ライダーなら誰もが「男カワサキ」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。他のメーカーに比べて骨太なデザインが多いラインナップと、原付スクーターを生産しないという方針、そして何より流行に対してイージーな迎合せず、ある種唯我独尊を貫く姿勢が「男らしい」という評価の源となっています。この元となったのは、ネイキッドブームの火付け役となった、ゼファーのカタログにある「男ならカワサキに乗れ」というキャッチコピー。乗りやすさや親しみ易さを感じさせる文言のカタログが多い中、命令形で直球とも言えるゼファーのキャッチは強い印象を残し、元からあったカワサキの男らしい印象と結びつくことで、「男カワサキ」というイメージが生まれ、定着していったと言われています。とはいえ、個性豊かなカワサキ製バイクは女性にも人気が高く、男カワサキは男女ともに愛されているのは間違いありません。今回の特集では、男らしさに満ちたカワサキのラインナップの中から、比較的入手しやすいモデルを中心にピックアップ。貴方を熱くさせる、男前な1台を見つけてみませんか?
男カワサキ永遠の定番、ゼッツー
カワサキといえばゼッツーという人もいるほど大人気のネイキッドモデル。当時の国内規制により900ccのZ-1のままでは発売できず、国内に適した仕様に再設計されています。空冷らしい豪快なエンジンフィーリングと、他にはない独特の存在感で男らしさを主張。カスタムベースとしての実力も高く、過激なパフォーマンスを追求することもできます。
時速300km/hの世界を手に入れる
長らく世界最速の座に君臨し続けていた、カワサキフラッグシップの代名詞です。走行風を利用して過給するラムエアシステムにより、最大出力はなんと147PS。多くのライダーたちが世界最速のバイクに憧れました。今は中古価格が安定しており、日本国内の公道では使い切ることができないほどの性能を手元に置くことも夢ではありません。
最速戦争を戦ったメガスポーツの代名詞
1990年代に火がついた、世界最速を争う性能競争を戦ったメガスポーツ。GPレーサーの技術をフィードバックさせたモノコックフレームに搭載されるエンジンは、ラムエア過給により178psを発生しました。また、コーナーリングも非常に切れ味のある設定となっており、生半可なライダーでは実力を使い切れないほどのハイパフォーマンスマシンです。
永遠のスタンダード・カワサキ空冷4発
1980年代に隆盛を極めたレーサーレプリカブームを、たった1車種で方向転換させてしまった名車ゼファー400のアップデートバージョンとも言えるのが、ゼファー400Χ。エンジンを4バルブ化したほか、サスペンションやブレーキを現代化していますが、先代モデルの雰囲気や良さはうまく残しています。乗りやすくて美しい、永遠のスタンダードです。
ツーリングライダーの頼れる相棒
エアロダイナミクスを重視したフルカウルボディに、力強くて扱いやすい新設計の水冷DOHCユニットを搭載。兄弟モデルのZZR1100同様、ハイスピードツーリングを楽しむグランドツアラーです。他メーカーがツアラーモデルを次々に絶版としていく中、ライダーの期待にこたえ、近年まで生産されていました。中型ツアラーの傑作といえる一台です。
現代のマッハ、ザンザスに痺れる
カワサキのバイクの中で男らしい1台を選べ、となるなら是非チェックしてほしいのがザンザス。4サイクル版マッハというコンセプトで開発されたザンザスは、異形ヘッドライトに独特のフレームを組み合わせたデザインが個性的。当時としては新しすぎるデザインでウケはいまいちでしたが、高回転域でのハードコアぶりは強烈。凡百のネイキッドでは味わえない加速と存在感は、今だからこそ味わう価値があるはずです!
「ザンザス」のカタログを見る
さて、足早に代表的モデルを紹介してきました「男カワサキ」特集はいかがだったでしょうか。もしかすると、「あのバイクが入っていないのはなぜだ!」と思われる方もいるかもしれません。実は男らしいカワサキ車はあまりにも多く、この特集だけでは収まりきらなかったのです。今回は比較的手に入りやすい高年式モデルを中心としていますが、他に魅力的な車両は他にもたくさんあります。これをきっかけに、魅力的なカワサキワールドをのぞいてみませんか?