掲載日:2009年12月11日 特集記事 › AMAスーバーバイクの輝きを再び! Z1000 R&J
記事提供/2009年8月1日発行 月刊ロードライダー 8月号
Report/和歌山利宏 Photo/鶴見 健
Z1000(J)のUS仕様には、アメリカンっぽい丸タンクが標準装備され、1000Rのスポーティさに対して、友好的で乗りやすそうなイメージを放っている。このレッドモーターの1000(J)もブレーキなどが換装されて今日的に楽しめるものになっており、実際、味わいを持って一般道を走ることのできる本来の良さを堪能できる。
だが、この比較的カスタム度を抑えた1000(J)が、カスタム度が高いBLファクトリーの1000R1と別次元の乗り物かというと、決してそんなことはない。フレンドリーでありこそすれ、基本素性は全く変わらないのである。
跨ると、ステップ位置が後方過ぎる気もするが、おかげで下半身には余裕もある。レーシーな雰囲気で余裕を持って楽しむ狙いのようだ。
エンジンは、トルクフルではないが、スムーズなことが印象的だ。ただ、ワインディングを攻めていくと、エンジン本体がノーマルのままであっても、使用する回転数は、前述のR1と大差ない。
ハンドリングは軽快で、リーンウィズからリーンインに身構えながら、連続するコーナーをリズミカルかつスムーズに流していくことができる。ただ、攻め出すと、リヤから寝込んでいくきらいがあり、早々に向きを変えリヤに荷重していくことが求められる。バランス的にリヤのタイヤ幅が小さめなのだろうか。
サスはストリート向きにソフトな設定で、取っ付きもよい。ただ、特に下りのコーナーの進入でフロントに荷重がかかったとき、ボトム気味になることがあった。
とは言え、これは街乗りスポーツとして合わせ込まれた結果でもあるのだろう。いかついマシンを街中でマニアックに楽しめて、それでいて使える。本来、バイクが備えるべき本質を感じさせるのであった。