【Page5】YAMAHA SRX-6

掲載日:2010年04月07日 特集記事絶版カスタム「今尚斬新」GPz900R、SRX-6ほか    

記事提供/2009年8月1日発行 絶版バイクス4
■取材協力/ビトーR&D Phone 0796-27-0429

JB BITO R&D

YAMAHA SRX-6

タイヤの存在感を主張する18インチホイールの採用で、操縦することの楽しさを追求したビトーR&DのSRX600。
スポーティなスタイルにマッチした走行性能を得て、スポーツシングルとしての魅力はさらに輝きを増した。

弱点を改良してスポーツシングルの長所を引き出す
素性の良さを磨き上げるBITO流SRXカスタム。

20年以上経っても古さを感じさせないデザインと、ビッグシングルらしい走行性能で今もなお愛されているヤマハSRX400/600。ビトーR&D代表の美藤さんも、モノサス・セル始動のIV型を長く所有してきたSRXファンの一人だが、我慢できない3点があった。

 

ひとつ目は、コーナーでバイクが勝手に曲がっていってしまうような感覚の前後17インチホイール。二つ目はブレーキングのたびに簡単に底付きしてしまう太いだけのフロントフォーク。そして三つ目はスポンジが柔らかく、座るとお尻が沈んでしまうシートである。唯一無二のスポーツシングルなのに、この弱点のせいでSRXの魅力がスポイルされていると考えた美藤さんは、JB4タイプのマグ鍛で前後ホイールを18インチ化。これと定評のKYBスペシャルフォークを組み合わせることで、バネ下のドタバタ感が一掃され、コーナリングではライダーの意志によってマシンの向きを変える楽しみが与えられた。

 

φ98mmピストンによる633ccバージョンは
パワフルで伸びの良いフィーリングが特徴。

18インチのマグ鍛やサスペンションの仕様は黄色号と同じで、φ98mmピストンで633ccとしたのが赤色号。2台も製作するほど、美藤さんはSRXがお気に入り。力感は660ccよりわずかに小さいが、回転伸びの良さはこちらが優れる。2台とも超魅力的だ。

 

またJBコスワース製φ100mmピストンで660ccとされたエンジンは、スタンダードと同じ調子でクラッチミートしてもスタートできるフレキシブルさを持ちながら、スロットル開度が大きくなるにつれ強烈なパンチ力を発揮する。ハイコンプレッションエンジンにありがちな、パンチ感はあっても伸びの悪いものではなく、スムーズさを兼ね備えているのが美藤流味付けの妙である。RXが絶版となったことで、このカテゴリー自体が絶滅したような現状だが、ビトーR&DのカスタムSRXに触れたらきっと誰もが思うはずだ。「もう一度スポーツシングルに乗りたい」と。

 

グッと締まったサスペンションと軽快だが手応えのあるハンドリングで、ワインディングがこの上なく楽しいビトーSRX。660ccのエンジンも魅力的だが、「アシ」の良さが光っている。

リム幅3.00インチは純正17インチホイールと同じだが、18インチ化と偏平率80%のタイヤによりフロント周りのボリューム感がアップ。だが圧倒的に軽量なマグ鍛と締まりのあるKYBフォークにより重さやダルさは微塵もなく、軽快で手応えのある操縦性を獲得。

 




 

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