【Page3】番外編「空気」で膨らますガソリンタンク

掲載日:2010年04月19日 特集記事燃料タンクの凹み修理    

記事提供/2008年12月1日発行 モトメンテナンス No.80

あなたにもできる!!

番外編「空気」で膨らますガソリンタンク

「番外編」圧縮空気でタンクの凹みは直るのか!?
すべてがやり方次第!!急激封入は絶対NGだ!!

燃料タンクに凹があると気になって仕方ない…… そんなサンメカは数多いはず。仮に、その凹が僅かなもので、ペイントに影響が出ていない凹だったとしたら、圧縮空気を封入することで凹が戻る可能性もある。イチカバチカ、試してみます???

ガソリンタンクの凹みも様々。軽症なものはペイントにダメージを受けていないものもある。

 

そんなタンクの凹みを押し出す技術にデントリペアがあるが、ことオートバイのタンクでは、すべての凹みに通用するわけではない。難しい理由のひとつにタンクキャップ開口部が小さいという問題がある。デント棒を差し込むスペースが無いのだ。このデントリペアは、患部を直接的に押す技術ではなく、タンクボトムを利用して「テコの原理」で患部を押し出す技術だ。従って、タンクボトムが傾斜していたり、患部の近所にテコ座が無いと、お手上げになってしまう。

 

では、その他の方法で患部を押し出す技術が無いものか? そこで注目したいのが圧縮エアーの利用である。ここでは、番外企画として圧縮空気を利用した凹み修正にチャレンジしてみよう。

 

 

現行スポーツスター883のタンクよりも、小振りでスタイリッシュなデザインが際立つ96年型までのスポーツスター用純正ガソリンタンク。容量はすくないがデザイン重視ならこちらだろう。

トライしたのはスポーツスター用ガソリンタンクである。前項のマッハ用タンクと同様に板厚が一般の国産車と比べて厚いのが特徴だが、僅かなカーブ部分への凹みだったため、どうにかなるのでは?と思ったのだ。

 

結果は、完全に修復できなかったものの、凹みの深さは半減以下になった。作業方法は、キャップのブリーザー部分にエアー抜け防止用ゴム板を挟み、コックの金具からエアーを吹きつけた。エアーを吹き込むとタンク全体がググッと膨張するので、そのタイミングで患部周辺をゴムハンマーでコツンコツンと叩いてみた。すると、明らかに凹み部分が戻り始めた。以前、本誌スタッフが同様の方法でゼファー400のタンクにエアーを吹き込んだら、一気にエアーを入れてしまい、ゼファーのタンクがイナズマのタンク!? のようになってしまったことがあったそうだ。

 

このエアー作戦を実践する際には、エアーの吹き込み量に要注意。そんな注意点を認識した上でチャレンジすれば、なだらかな凹みを修復できる可能性もある。チャレンジしてみよう。

 

燃料コックの取り付け金具部分から圧縮空気を吹き込むので、タンクキャップのブリーザー部分にゴム板をセットしてエアー漏れを少なくしてみた。

凹みの中心部分にマスキングテープでマークを入れ、圧縮空気を吹き込みながら患部周辺をゴムハンマーでコツンコツン叩く。振動による反動で凹みが出やすくなるのだ。きっかけを与えるのである。

 

【上】業前と比べて、明らかに凹みの深さが浅くなった。

【右】エアーを吹き込む際には一気に入れず、少しづつ調整しながら入れること。一気に入れたことでタンク形状が変化してしまうこともある。

 

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