MVアグスタ F4RR コルサコルタ

掲載日:2012年11月28日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

MVアグスタ F4RR コルサコルタの画像
MV AGUSTA F4RR CORSACORTA

スポーツバイク専業メーカーMVアグスタの誇る
フルスペック201馬力のハイエンド・スーパースポーツ

MVアグスタは純然たるスポーツバイクだけを作り続けている、イタリアのバイクメーカーです。そのフラッグシップモデルが 『F4 RR CORSACORTA』 です。フルパワー仕様では、市販車としては世界最高レベルの最高出力 201PS という驚異的なスペックのエンジンを搭載し、前後サスペンションには、この車両のためだけに専用設計されたオーリンズ製ユニットが奢られています。

車名にある “CORSACORTA”(コルサコルタ) とは、イタリア語で “ショートストローク” の意。その名の表す通り、エンジンのストローク量が従来モデルの 55mm から 50.9mm へと変更され、4.1mm も短くなっています。排気量は変わらず 998cc のままですから、相対的に 76mm から 79mm へとシリンダーボアが拡大されています。この同じ排気量で、ショートストローク&ビッグボアのエンジンは、同じ回転数でもピストンスピードを低くできるため超高回転域で有利となります。従って、F4RR CORSACORTA のエンジンは、より高回転タイプに生まれ変わったと言えるのです。この高回転指向が、強大な最高出力を実現しているのは言うまでもないことでしょう。また、この大きなパワーを誰もが味わえるよう、8種類の制御マップを持つトラクションコントロールを搭載しており、エンジンの出力特性もストリート向け、レーストラック向けの2つのマップが選択可能となっています。

インナーチューブ径 φ43mm のオーリンズ製倒立フロントフォークは、チタニウム・ナイトライドコーティングが施され、誇らしげな輝きを見せます。ダンパー機構が左右で独立した独特の構造が持たされ、コンプレッションは左側フォークが、リバウンドは右側のフォークがそれぞれ受け持っています。一般的なフロントフォークでは、ダンパー機構は一本のフォークの中で完結しています。そのため、コンプレッション時もリバウンド時も、ダンパーはわずかながらも相互作用を起こしているのです。その点、左右のフォークでダンパーを独立させた F4RR CORSACORTA のフロントフォークは、より正確なダンピング特性と緻密なセッティングを実現していると言えます。リアショックユニットもオーリンズ製で、コンプレッションダンパーが高速側/低速側それぞれ調整可能なハイスペックモデル TTX36 が装着されています。ステアリングダンパーもオーリンズ製です。

MVアグスタはスポーツバイクの頂点に位置付けられる、ただでさえ特別なバイクですが、その中でも F4 RR CORSACORTA は、さらに特別な1台であると言えるのです。

MVアグスタ F4RR コルサコルタのここがポイント!
  • ● フルパワー仕様で201PSを発揮するエンジン
  • ● シチュエーションに合わせ8つのマップが選択可能なトラクションコントロール
  • ● 専用設計の前後オーリンズ製のショックユニット

MVアグスタ F4RR コルサコルタのライバルはこれだ!

  • カワサキ
    ZX-10R

    最高出力は200PS。出力モード選択システム『バリアブル・パワーモード』や、トラクションコントロールシステム『S-KTRC』など先進の電子制御を搭載。

  • BMW
    S1000RR

    BMW初のスーパースポーツモデルながら、高い完成度で世界を驚かせた1台。レーシングABSやDTCなど、電子制御ライディング補助デバイスの性能が高評価を得ている。

  • アプリリア
    RSV4 FACTORY APRC

    V4エンジンを搭載するアプリリアのフラッグシップ。トラクションコントロールを中心に様々な電子制御を行う『APRC』を搭載。前後オーリンズ製ショックユニット装備。

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