2スト「レーサーレプリカ」絶・対・主・義!!
    取材協力/(株)ケイツー・テック 取材・文/絶版バイクス編集部 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
    記事提供/11月16日発売 絶版バイクス 10
    掲載日:2011年12月14日

高性能ながらコストを抑えた高い商品性に注目!!魅力溢れるK2テックの「手作りチャンバー」ワールド

吸排気系のセットアップ&セッティング変更によってマシンの走りが大きく変わってしまう2ストロークエンジン。
K2tec製エキスパンションチャンバーは、ストックのキャブセッティングを大きく崩さずに高性能化できる人気のパーツである。
ここでは、最近注目されている1KT用チャンバーに関する情報と、完全なる「ハンドメイド」の世界を垣間見よう。

今後の世界市場で日本の工業製品がその地位を確立し続けるためには、「製造工程のさらなる高効率化が重要」と言われてきた。今現在でも、それは確かに重要である。しかし、そんな言葉だけでは片付けられない世界がある。バイクシーンではマフラー作りやチャンバー作りなどの「クラフトマンシップ」に関わるものがそれで、現場では高効率化以上に「職人の五感」や「経験」が何より重要かつ尊重されている。

 

「溶接技術」との出逢いがきっかけで、大阪羽曳野に「K2tec(ケイツー・テック)」を立ち上げた久保和寛さん。彼もまた職人肌を持つコンストラクターの一人である。次項では、ケイツー・テックのチャンバー作りに関する一部をリポートするが、久保代表は開口一番「ケイツーの物作りは敢えて原始的です。シートメタルをレーザーでカットしたり自動巻きする機械があれば効率良いですよね。でも、設備投資すると様々な面でリスクを背負い、結果的にはお客さんに喜ばれる商品作りができなくなってしまいます」。つまり作業環境の充実 = 設備投資が商品価格にハネ返り、今度はコストダウンのためにより多くの商品を製造 = 数で勝負しなくてはいけなくなる。そうなると品質管理や個性という意味で「商品の魅力は薄れてしまう」というのが久保代表の持論だ。

 

ケイツー・テックは、メーカーの開発ライダーでもあった久保代表が、自社製品の商品開発と走行テストを兼務する。「乗り手としてのイメージ」と「造り手としての理想」を両立できるのが特徴だ。例えば、コスト高になることを理由にエキパイ部分は輪切り製法にしない例が多いチャンバーだが、こんな部分でもケイツー・テックは「造り手としての理想」を推し進めることができる。代表自身が商品開発、走行テストを実践しているからこそ、他社製品と比べて低価格な設定が可能なのだ。

 

ここでは初代TZR250(1KT)のオリジナルチャンバーを紹介するが、現在はスチールマテリアルの「タイプ1」仕様で3種類をラインナップしている。ローコスト化を目的にパイプベント仕様のエキパイを採用した結果、価格は4万2000円?4万4100円とリーズナブル。「そこそこ以上の性能アップをこの価格で実現したことで、ユーザーさんにも喜ばれています」とは久保代表だ。仮に、アンダーカウルの未装着が前提なら、こだわりの輪切りエキパイを採用したR1-Z用「タイプ2」(スチール製とSUS製がある)が装着可能だ。1KTは問い合わせが多いモデルのため、現在、アンダーカウルの装着が可能な「タイプ2」の開発検討も行なっているそうだ。高性能かつ高品位な商品をリーズナブルに提供するケイツー・テック。今後の動向にも注目したい。

◎ K2tec 代表
久保和寛 Kazuhiro KUBO

全日本選手権GP125クラスに参戦し、97年シーズンからはヤマハTZ125の開発ライダーとしても携わった経験を持つ。走り手としての意見と作り手としての意見を頭の中で整理して商品開発できる数少ないコンストラクター。カワサキトリプル用はKH250から750SSまでラインナップし好評だ。

(株)ケイツー・テック

住所/大阪府羽曳野市野110

TEL/072-952-2958

1985年に登場した1KT用は、現在、スチールマテリアルのタイプ1を3種類ラインナップしている。しかし、アンダーカウルを取り付けないのが前提であれば、輪切りステン(SUS304)素材のR1-Z用タイプ2を装着できる。価格は10万5000円。

1985年に登場した1KT用は、現在、スチールマテリアルのタイプ1を3種類ラインナップしている。しかし、アンダーカウルを取り付けないのが前提であれば、輪切りステン(SUS304)素材のR1-Z用タイプ2を装着できる。価格は10万5000円。

 

完全ハンドメイドを主張する高精度かつ魅力的な造詣を持つ輪切りエキパイ。SUS304の薄板をカットして「手巻き」で溶接。その後、輪切りを組み合わせてチャンバーが完成する。R1-Z用を1KTに取り付けてもサイドスタンドの逃げは大丈夫。アルミ製のマフラーエンドも魅力的な美しさだ。

 

スチールマテリアルのTZR250(1KT)用タイプ1。並列のストレートエキパイとクロスエキパイがありアンダーカウルはいずれも装着可能だ。タイプ1はK2テックの人気商品で装着率はかなり高い。スチール製は溶接部分を「魅せる」ため、ガス溶接仕様としている。ストレートもクロスも価格は4万2000円。

 

スチールマテリアルを採用するタイプ1の3種類目が右2本出しのクロスチャンバー。最近はこのタイプの注目度が高まっているそうだ。K2テックは2ストレプリカファンにとって心強い。価格は4万4100円。