コンストラクターの考えとユーザーニーズが一致しない限り「ヒット商品」は生まれてこない。K2テック代表の久保さんは、ユーザーからの生の声を聞き、「そこそこの性能と商品価格をバランスさせること」が重要だと気が付いた。あまりにも突き詰め過ぎて、ほんの僅かな馬力獲得のために「あと数万円を……」というわけにはいかないのが市販パーツである。高性能でしかもリーズナブルな商品に出逢えたときに、はじめてユーザーは「コストパフォーマンスが高い商品」と評価するものだ。そんな商品開発を常に目指しているのがK2テックなのである。同社には、コンセプトをより明確に具現化した「タイプ1」シリーズがあるが、最高峰でステンレス素材を使った「タイプ2」シリーズでも、仕上がりが良いのにコストパフォーマンス性が高い商品として、高い好評を得ている。
そんなK2テックがホンダNSR250R/MC28用チャンバーを手掛けた。「熱心なお客さんからに問い合わせが多いので開発に着手しましたが、MC21と28に対応できる商品を目指しました。ヤマハ用はRZから始まって1KT用を作り、最近、3XV用も開発を終えて市販開始しました。以前から要望があったのと、メーカーは違いますが、同じV型エンジンだったこともありNSR用も商品化しました。今後ご要望があれば、さらに遡ってMC18用も……」とは久保代表。丁寧な作り込みによる美しさと、ひと味もふた味も違った走りが評判のK2テック製チャンバー。今後の機種展開にも期待したい。
ケイツー・テック主宰
久保 和寛 K.KUBO
ヤマハのテストライダーとしてTZ125の開発に携わり、1999年のWGP鈴鹿ラウンドではワイルドカードで出場。日本人ライダーとして好成績をおさめた。2ストエンジンを理解したライダー兼コンストラクターとして多くのファンに支持されている。
住所/大阪府羽曳野市野110
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