RZやRZRシリーズ、TZRシリーズやR1-Zと同様、ヤマハ2ストパラツインの歴史を語る上で忘れてはいけないのがTDR250である。ストレートチャンバータイプ1で走りに磨きがかかる!!

取材協力/株式会社ケイツー・テック(TEL/072-952-2958)  記事元/絶版バイクス編集部
※この記事は雑誌『絶版バイクス』Vol.22に掲載された内容を再編集したものです。記事の内容は雑誌掲載当時のものです。
掲載日/2016年10月26日

ノーマルマフラーを取り外してエキスパンションチャンバーに交換するだけでその走りが激変するのが2ストロークエンジンの大きな特徴である。K2tecのチャンバーは、ストリートユースを重視した作り込みが魅力である。

2ストパラツインファン待望のチャンバー登場

現役時代は市販レーサーで知られるヤマハTZ125の開発ライダーでもあったケイツー・テック代表の久保和寛さん。そんな開発ライダー当時の経験を生かし「ストリートで楽しく、しかも速く走れるチャンバー作り」をコンセプトに、ケイツー・テックでは様々な仕様のエキスパンションチャンバーを開発販売している。同社が誇るチャンバーには大きく2タイプの仕様がある。ひとつはスチールマテリアルを採用し、エキパイのカーブ部分を機械曲げで行っている「タイプ1」。もうひとつは、エキパイのカーブ部分から膨張室に至るすべてのパーツを手巻きで成形し、高精度な突き合わせを要するTIG溶接を駆使し生産されている「タイプ2」の2種類だ。マテリアルの違いと製法および溶接段取りの違いがコストとなり数字に表れている。

防錆面で強いステンレス素材を使ったタイプ2は、手巻き製法の完全受注生産品なので、納品までには時間が必要になる。スチール素材で機械曲げエキパイ仕様のタイプ1は、高性能化と量産性を高めており、コストに於いても魅力的な価格を実現。在庫があれば即納体制としているそうだ。

近年では、手軽にチャンバー性能を楽しめることからタイプ1への需要が高まっているが、実は、昔ながらのスチール製マテリアルながら、より高性能なチャンバーを望む声もあるそうだ。そこでケイツー・テックでは、K2チャンバータイプ2と呼ばれる商品をTDR250用にラインナップ。独特なサウンドを奏でるスチール製マテリアル&TIG溶接を誇り、さらにフィニッシュでクリアペイントが施されている商品性だ。マニアックなファンにとっては嬉しい仕様だろう。このK2チャンバータイプ2も、完全ハンドメイドの受注生産品である。タイプ1仕様の登場も含め、TDR250ファンにとって嬉しいラインナップだ。

ケイツー・テック主宰
久保和寛(Kazuhiro KUBO)

チャンバーの楽しさや走りの変化をもっと多くの2ストファン楽しんで頂きたいとの気持ちから各モデル用エキスパンションチャンバーの開発販売に取り組んでいるケイツー・テック。「タイプ1チャンバーで手軽に2ストエンジンの魅力を楽しんで下さい」と久保代表。

スマートなエンドキャップを持つ軽量なアルミサイレンサーに魅力を感じるファンも多いはずだ。サイレンサーまでのパイプ長でエンジン特性に変化を与えることができる。

クランクケースリードバルブのTZR250シリーズをベースにしている。パイプベンダーによるエキパイ製作が特徴でもあるタイプ1仕様。性能向上とコストをバランス良く両立させた。

ステンレス素材のなかでもチャンバーに最適なSUS304材を使った完全ハンドメイドチャンバーもラインナップ。鏡面仕上げ+TIG溶接特有の焼け具合はファクトリーバイクのようである。

完全ハンドメイドのタイプ2チャンバーの場合は、サイレンサーエンドキャップもハンドメイドでポリッシュ仕上げとなる。こだわりの商品を開発販売するケイツー・テック。

写真はステンレス鏡面仕様だが、スチール素材でTIG 溶接仕上げにしたK2チャンバータイプ2もラインナップしている。スチールマテリアル特有のサウンドにこだわるファンは多い。

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