現状の把握から進化、発展まで安全性を最優先した、自分だけの1台を
    取材協力/GMDコンピュートラックJAPAN  取材・撮影・文/木村 圭吾 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
    掲載日:2012年5月30日

GMDだからできる、1人ひとりに合わせたマシン作り

「安全性を最優先し、そこから決して外れることのない個性を持ったセットアップ」それが、G.M.D. コンピュートラック(以下 GMD )を用いたバイク作りのベースとなっているコンセプトだ。もちろん、それと共に趣味の乗り物としての “カッコ良さ” の追求も同時に果たしている。それはカスタムバイクとして相応しいルックスに、ユーザー1人ひとりの使い方やライディングスタイルに応じたハンドリングを中心とした機能性をインサートしたものであり、見た目の満足感と、乗って楽しい充実感を両立させているのだ。

 

「コーナーでは、狙ったとおりのラインを確実にトレースできる」いわばオンザレール感が味わえるのが特色であり、そのためにフルに活用されているのがGMDなのだ。

 

だが、それはエキスパートライダーやフルカスタム車ならではの “特権” では決してない。ビギナーライダーでも、ノーマル車でも自分のバイクの走りに「違和感」を感じたのならば、積極的に診断だけでも受けてみると良いだろう。それによって何らかの解決策の糸口が見えてくるハズだ。

 

GMD岡山のデモ車でもあるY61(油冷エンジンのスズキGSX-R1100がベース)とCB750F。足回りからエンジンに至るまで手が入った、いわゆるフルカスタム車だ。その最大のキモは、ステムの変更によるグッドハンドリングを得たことにある。そのように走っての効果はもちろんだが、取り回しにおいても軽いのが特筆すべき点と言えるだろう。

GMD岡山のデモ車でもあるY61(油冷エンジンのスズキGSX-R1100がベース)とCB750F。足回りからエンジンに至るまで手が入った、いわゆるフルカスタム車だ。その最大のキモは、ステムの変更によるグッドハンドリングを得たことにある。そのように走っての効果はもちろんだが、取り回しにおいても軽いのが特筆すべき点と言えるだろう。

GMD岡山のデモ車でもあるY61(油冷エンジンのスズキGSX-R1100がベース)とCB750F。足回りからエンジンに至るまで手が入った、いわゆるフルカスタム車だ。その最大のキモは、ステムの変更によるグッドハンドリングを得たことにある。そのように走っての効果はもちろんだが、取り回しにおいても軽いのが特筆すべき点と言えるだろう。

GMDによる、マシン作りの流れ

~実際にマシン作りはどのようなプロセスを経て作られるのか? その様子を大まかに見てみよう~

GMDによる三次元測定を行い、車両の現状を把握するのがファーストステップだ。まずは、どこに問題点があるのか? を知っておかないと、後の対策や方向性も決まらない。

測定されたデータはパソコンに読み取られ、車両の詳細が数値化される。測定時にはフロント回りを浮かせてフリーとするために、ステムベアリングの良否も同時にチェックされる。

診断の結果、フレームに曲がりがあれば専用の修正ジグを用いて修正する。フレームはマシンのハンドリングを決める “大元” であり、その狂いを取り除くことが重要なのだ。

オートバイはいわば消耗品の集合体であり、前後のサスペンションも走行距離が増えれば内部のオイルなどが劣化する。初期の性能を維持するために、オーバーホールやメンテナンスを実施する。

前後のサスペンションは、ライダーの体型体格や使用状況に応じて見直され、内部のバルブやシムの枚数などの変更などのチューニングを施され、より性能を引き出す方向とされる(ギャップの吸収性の向上などツーリングペースでもはっきりと体感できる進化を感じられるのだ)。

さらにハンドリングを高めるのならば、オフセット量を変更し、理想的なトレール量となるオリジナルのステムへの変更など、GMDにしかできない「自分だけの逸品」を実現できるのだ。

GMDコンピュートラックとは?

GMD コンピュートラックは、オーストラリアのグレゴリー・マクドナルド氏が開発したバイク専用三次元車体診断計測システムだ。その原理を簡単に言ってしまえば、建設現場で見掛ける「三角測量」を応用したものである。計測精度は 100 分の 1mm 単位であり、フレームなどの曲がりの有無やフロントフォークの捻れ、チェーンラインなどのズレなど目視できない微量な狂いまでを判断してしまうのだ。

 

測定は、車種によってはアンダーカウルを外す必要がある場合もあるが、それ以外はそのままの状態で良く、また排気量も原付からビッグバイクまで、車種もオン、オフを問わず、またビッグスクーターのような車両も測定可能である。少し旧いバイクを楽しむ人々も多くなった昨今、一度現状把握のために測定してみるのも良いだろう。

 

 

GMDコンピュートラックJAPAN(有限会社K.M.T.)代表 塩見茂歩樹 氏GMDコンピュートラックJAPAN
(有限会社K.M.T.)代表 塩見茂歩樹 氏

「ハンドリングチューナーとしてGMDのショップを開業して12年。全日本選手権のサポートやストリートユーザーの車体メンテナンスまで、3,000台を超えるバイクたちを診てきました。その経験とGMDにしかない車体セットアップノウハウを生かしたハンドリングチューニングは、大きな喜びと感動をライダーの皆様に提供し続けております。皆様のパートナーショップとして、ぜひご活用ください!」

 

GMDコンピュートラック神戸代表 興津宗元 氏GMDコンピュートラック神戸代表
興津宗元 氏

「 “もっと安全でもっと楽しいバイクライフを!” をモットーに、ストリートユーザーからレースユーザーまで数多くのお客様に囲まれ、一緒にバイクライフ楽しませていただいてます。 “GMDで計測してきちんとメンテナンスして、ひとりひとりにあったサスペンションセッティングにする” という単純なことをするだけで、驚くほど楽しいバイクになります。ぜひあなたが毎日笑顔で楽しめる、自分仕様のバイクを作ってみませんか? あなたの最高のバイクライフのお手伝いが、私達にできれば嬉しく思います。」

 

さらに、GMD コンピュートラックの真価は車体の曲がりを判断するだけではない。キャスターやトレール、ホイールベースなどといった車体のディメンションを測定し、その数値を元に「どのようなバイクに仕立てていくか?」のシミュレーションが可能な点にある。そのためのソフトがいわばキモであり、それによって各ライダーに合わせたセットアップやマシン作りが可能になるのだ。そうして “足元” を固めることにより、チューンナップしたエンジンや強化したブレーキも活かせるようにもなる。

 

GMD コンピュートラックは、安全に乗って楽しいカスタムバイク作りには欠かせないシステムだ、と言っても決して過言ではないだろう。