ピタリとはまる高精度 常識を変えた高性能カウル
取材協力/クレバーウルフブライトロジック  取材・文・写真/山下 剛  構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
掲載日/2014年7月23日
クレバーウルフはカウルやフレームカバー、エンジンプロテクター、フェンダーレスキットなど、バイクの外装全般を手がけ、開発・販売しているメーカーだ。どれも高品質だが、とりわけカウルの完成度が高いと好評だ。

INTERVIEW

カウルの役割は機能と外観どちらも
見逃せない重要なパーツ

カウルの役割は主にふたつある。ひとつは「空気抵抗を減らす」こと、もうひとつは「走行風からライダーを守る」ことだ。走行に関する機能だけをみればそこに集約されるが、カウルの役割はそれだけではない。バイクのスタイリングを大きく向上させることも忘れてはならない。

 

それらはカウルに求められる性能として最低条件だ。それらを高次元で満たしたうえで、さらに高品質と好評なのが「クレバーウルフ」のカウルだ。

 

ヨシムラでバイクレースとメカニックを学んだ後に独立、走行性能アップを重視したチューンとカスタムで知られる「ブライトロジック」では、スズキをはじめとするあらゆるマシンカスタムにクレバーウルフ製カウルを装着している。その理由は「圧倒的に質が高い」からだという。クレバーウルフ製カウルの高い品質について、代表の竹中治さんに話を聞いた。

 

 

ピタリと装着できるカウルは
レース界の常識を覆すほどの高精度

「ヨシムラにメカニックとして在籍して、80年代からレースに携わってきました。レーサーにカウルは必須ですが、当時のカウルというと合わせ面やネジ穴などはそう簡単に合うものではなかったですね。なので新しいカウルが来ると、アッパーとロアを合わせてみてファスナーの位置を決めて、自分たちで穴を開け、リベットを打ってワンタッチビスで使えるようにして、それから今度はオートバイに合わせて、ようやく素早く車体に着脱できるようになるものでした。大変なんですよ、本当に」

 

レースになると製作するマシンは複数台になる。台数分の加工をするのも手間だが、レース中に転倒したとなれば補修が必要になる。するとメインマシンのアッパーとTカーのロアを組み合わせる、といった作業も必要になってくるのだが、マシンに合わせてひとつずつ加工してあるため、再セットアップには手間も時間もかかったという。

 

「カウルとはそういうものだと思っていた部分もあるのですが、ところがクレバーウルフのカウルは、そういうふうにアッパーとロアを合わせてもビス穴がピタリと合うんですよ。逆にいうとですね、転倒後の補修作業中は、カウルを取り付ける際にビス穴が合わなかったり、アッパーとロアがツライチにならなかったりしたら、カウルのステーが曲がってるのではないかと疑うようになりましたね。それほど工作精度が高いんです」

 

とくにレースの世界におけるカウルの取り付けに関しては、加工が必要になるというのが一般的だ。しかしクレバーウルフのカウルにはそれがまったく必要ないそうだ。

 

「チームカラーやスポンサーロゴなど、カウルにはペイントが必要です。普通はまず真っ白なまま車両に装着して、その状態でネジ穴や削る部分などのダメ出しをして修正するものです。でもそれすらも必要ないですね。もちろんだからといってその工程が不要というわけではなく、クレバーウルフのカウルも塗装前に車両へ装着しますが、確認するだけで済んでしまいます」

 

もうひとつ、工作精度の高さを裏づける話がある。

 

「ハヤブサ用のテールカウルには開閉式の収納スペースがあるのですが、ファスナーの位置や精度もよくて開けるのもスムーズですし、閉めたときにはピタリと合います。それと、カウルの厚みにムラがなく、非常に均一です。カウルを床にポンと置いたときでも歪みがありませんね」

 

スクリーンのビス穴、ヘッドライトの位置やチリなど、とにかく細部に渡って精度がよく、メカニックとしては手間がないと竹中さんは続ける。こうした高精度は何もメカニックやチューナーのためだけのものではない。愛車の洗車やメンテナンスでカウルを脱着する際には、オーナーにも大きな恩恵となる。実際、この点についてはユーザーからも「メンテナンスの手間や時間を省ける」好評だという。

 

「きっと型がいいんでしょうね。型がよくなければいいものはできませんから。技術の進歩もあるのでしょうけど、生産に時間も手間もかけてるように思います。レギュレーションさえ満たせば、ストリート用カウルをそのまま鈴鹿8耐で使ってもなんの問題もない性能を持っていると思います」

 

こうした工作精度の高さはFRP製カウルだけではない。カーボンファイバー製のエンジンプロテクターやフレームカバー、リアフェンダーといったパーツ群も他の追随を許さない高精度で、取付が容易なのはもちろんのこと、質感も高い。

 

「サーキットでコースを外れてグラベルに入ってしまうとフレームはすぐに傷だらけになってしまいますが、フレームカバーを装着しておけばそうしたダメージの心配もないですね」

 

カーボンはその性質上、紫外線に弱いことが挙げられるが、クレバーウルフ製のカーボンパーツはウレタンクリア仕上げすることで退色と劣化を防いでいる。あまり知られていないが、これはクレバーウルフが他メーカーに先駆けていち早く採用した技術だ。

 

軽量化にくわえて、高精度が生み出す脱着の容易さは、オーナーにとって大きなメリットだ。カウルをはじめとした外装パーツの導入を考えているなら、クレバーウルフの名を覚えておきたい。

PICK UP PRODUCTS

百聞は一見にしかず
クレバーウルフ製カウル装着車両

クレバーウルフ製カウルはスズキやカワサキをはじめ多くのモデルに対応しており、それぞれに端正なスタイリングと比類なき高性能を実現している。ここではスズキ・GSX-R1000とハヤブサに装着されたカウルのスタイリングを見てみよう。

 

GSX-R1000用ストリートカウルは、レース用をベースとした高強度で空力特性を さらに高めており、公道走行における快適性も追求している。

全体的なフォルムはもちろん、クイックピンによる機能美も見所。高精度だからこそ導き出せる演出だ。

こちらもヨシムラの貴重なレーサーカウルを装着したストリートモデル。同様の デザインを望む声は高いが、ワンオフカウル扱いのため同様のカスタムは作れな いという。

細かな曲線が生み出す精悍なマスクが印象的だ。

このハヤブサはフルカウルキットを装着。さらにブライトロジックによるオリジ ナル塗装が施されている。なお、写真9のハヤブサも同じカウルを装着したモデ ルである。

ボディに吸い付くようなフィット感を見せるカウルキット。ノーマルよりもシェ イプされたラインが特徴だ。

アッパー、サイド(左右)、アンダー(前後)、インナーパネル(5ピース)、スクリーンで構成されるフルカウルキット。ハヤブサをスタイリッシュに変身させる。純正比で約5kgの軽量化を実現している。

HAYABUSA ストリートフルカウルAssy  価格:22万6800円
●PIAA製ML34(H4)ヘッドライトをデュアル装備(光軸調整機能、ライトカバー付き)。要ヘッドライトハーネス改造(手順書添付)。ノーマルマフラー対応。ウィンカー未付属。

こちらはシートカウルのみを装着したハヤブサ。これだけでも約10kgの軽量化を達成しており、軽快な走りを味わえる。

10HAYABUSA ストリートシートカウルAssy  価格:31万3200円
シートレール(黒アルマイト)、電装ボックス、小物用トレー、シートカウル、フェンダーレスキット、右側マフラーステー付属。

11クレバーウルフ製カウルはヨシムラの鈴鹿8耐マシンにも装着されている。こちらのマシンは取材当日、たまたまブライトロジックにやってきた2007年鈴鹿8耐優勝マシン(ヨシムラスズキwithJOMO #34 加賀山/秋吉組)。

12着脱の難しい車種の外装商品には、純正外装の着脱マニュアルが同封されている。マニュアルに記された細やかな情報は、多くの車種を取り扱うショップスタッフにも好評で、信頼獲得にもつながっているようだ。クレバーウルフが外装のプロフェッショナルであることの徹底した姿勢がうかがえる。

BRAND INFORMATION

株式会社クレバーウルフ

住所/大阪府大阪市平野区加美南3-2-16
TEL/06-6793-7011
(バイクパーツ部門・商品問い合わせ)
営業時間/8:30~18:00
(問い合わせは9:00~17:00)
定休日/日・祝日

バイク用パーツの企画・製造・販売ほか、クルマの鈑金や塗装も手がけるファクトリー。「常に改善」をモットーとし、鈴鹿8耐参戦や地方選への協賛によって得られたライダーニーズを即座に反映していくモノづくりに定評がある。その良質な製品は、サーキットのみならずストリートシーンでも輝きを魅せている。

取材協力店

ブライトロジック

住所/神奈川県厚木市山際780-1
TEL/046-246-4488
営業時間/11:00~20:00
E-mail/info@bright-logic.com
 
 

スズキをはじめとする国内4メーカーや海外メーカーなどモデルを問わずチューニングとカスタムを手がける。オリジナルパーツの開発も積極的で、ヨシムラ直伝のノウハウと技術によるパフォーマンスアップのチューニングにはとくに定評がある。