静電気除去で走りが激変！スムースドライブシステム

　　取材・文／野岸泰之　　構成／バイクブロス・マガジンズ編集部

掲載日／2017年8月18日

愛車の性能を少しでもアップしたい、あるいは乗りやすくしたいなど、さまざまな理由でいろいろなチューニングやカスタムパーツを試している人は多いはず。では、ネジやネット1つで燃費や乗り心地が改善するとしたらどうだろう？　そんな魔法のようなパーツがNGCジャパンのスムースドライブシステムだ。半信半疑で取材に赴き、自前のクルマ＆バイクに取り付けてもらった結果はいかに......!?

FEATURE

静電気を取り除くことで
本来の性能を取り戻す!!

「最初にお伝えてしておきますが、私は静電気の専門家でも研究者でもありませんからね」

スムースドライブシステムの生みの親であるNGCジャパンの代表、小林さんはいきなりこう切り出した。

「私は、これが効くのか？と、誰もがにわかには信じ難い極めて簡単な静電気除去装置を発明しました。これを使うことで、サスペンションの動きをはじめ、車体のあちこちに静電気に起因する問題が起きていることが解ってきました。そして、自分でも驚いたのは、静電気によってエンジンへの吸気（混合気）の流入も大きく妨げられていたという事実に気付いたことでしょうか」

と小林さんは続ける。同システムは、車体各部に発生する静電気の発生を抑えたり、放電して取り除くもの。実用新案取得済み、意匠登録済みとあって、単なるオカルトパーツではないことは確かだ。

2016年に、トヨタが車体にアルミテープを張ると燃費やハンドリングが良くなるという理論を発表して話題になったが、まさにそれと同様の理屈で、静電気を取り除くとメリットがたくさんあるのだという。

NGCジャパン代表取締役、小林史和氏。「静電気を取り除くだけでこんなに変わるのか！　と驚く人が多いですよ」

スムースドライブシステムはエアクリーナーに被せるスムースインダクションと、サスペンション周りに取り付けるショックサイレンサーナット、インジェクション周辺に取り付けるインジェクターチューニングボルトなどの総称で、車種によってこれらを組み合わせ、適切な場所に取り付けて静電気を除去することで、各パーツが動く妨げになっている電気的ストレスを開放し、そのパーツが本来持っているポテンシャルに近づける効果があるとのこと。

「スムースインダクションは静電気の発生を抑える効果があり、ボルトやナットはその独特の形状により、静電気を空気中にコロナ放電して除去するものです」

小林さんの説明によると、樹脂製のエアクリーナーボックスは静電気が非常に発生しやすいとのこと。静電気は空気の取り込みを大きく阻害しており、静電気の発生を抑えると、混合気がスムースに吸入できエンジン本来の性能が発揮できるそうだ。サスペンションに関しても、走行中に静電気が溜まり動きが悪くなっているのだそうだ。そこで静電気を取り除けばパーツが本来持っているポテンシャルを取り戻すのだという。

今回は筆者自前のハイエース（2013年式2,000ccガソリン）とヤマハMT-09トレーサーを準備。実際にスムースドライブシステムを取り付けて実走テストを行った。

取り付けは非常に簡単だ。スムースインダクションはエアクリーナーに被せやすいようあらかじめカットされている。

200系ハイエースのエアフィルターはフロントバンパー内側で、装着は簡単だ。

ハイエースはフロントバンパー内側からエアフィルターをすぐに取り出せるので取り付けは簡単。さらにフロント、リアのサスペンション周りとスタビライザーにショックサイレンサーナットを取り付けてもらった。

バイクの方は、エアクリーナーのフィルターを囲むようにスムースインダクションを取り付け、リアサスのトップ部にショックサイレンサーナットを装着してもらって作業は完了。

さて、いよいよ試走を行う。まずはハイエースで走り出すと......なんとも不思議なことに、マンホールや路面の段差を越えるときに、明らかにサスペンションの動きの違いが分かるのだ。

「決してサスの性能が上がったわけではなく、10段階の荷重でしか動いていなかったサスが、100段階になったようなものです」と小林さん。さらにミッション部の空き穴に放電ボルトを追加してもらって乗ってみると、シフトショックが少なくなり、アクセルを踏み込んだ際のエンジン音が明らかに静かになっている。もうひとつ、明らかに違って驚いたのは、ドライブに入れたままブレーキを離すと進んでしまうクリープ現象がいつもより強い！　油断すると危ないぐらいよく進む。

スムースドライブシステムを装着してすぐに試走。サスの動きやエンジン音の低下など、はっきりと違いが分かったのは驚きだ。

続いてバイクはどうだろう。MT-09トレーサーにはモード切り替えが付いていて、普段からスタンダードモードで走ることが多いのだが、アクセルがけっこうギクシャクする、いわゆるドンツキが気になっていた。ところが......ドンツキがマイルドになっている。リアサスのプリロードは標準で乗っており、こちらも街中の段差やマンホールではけっこうバタつく感じがあったのだが、とても滑らかな動きで路面に追従しているのがはっきりとわかった。決して提灯記事ではなく、正直ここまで変わるのか！とびっくり。

その後クルマもバイクも山梨方面まで中央高速を走らせてみたが、ハイエースは談合坂サービスエリア付近の登りではいつもよりキックダウンのタイミングが遅く、トルクフルな印象。上野原～大月間のクネクネでも、路面へのタイヤの食いつきが良くなったように感じた。バイクでは大月から奥多摩へ向かう国道139号の松姫峠や、上野原に抜ける細いクネクネの県道で、リアサスの動きが細やかで、アクセルのドンツキが減ったために、走行後の疲れがいつもより少ないのを実感。

ユーザー自身が簡単に装着することが可能でコストパフォーマンスに優れているだけでなく、マシンを乗り換えてもサイズが合えば移設できて半永久的に使える。4サイクル、2サイクルなど、オートバイや車に搭載されるあらゆる内燃機関のほか、ドライサンドブラストなどの産業用機械全般にも効果があるというスムースドライブシステム。小さなパーツだが、ここまで変化が体感できるとは本当に驚きだ。キャブレター車や2サイクルマシンではより効果が実感できるとのこと。お世辞抜きで読者のみなさんにお勧めしたいアイテムだ。

PRODUCTS

バイク、クルマはもちろん
あらゆる内燃機関に装着可能

「魔法のネジ」「除電ボルト」など、さまざまな名称でも呼ばれているスムースドライブシステム。クルマやバイクの別なく、どんな車両にも取り付けが可能なのが嬉しいところ。ここでは取り付けの様子とともに代表的なマシンのセットを掲載した。ここにない車種でももちろん装着は可能なので、興味のある人はNGCジャパンに問い合わせてみよう。