであるF4RRと基本設計を共有しており、本国仕様の最高出力は195PSを誇ります。200PSを越えるF4RRよりもやや低くなっていますが、市販車として世界最強レベルのハイパワーマシンであることに変わりはありません。このエンジンは、バルブスプリングが従来モデルのダブルタイプからシングルタイプに変更されたことで慣性モーメントが軽減し、レスポンスが向上しています。吸気システムは当然インジェクションで、その頭脳であるECUはELDOR製の新型ユニットを採用。『スポーツ』『ノーマル』『レイン』『カスタム』の4種類の出力モードが切り替え可能となっています。他にも介入する度合いを8段階で調整可能なトラクションコントロールシステムや、電子アシストシフト(EAS)、エンジンブレーキコントロールシステムなど、数々の電子制御式ライディング補助デバイスを搭載。それらは『MVICS』(エンジン&車体統合制御システム)によって統合管理されるという最新のシステムを採用しています。また、高効率なラジエターの採用と新たなオイルラインの存在により、冷却効率も上がって性能の安定化が図られました。

フロントフォークはφ50mmのマルゾッキ製フルアジャスタブルタイプを装備。そしてリアにはレーシングスペックを誇るオーリンズ製ショックユニットTTXが奢られています。TTXは、圧側ダンパーと伸側ダンパーが完全に独立して作用する構造を持たせることで、より正確なダンピング特性を実現しています。また、圧側ダンパーは高速側/低速側をそれぞれ調整可能となっているため、今までにないレベルの精密なセッティングを可能としているのです。高性能なサスペンションも、土台となるフレームが力不足では本来の力を発揮できませんが、F4Rは万全です。クロモリスチールパイプをMAG溶接で組み上げたトレリス形状のメインフレームと、アルミ鋳造によって形作られるピボットプレートで構成されるMVアグスタ独自のフレームは、軽量かつ高剛性。その上で見た目も美しく、MVアグスタ製モーターサイクルにとって象徴的なファクターです。

外観上、現行モデルで大きく変わったのは『DRL』(昼間走行灯)の採用です。アッパーカウルのエアインテーク部に設けられたLEDを使用したDRLの存在は、被視認性が飛躍的に高まり、安全性向上に寄与するだけでなく、ルックスの面でも大きな魅力。特徴的な4本出しのサイレンサーもデザインを一新。鋭角的でエッジの利いたテールエンドは、F4Rのスパルタンなイメージを強調しています。スタイリッシュで、高いスポーツ性を誇るF4Rは、間違いなく最高のスポーツバイクの1台です。

MVアグスタ F4Rのここがポイント!
  • ● 電子制御デバイスを統合管理する『MVICS』を新採用
  • ● ハイパワーなエンジンは本国仕様で最高出力195PSを誇る
  • ● 『DRL』を採用した新デザインのエクステリアはアピアランス抜群

MVアグスタ F4Rのライバルはこれだ!

  • BMW
    HP4

    BMWのスーパースポーツ『S1000RR』をベースとしたモデル。ライダーや路面状況に合わせてサスペンションのダンピング特性を自動的に調整する『DDC』を搭載。

  • ドゥカティ
    1199パニガーレ

    完全新設計となったスーパークアドロエンジンを車体の強度メンバーとし、アルミ鋳造製のフロントメンバーと組み合わせた革新的なモノコック構造のシャシーを持つ。

  • カワサキ
    ZX-10R ABS

    予測型レースタイプトラクションコントロールシステム『S-KTRC』をはじめ先進の電子制御システムを多数搭載。スーパースポーツ専用設計のABSシステム『KIBS』を採用。

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