旧Z系の雰囲気はそのままパフォーマンスUPするブレーキディスクの画像

旧Z系の雰囲気はそのままパフォーマンスUPするブレーキディスク

  • 取材協力/国美コマース  取材・写真・文/石橋知也  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
  • 掲載日/2017年7月27日

やはりクラシックなZ系には、こんなディスクが似合う。サンスターがリリースするカワサキ旧Z系用のブレーキディスクは、デザインはあの頃のまま、最新の素材と製造方法を使用した現行製品だ。信頼性の高さ、品質はOEMメーカーならでは。これなら安心してZを楽しめる。

前後18インチのライトチューンまで最適にする
カスタムの志向にマッチしたブレーキディスク

サンスターは車両メーカー用のOEMや、独自のフローティングシステムを持つ『オメガ』、クラシックモデル用の『トラッドタイプ』などアフターマーケットまで、国産ブレーキディスクメーカーの雄として名高い。同時にスプロケットメーカーとしても一流だ。その中で、最近とくに力を入れているのがカワサキZ系用ディスクだ。Z系は、言うまでもなく国産や外車を問わず、クラシックモデルの中で特別な存在だ。名車であることはもちろん、様々なカスタムモデルを生み、クラシックレースでも主力だ。

「最近のZ系の傾向は、オリジナルコンディションを維持する純正志向や、そこから少しモディファイしたライトチューン・カスタムが増えてきましたね。前後17インチ化したパフォーマンス志向のカスタムも根強いですが、STDスタイルをあまり崩さずに、肝心な所をイジって長く楽しむという方が多くなってきています」

と話すのはサンスター販売会社である国美コマースの炭竃拓也さん(二輪AM事業部部長)。じつは炭竃さんは、まさにその志向のZ愛好家でもある。愛車は前後18インチカスタムのZ1-Rだ。

「フロントフォークはSTD、ホイールはマグもありますが、純正キャストホイールでもいい。もちろん前後18インチのまま、キャリパーは対向2ピストンで。ここらにピッタリなのがトラッドタイプのディスクです。外径はSTDと同じφ296mmでリジッドディスク。取り付け穴はSTDホイールにボルトオンできるように4穴で、PCDもSTDと同一。これならSTDキャリパーもそのまま使用できます」

ちなみにスポークホイールのZ1とZ2は6穴のホール無しディスク、Z1000R(エディ・ローソンレプリカ)は7穴でフラットなワンピースディスク(φ280mm)、不等間隔ピッチホールタイプの、MkⅡなどで別物になる。ここで炭竃さんが主力と推しているのは、キャストホイールを履いたZ1-R、Z1000MkⅡ、Z1000Aなどのモデル用だ(もしくはこれら用のホイールを装着したモデル)。

Z系は、1970年代の車両だともう40年以上も前のモデルだ。純正パーツも少なくなってきている。長く使えば摩耗もするし、劣化も進む。そこで、どうせディスクを交換するなら、あの頃の雰囲気はそのままで品質が保証された現行製品に、と考える人も多いはず。キャリパーも、交換するとしてもapレーシング製CP2696(旧タイプはapロッキード)やブレンンボ製2ピストンまで、という具合だ。

「ディスクは、フロント用だとMkⅡなどの純正に採用された不等間隔ピッチホールタイプ、スーパーバイクタイプ(S1タイプ)のスリットタイプ、軽量化を重視したマルチホールタイプ(Z1-Rタイプ)の3種類が主力です。リアは純正のφ290mmを小径化してφ250mmにするのがお薦めです。コントロール性が格段に向上します」

STDと同径で、しかもリジッドディスクでのタッチや効きはどうなのだろう?

「材質や製造方法は最新ですからね。パッドも様々な物が市販されています。ですから、同じように見えてもブレーキパフォーマンスはかなり向上します。さらにキャリパーをapなどに交換すれば、さらに良くなります」

知っての通り、ブレーキ性能はブレーキシステムだけで語れるものではない。フロントフォーク、上下フォークブラケット、フレーム、スイングアーム、リアショックなど、車体トータルの強度・剛性とバランスしていてこそ、効力・タッチが生かされ、使いやすくなる。

「これらのディスクの場合は、STDフォークで丁度良い感じでしょう。前後18インチでも、ホイールをマグ鍛造やアルミ鍛造にしてグリップの高いラジアルを履き、フォークも大径化した場合は、リジッドではなくフローティングディスクにし、キャリパーもブレンボ4ピストンなどと組み合わせることになるでしょうね、バランス的に」

要は、オーナーがどんなスタイルのZを望むか、なのだ。

デザインは「あの頃風」だが効きとタッチは現代レベル

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本当に純正ディスクのようにドンピシャなフロント。フロントフォークはSTDと同径のKYB製で、キャリパーはap(キャリパーサポートは社外品)。この組み合わせなら現代レベルの走りでもブレーキングに不安はない。

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STDのφ290mmより小径なφ250mmディスク(キャリパーサポート、スイングアームは社外品)。さすがに使いやすく、STDではロックしやすい、効き過ぎる、と悩んでいるならお薦め。リアまわりのスタイルもすっきりする。

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前後トラッドタイプのスリットタイプ。前後でタイプを揃えてもいいし、あえて異なるタイプもチョイスしてもいい。前後で異種選択でもトラッドタイプのディスクなら雰囲気を崩すことはない。

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フロント用φ290mmマルチホールタイプ。穴の数が多いのでその分軽量となる。インナーディスク(インナーベル)とアウターディスクは別体で、リベット留め(9本)でリジッド。どんな車種にも違和感なく似合う。

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STDの雰囲気を残したいなら、このφ290mm不等間隔ピッチホールタイプがいい。STDホイールにボルトオン。最新ステンレス材なのでタッチも効きもSTDより優れ、現行市販パッドとの相性もとても良い。

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サンスター製品の販売元である、国美コマースの二輪AM事業部部長(マネージングディレクター)の炭竃拓也さん。自身Z1-Rオーナーであり、カスタムへの造詣は非常に深い。

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極上の前後18インチのZ1-Rカスタム車両。ホイールはJBマグタン、フロント3.00-18でリア4.50-18。リアショックはオーリンズS36Eに交換しているが、フロントフォークはSTD径のKYB製。スイングアームはマッコイ製7N01アルミ。ディスクはトラッドタイプのマルチホールφ296mm(T5.0mm)、マルチホールφ250mmを装着。キャリパーはap製CP2696を組み合わせてある。前後のキャリパーサポートはSSイトウ製だ。

サンスター

国美コマース(株)
サンスター製品販売元

住所/神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎南3丁目1番31号
電話/045-948-4551
営業/9:00-18:00
定休/土日祝

サンスターは純正部品メーカーでもあり、アフターマーケット製でもその精度・品質の高さは定評がある。そして独自の企画で、このようなクラシックバイク用製品も生まれる。サンスター製ブレーキディスクやスプロケットを取り扱うのは、専門販社の国美コマース(株)だ。

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