この製品品質でこの価格を実現。大阪府羽曳野に工房を構えるケイツー・テックは、カワサキトリプル用エキスパンションチャンバーを製造販売するメーカーである。
選手権ライダーとして現役を引退し、マフラーメーカーであるケイツー・テックを立ち上げたのは2004年のこと。現役ライダーだった時代に覚えた溶接テクニックを武器に「ユーザーが求めるものを作る!!」というストレートなコンセプトがケイツー・テックの身上だ。ショップを立ち上げた当時は、性能最優先でハイコストな商品も積極的に開発していたようだが、同社のコンセプトとなっている「ユーザーが求めるものを作る」という状況とは「ちょっと違うのでは…」と感じたのが、ケイツー・テック代表の久保さんだった。
ブランド名が知られるようになり、より多くのお客さんと接し、お話を聞く中でユーザーの声を分析すると「そこそこの性能を持ちながらローコストな製品」を求めているケースが多いことに気が付いた。そんな久保さんが、積極的に取り組み、見事完成したのが、性能とコストをハイレベルでバランスさせた商品。同社流で言う「タイプ1」シリーズだった。
ヤマハRZシリーズ用に引き続き、カワサキトリプル最高峰のH2用を開発。パワフルかつ美しいフォルムでローコストを実現したH2用タイプ1は高い評価を得た。するとユーザーニーズが多いミドルクラスのKHシリーズ用「タイプ1」に対する要望が高まった。ミドルクラスのトリプルは、普段の街乗りでも全開にできるシーンが多いため、サウンドばかりではなく高性能で速く走れるミドルトリプル用「タイプ1」は、早くも高い評価を得ている。
「マフラーとチャンバーは同じ排気パーツですが似て非なるものです」と久保代表。自身も大好きなチャンバー開発では、今後もユーザーを高揚させる「もの造り」にチャレンジしてほしい。
◎ K2tec 代表
久保和寛 Kazuhiro KUBO
全日本選手権GP125クラスに参戦し、97年シーズンからはヤマハTZ125の開発ライダーとしても携わった経験を持つ。走り手としての意見と作り手としての意見を頭の中で整理して商品開発できる数少ないコンストラクター。カワサキトリプル用はKH250から750SSまでラインナップし好評だ。
住所/大阪府羽曳野市野110
TEL/072-952-2958
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【上】ベンドパイプを組み合わせてタイプ1のクロスチャンバーを開発している風景。前後ホイール交換をも含むフルカスタム仕様のトリプルならやっぱりクロスチャンバーが良く似合う。ノーマルフォルムが好きなユーザーでも、誰もが1度はチャンバーの威力を知りたいところだろう。
【左】タイプ1シリーズは常時在庫しているが、タイプ2に関してはスチール仕様でもステンレス仕様でも基本的に「受注生産」となっている。撮影当日はまさにステンレスポリッシュ仕様のタイプ2が出荷される直前だった。 |
| 【上】純正マフラーと同じレイアウトを持つスチール製タイプ1の500SS 後期モデル用。Lシリンダー用はサイドスタンドの内側を取り回される仕様だ。H1-D/E/F/KH500に対応する商品だ。
【左】スチール製マテリアルでベンドパイプのエキパイを持つタイプ1のストレート仕様。純正マフラーと同じレイアウトを持つ。溶接継ぎ目の焼け跡を敢えて演出するために、TIG溶接ではなくガス溶接を採用。ミドル各車用ともに税込6万8250円。 |
タイプ1でもタイプ2でもクロス仕様の取り回しは共通だ。スチール製のタイプ1はストレートでもクロスでも溶接の焼き跡が良い雰囲気のガス溶接を採用する。タイプ2はスチール製でもTIG溶接が基本だ。 |
| 同じくスチール製マテリアルでベンドパイプエキパイのタイプ1クロス仕様。 |