ヨシムラジャパンのCB1300SB/SF用Slip-onサイレンサー『LEPTOS』とは?
取材協力/ヨシムラジャパン  取材・文/石橋 知也  写真/柴田 直行  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年12月22日

じつはホンダCB1300のような大柄で全長のあるバイクに似合うマフラーは、意外と少ない。そこで既存のデザインを生かしながら、少し長く、スリムに製作されたのがヨシムラの『LEPTOS(レプトス)』シリーズだ。CB1300用にはSlip-On R-77SサイクロンLEPTOSとSlip-OnサイクロンLEPTOSがリリースされた。たしかに細長いマフラーを装着すると、とてもスタイリングがイイ。

PRODUCT

細長マフラーでスタイルも性能もアップ!! 重厚な音もイイ

「コレだな」と思う。予備知識無しにCB1300SF/SBに装着されているヨシムラのNEWマフラー『LEPTOS』(レプトス)を見たら、あまりにもスマートで似合っているので、新作とは気付かないかもしれない。でも、従来のマフラーよりサイレンサーが少し細く、ちょっと長い。

 

LEPTOSとはギリシャ語で「細い」とか「細長い」という意味がある。英語ならスリムとかスレンダーだ。なぜ細長くしたのか? それはCB1300のような大柄で全長もあるネイキッド系バイクに「よりマッチするスタイルの良いマフラーを」という思いがあったからだ。

 

 

マフラーはパフォーマンスパーツであると同時に、スタイリングを決める重要なパーツでもある。だからヨシムラのマフラー開発要件のひとつに「カッコ良いこと」が挙げられている。でも、単にスタイルの問題だけで細長くすればいいというものではない。音質も重要だ。楽器でも管のサイズが変われば、奏でる音も違ってくる。

 

どれぐらい細長くしたのか? R-77シリーズのサイレンサーは、断面が角の丸い台形状が特徴だが、現行の太く短いR-77J(S/O)と比較してR-77SサイクロンLEPTOSでは、断面積で約12%細くなっている(縦で5mm、横で17mm)。さらに長辺側(取り付けると車体側)も微妙にRを緩く付けて強度アップさせている。全長は450mmだ。また、円筒形サイレンサーのサイクロンLEPTOSは、φ105mmで全長は500mmだ。

 

 

加えて取り付け位置・角度は相当工夫されている。Slip-Onなので角度はSTDのテールパイプ(集合された後の1本部分)によってある程度制限されてしまうが、出来るだけ車体デザインに合ってスポーティに見えるようにしなければならない。サイレンサーがどこから始まってどこで終わるかも、その存在感を決める意味で大切だ。

 

ところがSTDのCB1300SB(ハーフカウル付き)は、純正パニアケース装着を前提にしているため、CB1300SFよりもマフラーが寝て低い位置に装着されている。このレイアウトでマフラーを交換しても、スポーティなスタイリングにはならない。

 

そこで、サイレンサー側パイプの曲げをSF用とは異なるSB専用品を製作し、かつタンデムステップホルダーにオフセットプレートを追加して、STDより角度も位置もアップさせた。これで純正パニアケースは装着出来なくなるが、スタイリング優先で開発を進めた。これはスタイリング重視へのこだわりだ。

 

こうしてSF用とSB用は、それぞれ跳ね上げ角度が異なる独自のスタイルを持つことになったのだ。

 

 

そして肝心な音と性能だ。まず、R-77SサイクロンLEPTOSは重厚で音質も上品だ。極低回転域からトルクが豊かで、そのまま中回転域までスムーズに吹け上がって行く。とにかく全域でトルクが増していて、かつ4,000~7,500rpmまで、誰でも体感出来るほどパワーアップしている。これはデータ通りだ。最高出力はSTDの95psから101psになっている。正直Slip-Onでここまで変わるとは思っていなかった。抜けも良く、音質も素晴らしい。体感加速は数値以上で、音質の上質さもあって、変貌振りに驚くばかりだ。

 

一方、円筒形サイレンサーのサイクロンLEPTOSは、R-77SサイクロンLEPTOSと出力特性も最高出力も同じだが、音質はほんの少し高く(と言っても充分重厚だ)、体感上はそのぶん高回転域での抜けが良く思える。また、どちらのLEPTOSも耳に心地よい音質なので、長距離長時間走行でも疲れが少ないだろう。

 

 

こだわってデザイン・製作されただけあって、装着されたスタイルはとても良い。音質も実際に発生するパワー&トルクも力強く、軽量化もあってスポーティなハンドリングを約束してくれる。バイクのキャラクターを崩さず、威張らずに存在感もある。漆黒とゴールドでデザインされたエンブレムもシックだ。

 

 

CB1300のスタイリングは、ラジエターコアプロテクター(別売り)を加えれば程良くカスタム度がアップする。もちろんプロテクト効果も上がる。CB1300は大人のバイクなのだから、スポーティさとさりげなさが同居していてこそ好感度が上がる。これはマフラーもハードパーツも同じで、その点このプロテクターはとても品が良い。そして肝心のマフラーはどうか? 2モデルとも性能は文句なくSlip-Onの常識を超えているから、後は音質とスタイルの違いで選べばいい。間違いなく大人が選べる最良のマフラーだ。

MOVIE

重厚で心地好い“大人の音”を聴かせてくれる

さすが、R-77SサイクロンLEPTOSもラウンドタイプのサイクロンLEPTOSも、心地好いサウンドを聴かせてくれる。どの回転域でも、スロットルONでもOFFでも、不快なノイズは皆無。ムービーだと音質の違いは微妙だが、実機ではもっと明確(より個性が出ているという意味)で、R-77SサイクロンLEPTOSは加速時に迫力ある音質が、サイクロンLEPTOSは高回転域での澄んだ音質が特徴だ。そしてどちらも、ムービーより重厚な音だ(どんな高性能機器でも収録・再生しきれないから仕方がないが)。

 

近接排気音89dB/3,500rpmはどちらも同じで、加速走行騒音はR-77SサイクロンLEPTOS が80dB、サイクロンLEPTOSが81dB。政府認証マフラーで平成18年・19年排出ガス規制および平成22年騒音規制適合の車検対応品なので安心して使える。まあ、ジェントルさとスポーティさを兼ね備えているマフラーであることは、これを聴けば分かるだろう。

 

DETAILS

細部を見れば取り付け角度・位置へのコダワリが分かる

テールセクションの"風景"は、シートカウルの跳ね上げ角、タイヤやスイングアームの見え具合、これらの間に装着されたサイレンサーで良し悪しが決まる。要するに、サイレンサーの太さ・長さ・取り付け角度・位置がとても重要なのだ。特にCB1300の場合は、大柄なネイキッドで空間が大きいので、それらの自由度が大きい分、間も抜けやすい。ヨシムラの狙いはスマートなスポーティさだ。だからサイレンサーは太過ぎても短過ぎてもダメで、適度な細さ・長さが必要なのだ。LEPTOSのSF用は、角度はかなり跳ね上がっていてスポーティさが強調されている。一方のSB用もSTDより角度を上げていて、これはこれでイイ感じの角度になっている。いずれも大きなサイレンサーが装着されたSTDのスタイルより、スッキリしていて軽快感が出ている。そのぶん、SB用の場合は専用パイプやオフセットプレートなど、製品としてはかなり凝った作りになってしまったが…。

CB1300SB用Slip-On R-77SサイクロンLEPTOS。サイレンサーはメタルマジックカバー/カーボンエンド。他にステンレス、チタン、チタンブルーがある。

CB1300SF用Slip-OnサイクロンLEPTOS。チタンブルーカバーのサイレンサーカバーだ。ステンレス、チタン、カーボンなど4モデルを用意。

CB1300SB用の取り付け角度は、STDより跳ね上げられ、SF用よりやや緩い角度に設定。STDよりずっとスポーティな感じに仕上がっている。

SB用は下向きのSTDテールパイプに合わせて、サイレンサー側のヨシムラ製テールパイプをSF用とは別に設計して、専用に角度を上げている。2つのアール違いのパイプを溶接した凝った作りだ。

SB用では、タンデムステップの専用オフセットプレートを追加し、角度と位置を合わせている(左側はオプションで用意)。これもコダワリの手法だ。

R-77Jより細身になったR-77SサイクロンLEPTOS。車体側の長辺に強度アップのため微妙なアールが付けられている。単なる縮小ではないのだ。

R-77SサイクロンLEPTOSのエンドはどれもドライカーボン製。エンブレムは漆黒とゴールドの専用品。SF用で1.9~2.1kg、SB用で1.3~1.5kg軽量化。

φ105mmと細身のサイクロンLEPTPSは、STD比でSF用が2.0~2.3kg、SB用が1.4~1.7kg軽量化。重量はカバーで異なるが、軽さは操安性にプラスだ。

Slip-OnサイクロンLEPTOSのスプリングフックはNEWデザインになった。スプリングをカバーするゴムにはロゴが入る。細かな部分までブランドを意識した作りが嬉しい。

LINE-UP

CB1300SB(2014-)
機械曲 R-77S チタンサイクロン LEPTOS

現行SBをスポーティに変身させるR-77S LEPTOS のフルエキマフラー(17万1,000~20万6,000円・税抜)。パイプに0.899mm厚という薄肉のチタンSeries9を採用し超軽量(STDの約半分)。約9psパワーアップ。

CB1300SB(2008-13)、CB1300SF(2008-)
機械曲 R-77S チタンサイクロン LEPTOS

従来型5速モデルのSF/SB、そして現行SF(6速)用のフルエキマフラー(17万1,000~20万6,000円・税抜)。パイプはチタンSeries9。SF/SB(2008-2013)の取り付けにはブラインドプラグとプラグ用ワッシャーが別途必要。

CB1300SF(2014-)
Slip-On R-77S サイクロン LEPTOS 政府認証

現行SF専用R-77S LEPTOS スリップオンマフラー(7万8,000~8万8,000円・税抜)。スリップオンでありながら全域で体感トルク・パワーが増し、高回転域で確実にパワーアップ。スタイリッシュなスリム&ロングなサイレンサーは魅力大。

CB1300SF(2014-)
Slip-On サイクロン
LEPTOS 政府認証

ラウンドタイプマフラーのLEPTOSスリップオンマフラー(6万5,000~7万5,000円・税抜)で現行SF専用モデル。従来型よりスリム&ロングなサイレンサーを跳ね上げてマウントしスポーティさを強調。パワーアップされた高回転域は気持ちが良い。

CB1300SB(2014-)
Slip-On R-77S サイクロン LEPTOS 政府認証

ツアラーイメージのSBをスポーティに演出する、現行モデル専用のR-77S LEPTOS のスリップオンマフラー(7万8,000~8万8,000円・税抜)。専用パイプやタンデムステップオフセットプレートでサイレンサー取り付け角度をアップ。重厚なサウンドも魅力。

CB1300SB(2014-)
Slip-On サイクロン
LEPTOS 政府認証

スリム&ロングなラウンドタイプマフラーが、CB1300の持つトラッドな雰囲気をそのままにスポーティさを加え、とてもスタイリッシュ。現行SB専用(6万5,000~7万5,000円・税抜)。なお、SB用マフラーはすべて純正パニアケース取り付け不可となる。

CB1300SB/SF
ラジエターコアプロテクター

2世代目CB1300のSC54以降のSF/SBに適合する(1万8,500円・税抜)。独自のhexagonalメッシュパターン。ステンレス製。飛び石などよるダメージやダストによる目詰まり防止に効果大。QRコードをレーザーマーキングしたシリアル番号入り。

PRO-GRESS1
テンプ・ボルトメーター

コンパクトな最新デジタルテンプメーターで最新車両にもピッタリ(7,600円・税抜)。視認性が良く、伏せた状態でも見やすい。バックライトはホワイト。センサー類はPRO-GRESS1専用で別売り(油温はD、水温はC)。オプションでカーボンメーターブラケットも用意。

BRAND INFORMATION

ヨシムラジャパン

1954年に活動を開始したヨシムラは、日本を代表するレーシングコンストラクターであると同時に、マフラーやカムシャフトといったチューニングパーツを数多く手がけるアフターマーケットメーカー。ホンダやカワサキに力を注いだ時代を経て、1970年代後半からはスズキ車を主軸にレース活動を行うようになったものの、パーツ開発はメーカーを問わずに行われており、4ストミニからメガスポーツまで、幅広いモデルに対応する製品を販売している。

 

住所/〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津6748
電話/046-286-0321