「STEEL MATE 886X」というバイク盗難防止セキュリティシステムの実力
取材協力/ディーワークス  取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2015年5月20日

バイクを狙うプロの窃盗団の暗躍など、バイク盗難が社会的問題となっている今、多くのライダーはU字ロックやチェーンロックなどでの自衛策を施しているはずだ。しかし、それだけでは万全と言い切れないのが現実。そこで頼りになるのが、セキュリティアラームだ。今回はバイクセキュリティの専門店『ディーワークス』を訪ね、最近のバイク盗難の傾向と対策、そしてお勧めのセキュリティアラームシステム「STEEL MATE 886X」について話を伺った。

INTERVIEW

盗難防止には物理的ロックと
セキュリティの併用が望ましい

「プロに狙われると、対策の甘いバイクは本当にあっという間に盗まれてしまうんです」

 

ディーワークス株式会社代表取締役の兵藤英則さんは、いきなりショッキングな言葉を口にした。

 

「バイクに乗れなくなる原因は、事故・転倒、故障、盗難といろいろですが、事故や故障で壊れたものは直せる場合もあります。ところが盗難はバイクそのものがなくなってしまうわけで、一番つらいですよね」

 

その割には“自分だけは大丈夫”と思っている人が多く、身近な人が盗難にあってから対策を強化する人も多いんです、と兵藤さん。

 

「警察庁の統計を見ると、2000年の約25万件をピークにバイクの盗難認知件数は減り続け、2013年には5万件台まで減りました。しかし、問題はその中身なんです」

 

件数が減少したのは暴走族などがキーを壊したり直結で乗り逃げするなどのケースで、これらがシャッター付きキーシリンダーやイモビライザーの普及で減ったと考えられるという。その反面、窃盗団による盗難は、それほど減ってはいないのが実情で、輸入車や国産大型マシンは特に油断できないとか。

 

「人気車種は盗むためのマニュアルができている、と言われています。窃盗団は“S社のHという車種を40台揃えろ”といったオーダーに従ってマシンを盗むので、目星をつけた車両の中から盗みやすいものから盗むわけです」

 

アラームを付けている車両でも、バッテリーが弱ってきたら要注意、とのこと。

 

「窃盗団が毎日のようにバイクを叩いてアラームを鳴らし、状況を確かめている可能性があります。近所迷惑だからとアラームを切ったり、バッテリーが上がって鳴らなくなったら、その日に持っていかれるパターンが多いんです」

 

ディーワークス株式会社 代表取締役
兵藤英則さん

兵藤さんのアドバイスで進化してきた歴代STEEL MATEセキュリティシステムの受信機

では、バイクを盗まれないためにはどんな対策をすればいいのだろうか。

 

「まずはチェーンやU字ロックなどの物理的なロックを思い浮かべる事でしょう。これは、外から見てロックを掛けているのがわかるし、壊されない限り安全です。反面、見えるということは泥棒からも対策を練られてしまう可能性があります。また、壊されても音などを発することができないのも、デメリットといえますね」

 

「もうひとつは電気的なロック、つまりはアラームやセキュリティシステムです。これらは外からはわかりにくく、泥棒がマシンを触って初めてわかるので、事前に対策はされにくい。それに、物理的なロックは大きく頑丈なものは持ち歩けませんが、電気的なロックはマシンに装着してあるため、出先でも有効なのがメリットですね。ただ、風でカバーがめくれたり、マンションの駐輪場などでは他の人がバイクや自転車を出すときに触れて、アラームが鳴ってしまうことがあります」

 

物理的・電気的を問わず全てのセキュリティは“これをつければ100%安心”というものではない。「愛車の盗難対策は総合的、複合的に行わなくてはなりません。お互いのメリット・デメリットをよく理解して対策する必要があり、物理的・電気的セキュリティの2つを併用するのが好ましいんです」と兵藤さんは強調する。

 

長年、クルマやバイクのセキュリティーを専門に扱ってきた兵藤さんがお勧めするバイク用セキュリティーが「STEEL MATE 886X」だ。これは、リモコンでアラームの設定や解除ができるだけでなく、愛車の異常を即座にリモコンに知らせてくれる双方向のセキュリティーシステム。アジアはもちろん、アメリカやロシア、北欧などでも高い評価を得ており、他メーカーに比べて待機電流が圧倒的に少なく、バッテリーに負担を掛けないのに、多機能を実現しているという。

 

DWorksは、このシステムの日本総代理店として輸入・販売を行うだけでなく、常にメーカーに改良要求を出して対応してもらい、日本仕様の使い勝手を高めてきているのが特徴だ。現在の「886X」は、兵藤さんも太鼓判を押すほど満足できる製品となっているという。

 

「ショックセンサーが振動を感知するとまずアラームで周囲に知らせ、同時にリモコンにも通知が行きます。イモビライザー機能を搭載しているので、不正にエンジンを掛けさせないほか、万一キーを付けたまま乗り逃げされても、リモコンでエンジンをストップさせられます。また、バックアップバッテリーを搭載しているので、車両のバッテリーを外されても動作するようになっています」

 

また、この製品はリモコンに車両のバッテリー電圧を表示でき、ユーザー自身でバッテリーの状態を管理できるため、バッテリー上がりに対しても安心だ。システム本体はもちろん防水仕様で、リモコンへの通報は最大800mにも及ぶため、離れた場所に駐車していても安心だ。愛車が今どういう状況にあるか、すべて手元の液晶リモコンで把握できる「STEEL MATE 886X」は、大切な愛車を守るための、小さくても力強いシステムといえるだろう。

機能だけでなくデザイン性も洗練された最新モデル「886X」のレシーバー

PICKUP PRODUCTS

リモコンで愛車の状態がすべてわかる
多機能なセキュリティシステム

STEEL MATE 886Xは、軽量コンパクトな本体設計ながら、四輪用の高価なセキュリティアラームに匹敵する、非常に多機能で信頼性の高いシステムだ。ここではその機能の一部を紹介するほか、液晶画面の表示など、使い勝手の良さをチェックしてみることにしよう。さらに細かい情報を知りたい場合は、公式ホームページを参照してほしい。

 

バイブレーター&アンサーバック機能付き多機能リモコンは2個付属。愛車の異常を音、光、バイブで知らせてくれる。

機能は多いが商品のセットはシンプルだ。すべての機能を活かし、効果的な防犯を目指すなら、ショップに取り付けを依頼した方がベター。

リモコンの液晶はELバックライトを採用。カラフルで明るく、夜間でも見やすいものとなっている。

システム本体はタバコの箱ほどの大きさしかないため、取り付け場所の自由度が高い。本体は防水仕様で洗車時なども安心だ。

アラームのスピーカーは非常にコンパクトだが、万一の際には120デシベルの大音量で周囲に異常を知らせてくれる。

車体に衝撃が加えられ、ショックセンサーが反応すると、ハンマーの絵とともに音とバイブで知らせてくれる。

電流センサーにより、バイクのイグニッションがオンになったことを知らせる際にはこの絵となる。

時計表示の部分は、バイクのバッテリー電圧モニターを兼ねており、コンディションを知らせてくれる。

警戒中を周囲にアピールする、高輝度LEDランプの警告灯を装備している。

10リモコンは大容量リチウム電池を搭載した充電式。一度満充電すれば1か月は余裕で持つという。

SHOP INFORMATION

DWorks

住所/神奈川県鎌倉市関谷770
定休/水曜
営業/10:00~19:00
電話/0467-43-1003

セキュリティー用品の販売のほか、中古車の販売や修理、車検、保険も手掛けるなど、バイクライフをトータルでサポートするプロショップ。セキュリティー用品のネットショップも展開している。