F.R.P. やカーボンパーツを展開しているのが才谷屋ファクトリーだ。その屋号の由来は、歴史好きの方ならばピンとくるハズ。坂本龍馬の誕生した商家の名前なのだ。同社の武岡英樹代表は龍馬ファンで、生み出されるパーツがイノベーション的な存在となるように思いが込められている。
1992年に創業し、当時はミニバイク系のパーツを中心に展開していたが、現在は輸入車を含めたビッグバイク系にまでラインナップを拡大している。代表の武岡氏は、かつて 400cc クラスのネイキッドマシンで競う NK-4 に参戦していたことなどもあり( CB400 でないと勝てないと言われていた頃に、あえてインパルスで挑戦!)、現在もレース用からストリート用までをカバーしているのだ。
同社の物作りの基本ポリシーは「よそには無い、才谷屋ファクトリーのオリジナリティを発揮した物を」である。その答えのひとつが、今回紹介する『 CBR250RR用600RR レプリカカウル』であり、少し古いレーサーレプリカに新しい息吹を吹き込むことで、また新たな魅力を引き出すことに成功している。
才谷屋ファクトリーホームページ
才谷屋ファクトリーオフィシャルブログ
常に努力と幅広い情報収集を心がけ、良いと思えば、バイク以外の世界の物でも採り入れて製品にフィードバックする。それが才谷屋ファクトリーの物作りの理念であり、またユーザーの求める製品となるように、細かな部分にまで気を遣い、そのための技術も惜しみなく投入されているのだ。
住所/大阪府泉南市信達市場1014-1
電話/072-485-2130
とても20年前のバイクとは思えないアピアランスとなった CBR250RR。この車両では鮮やかなブルーのモビスターカラーとされているが、往年のワークスマシンのカラーリングを施したり、あるいはオリジナルのカラーとしてみるのも一興だろう。フロントのアッパー&アンダーカウル以外にも、フロントフェンダーやリアのインナーフェンダー、チェーンガード、小物入れを内蔵したシングルシートカウルなどもある。
2年に1度の車検が無い経済的な高さを持ちながらも、高速道路を走れるメリットを持っている 250cc クラス。そのこともあってメインバイクとして、あるいはセカンドバイクとしても愛好者は多く存在している。しかしながら現行モデルに目を向けてみれば、エンジンが単気筒か並列2気筒の車種ばかりで、4気筒を搭載したモデルは今や存在していない。そのため4気筒 250cc バイクに乗りたいとなると、必然的に選択肢は中古車となってくる。
その中でも才谷屋ファクトリーが注目したのが、ホンダ CBR250RR(MC22)。1990年から2000年頃にかけて製造されていたバイクで、丸目2灯のヘッドライトなど当時流行していたレーサーレプリカの手法を採り入れた車両だ。エンジンにはカムギアトレインが採用されて 20,000rpm まで吹け上がり、そこから生み出される最高出力は 45ps。奏でるエキゾーストノートは甲高く、バイク乗りの心をくすぐる。装備においてもアルミフレーム、「くの字」形状のアルミスイングアームなどなど、現在でも決して遜色はない。だが、初期型であれば既に20年以上の時間が経過したバイク。思いのほか外装に痛みや劣化が生じている車両もあり、今改めて所有するのであれば、何らかの手を加えてあげたい。
そんな想いからスタートしたのが、CBR250RR を現代的なスタイリングに変身させてしまう、才谷屋ファクトリーの CBR600RR レプリカカウルである。違和感なく収まっているが、単に CBR600RR のカウルをコピーしただけではこうはならない。そこには才谷屋ファクトリーがこれまで培ってきた数多くのノウハウが、注ぎ込まれているのだ。
次項では、その 600RR ライトバージョンと、type-2 LEDテールの取り付け行程をご覧いただこう。尚、フロントのアッパーカウルには、他に CBR250RR のノーマルライトを使用するバージョンと、片目耐久の合計3つのタイプがラインナップされている。
F.R.P. やカーボンパーツを中心に、サーキットからストリートまでオリジナリティ溢れた製品を創り続けている才谷屋ファクトリー。輸入ビッグバイクの世界にも果敢に取り組んでおり、現在開発中なのが BMW の S1000RR 用のフルカーボン外装だ。納得し、満足した製品になるように、実に細かな部分にまで開発担当者は目を光らせ、実車に当てがってのフィッティング作業が繰り返されている。次は、どのようなカタチで我々をアッと言わせてくれるか? 大いに期待したい。