スズキがいよいよ250ccクラスに本格的スポーツモデルを投入したきた。扱いやすさで定評のあるGSR250の優れたパッケージングを継承しつつ、さらに走りの性能を高めながらスタイリッシュなフルカウルの外観をまとったストリートスポーツの「GSX250R」。そして、もう一台はインド市場でフラッグシップモデルとして開発され、今回各部の熟成を図りつつ国内向けにリファインされた150ccスポーツモデルの「ジクサー」である。
ここ数年来250ccスポーツモデルが賑わいを見せている。特に最近は2気筒のフルカウルモデルの人気が高く、若者を中心にビギナーからベテランまで幅広い層にも受け入れられるようになった。軽量・コンパクトな車体に使いこなせる程よいパワー、それでいて高速道路で2人乗りもできて、車検もなく維持費も安いなど、日本の交通環境にジャストフィットしているとも言える250ccクラス。そこに満を持してスズキが投入したのが「GSX250R」である。ややもすると先鋭化しがちなこのクラスにおいて、あえて日常域での扱いやすさを重視しつつスタイリッシュなデザインでまとめ上げているのが特徴だ。一方の「ジクサー」は150ccという日本では今まであまり馴染みのなかった排気量だが、250ccクラスと同様のメリットを持ちながら、さらに小回りが利いて扱いやすく車両も軽量などの利点がある。スズキが提案するのは、本格的なグレード感と走りの性能を持った毎日乗れて楽しめるストリートスポーツモデルだ。
「ジクサーは2014年からインドを中心にアジアや中南米などでも発売され、本国では13部門のバイクオブザイヤーを獲得するなど実績のあるモデルです。今回、日本向けに発売するに際して一層の品質確保に努めました。たとえば、エンジンのFI化やリヤブレーキをディスクタイプとしたこと、スタータークラッチも日本の冬場に対応した仕様変更をしています。エンジンはジクサー向けに新設計されてより日常域で扱いやすいように太いトルクで低中速に厚い出力特性にしあげてあります。また、デザインにも徹底的にこだわりました。やはりカッコ良さへの憧れは万国共通で、スズキの大排気量スポーツモデルのイメージをふんだんに投影したデザインに仕上げています。特にフロントカウルから燃料タンク、そしてテールカウルにかけての流れるようなラインにぜひ注目してもらいたいと思います」。
「GSX250Rは昨年末から生産国の中国で先行発売しているのですが売れ行きはすこぶる好調で、予定の900台が発売後数時間で完売するほどの人気でした。威風堂々としたGSR250シリーズも依然高い人気があるのですが、今回のGSX250Rはより若いユーザーをターゲットにしています。当社の場合、“乗ってもらえれば良さが分かる”というモノ作りが多かったのですが、GSXでは“メチャクチャかっこいい”と見た目で魅力が伝わるデザインにこだわりました。ベースをGSRとしたのは開発陣全員一致の考えです。比類なき扱いやすさと安定感、下りの峠ではパワーに勝るスポーツモデルを追い回せるほどのハンドリングなど、GSRが持っている素性の良さをすべて生かした上で、スタイリッシュな美しいシルエットでまとめ上げた自信作です。最新性能を追い求めたハイスペックモデルという選択肢もありましたが、尖がりすぎると日常域での使い勝手が犠牲になったり、価格的に高くならざるを得ません。街乗り優先の扱いやすさとカッコ良さ、お求めやすいプライスで勝負したいですね」。
国内におけるミッション付き150ccスポーツクラスの普及を目指して投入されたモデル。新設計の空冷単気筒SOHC2バルブ154ccエンジンをスチール製ダイヤモンドフレームに搭載。低中速トルクに優れるコンパクトで元気のいいエンジンと135㎏の軽量な車体、高剛性フロントフォークとプリロード調整式モノショックなどの足回りなどにより、軽快な運動性能を実現。アップライトなライディングポジションで街乗りから高速道路を使ったツーリングまで幅広く活躍する。スズキの大排気量モデルを彷彿させるグラマラスで流麗なスタイリングも魅力になっている。
GSR250ベースの低中速トルクに優れた水冷並列2気筒SOHC2バルブ248ccエンジンを、同じくGSR譲りのスチール製セミダブルクレードルフレームに搭載。エンジン内部はカムシャフトやインテークバルブなどの動弁系からシリンダー、オイルポンプなどにも改良を施し、実質的なパワーアップとクラストップレベルの燃費性能を実現。「市街地をスポーティに駆け抜けるアスリート」をイメージしたダイナミックかつ洗練されたデザインや、多機能メーター、面発光LEDなどのグレード感あふれる装備、街乗りやツーリングでも快適なライディングポジションなどが特徴となっている。