MT-09のユーティリティ性能を高めるハリケーンのカスタムパーツ
取材協力/大阪単車用品工業株式会社 取材・文/淺倉恵介 写真/木村圭吾 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年11月13日

ユーティリティを高め、乗り味に個性をプラス
ハリケーンのMT-09専用パーツ

バイクパーツの老舗ハリケーンでは、MT-09専用のカスタムパーツを大量にラインナップ。ユーティリティやファッション性の優れるのはもちろん、品質の高さも一級品ばかりだ。中でもセパレートハンドルとスワローハンドルに注目。ライディングポジションを変えることで、これほど走りが変わるのかと驚かされる。ハリケーンのMT-09用パーツに注目だ。

INTERVIEW

ハンドル交換で乗り味が変わる!?
これがハリケーンマジック

大人気のヤマハMT-09。カスタマイズの素材としても注目を浴びていて、専用パーツが次々と登場。さまざまなスタイルのカスタムMT-09を作り上げることが可能となっている。そこに、またひとつ魅力的な選択肢が加わった。ハリケーンからMT-09専用パーツが、大量にリリースされているのだ。そのどれもが実用性に優れ、ファッション性を大きく引き上げてくれる逸品揃い。

 

残念ながら、ここでその全てを語り尽くすことは難しい。であれば、ここで取り上げるパーツはひとつ。そう、ハリケーンと言えばハンドルだ。MT-09のノーマルハンドルはテーパータイプのバーハンドルで、リプレイスが容易なパーツのひとつ。だが、ハリケーンはどこにでもあるようなパーツは作らない。今回紹介するのは、MT-09専用に開発された、セパレートハンドルキットとスワローハンドルなのだ。

 

なぜ、セパレートハンドルなのか? なぜスワローハンドルなのか? ハリケーンのブランドを展開する大阪単車用品工業の阿部豪人社長に、お話を伺った。

 

「MT-09はとても面白いバイクだと思います。ただ、過激なエンジン特性のバイクですから、ノーマルハンドルのポジションでは、フロントが浮きたがることがある。この部分をなんとかしたら、もっと良くなると考えました。

 

ノーマルハンドルは、やや体に近い感じの位置なので、ライダーの上体は起き気味の姿勢になりますよね。それを、グリップ位置が前方に低いハンドルに変えれば、それだけで前輪への荷重は増やすことができますが、ハンドル幅の広さも気になったんです。無理のない前傾姿勢がとれて自然に前荷重が可能なポジションを考えた末のセパレートハンドルであり、スワローハンドルなんです。

 

セパレートハンドルは、かなりスポーティなポジションがとれるようになります。ただし、ノーマルのトップブリッジに重ねるタイプのブラケットを使用し大きくイメージチェンジするので、価格がそれなりになります。費用を抑えて、同じようなポジションがとれるパーツが作れないか? と考えたのがスワローハンドルです。

大阪単車用品工業株式会社
代表取締役 阿部豪人さん

今年、創業60年を迎えた日本最古のバイクパーツメーカーのひとつを率いる三代目社長。見た目の派手さに走らず、実用性と機能性、安全性をしっかりと確保したパーツを作るのがポリシー。もちろんバイク乗りで、現在の愛車はCB1300SB。

スワローハンドルでの走行風景。ハンドル位置の移動量から考えても、上体の前傾度は意外なほど小さく操作しやすい。

スワローハンドルは、セパレートハンドルほどではありませんが、ノーマルに比べて前傾した乗車姿勢がとれます。完全ボルトオン設計ですので、効果を考えればお買い得になっています。」

 

と、なると、やはり実際に走って、フィーリングを試してみたいもの。今回は、セパレートハンドルとスワローハンドルの両方をテストする機会を得た。

 

まずはスワローハンドル。バイクにまたがると、通常のバーハンドルにはない、複雑な曲がりを持ったビジュアルが新鮮。クランプ部の太さが強調され、マッシブな雰囲気を醸し出している。乗車姿勢をとると、意外なほど違和感がない。グリップ位置はかなり移動しているはずなのだが、少なくとも前傾がキツいと感じることはなかった。車格を考えれば、これくらいのポジションが自然だと思ったほどだ。ノーマルのポジションに不満があるなら、一度試してみて損のないパーツだ。コストパフォーマンスは素晴らしく高い。

次はいよいよセパレートハンドルに挑戦。こちらも、前傾がキツすぎることはないのだが、ハッキリと上体の角度が変わり、スパルタンなポジションへと変化する。ノーマル位置が後ろ過ぎないか?と感じていたステップ位置も、むしろしっくりくる。絞り角度が強められていることも、個人的には好み。

 

面白いのは乗り味が大きく変わるところだ。ハンドル自体の剛性が高く、ブラケットも削り出し製で高剛性。ハンドルに荷重をかけた時の、しっかり感がノーマルハンドルとは段違いに高い。ハンドルからライダーへと伝わってくる情報量も豊富でソリッド。また、前輪荷重が増していることの効果だろう。ハンドリングもクイックな感じに変化する。ハンドル幅が狭められライダーがこじる動作が減ったためだろう、バンク時にステアリングの舵角がつきやすく、マシンが勝手に曲がりたがるような挙動をみせる。

 

ハンドルの変更で、これだけ乗り味が変わるとは驚かされた。MT-09というバイクを、より広く深く楽しめるハリケーンのパーツ。これは、見逃せない。

セパレートハンドルも、窮屈になるほど前傾はしない。それでも前輪への荷重は増大し、乗り味は大きく変わる。

PICKUP PRODUCTS

豊富なパーツラインナップ
MT-09カスタムはハリケーンにお任せ

ハリケーンでは設計、試作、テストにいたる開発をはじめ、材料の吟味から量産加工の各工程の管理、検品や梱包まで、一貫して行なっている。長年の積み重ねで培われたノウハウ、職人による技術力の高さを生かして、パーツ製造を厳しい自社基準で管理できるので、非常に高い品質と安全性を保っている。また、廃盤パーツも少なく、多くのラインナップを展開できるのは、製品の管理体制がしっかりしているからだ。ハンドルまわり、リアまわりなど多彩なパーツの組み合わせでカスタムしてほしい。(下記画像キャプションでの価格はすべて税抜き)

 

BRAND INFORMATION

HURRICANE(ハリケーン)
大阪単車用品工業株式会社

住所/大阪府東大阪市高井田本通3-3-6
電話/06-6781-8381(代)
営業時間/8:00-17:00
定休日/日曜、祭日、第2・4土曜日

今年、創業60年を迎えた老舗中の老舗。創業当初は補修用マフラーやキャリアなどのバイク用実用品を輸出メインで製造していた。1975年にハリケーンブランドを立ち上げ、カスタムパーツ生産へとシフトし、ハンドルバーや2stマシン用チャンバーに続いて、セパレートハンドルでも絶大な支持を得る。膨大なパーツラインナップを誇り、原付スクーターからビッグバイクまで、あらゆる車種をカバーする商品展開は驚き。痒いところに手が届く品揃えはカスタムフリークにはたまらない。