取材協力/バイクペイントドットコム 文:丸山淳大 写真:栗田 晃
記事提供/11月16日発売 絶版バイクス 10

掲載日:2012年4月4日

外装をリフレッシュするため、絶版モデルの外装にリペイントを行う場合、新車当時の色味を忠実に再現した仕上がりを望む人がほとんどだろう。浜松市のバイクペイントドットコムは、その質の高い仕事で多くのリピーターやバイクショップからの依頼が絶えないバイクペイントのプロショップである。

 

絶版車の外装パーツは、長い年月の間に傷や凹みなどのダメージや経年劣化で錆や退色を発生させていることが珍しくない。そんな時、考えたいのが外装をリペイントして見た目のリフレッシュを図る方法だ。ダメージを受けた部品に新たにペイントを行えば、また、新車当時の面影を取り戻せるはずである。しかし、それには純正と違わぬペイントを再現できるプロショップの存在が必要不可欠と言えるだろう。

 

静岡県のバイクペイントドットコムは、創業20年のバイクペイント専門ショップである。同社では、月間100件近いペイント業務をこなしており、我々一般ユーザーだけでなく、多くのプロショップからの依頼に応えている。そんな同社にペイント依頼が絶えない理由が、現在まで積み上げられてきた色見本やデカール位置などの膨大なデータと高い技術力だ。

 

例えば絶版車のリペイントで言えば、現在の色が新車当時と同じ発色を保っていることはほぼ無いので、見本が無い限り、正しい色の再現は難しい。しかし、車種年式ごとの膨大な色見本を有する同社ならば、それができるのだ。また、グラフィックデカールに関しても純正品から取った位置データをストックしてあるため、新車時に限りなく近い仕上げを可能としているのである。そして、ペイントの実作業は、同社が抱える熟練職人の手によって行われる。バイクのペイントには、施工が難しいキャンディ塗料が使われている例も多いが、その仕上がりは確かなものだ。ここでは、そんなバイクペイント・コムによる外装ペイントの模様をご覧いただきたい。

 

我々が実車を肉眼で見てもはっきりとした違いには気付かないかもしれないが、写真の色見本は、上がZ1の火の玉カラーのブラウンで下がゼファーのもの。両方ともキャンディだが、並べてみれば全く違う色だと言うことが分かるはずだ。


色見本と同じくデータとして蓄積されているのが、機種年式ごとにデカール位置を細かく採寸した図面データである。これは、同社の職人が施工するペイントの現場で活用される他、機種別のDIY 用塗料セットと一緒にユーザーの元へと届けられる。


バイクペイント.コムは、ビッグスクーターやアメリカンなど、モデルを区切ることなくペイント作業を行っているが、同社に寄せられる依頼の7割は絶版モデルなのだそうだ。工場内では、取材時にも多くの人気絶版モデルの外装ペイント作業が行われていた。

 

 

 

 

工場のバックヤードには、おびただしい数の塗料のストックを備える。これだけの在庫があるからこそ、調色によって機種や年式ごとの微妙な色味の差異を表現することができるのである。

 

 

 

 

バイクペイント. コムでは、メーカーごとの細かな色見本データを有している。これらはほとんど、今までの仕事の中で、データを収集したもので、このデータがあるからこそ、純正と違わぬ仕上がりを実現しているのである。


バイクペイント.コムでは、職人によるペイント事業以外にインターネットでの塗料販売を行っている。販売しているのは、純正色塗料やDIY 塗装に必要となる様々な用品、車種ごとのデカール位置の図面と塗料をパッケージにした塗料セットでユーザーからも非常に好評なようだ。中でも図面付塗料セットは、Z、CB、マッハなどなど70 年代からの人気絶版モデルを多数ラインナップしているので、愛車のリペイントに挑戦したいという人はホームページをチェックしてみて欲しい。

塗料の調色は、同社の中でも2 人しかできない特別な作業となる。まずは、原色の缶から必要な塗料を適宜混合する。バイクペイントの塗料は耐候性に優れた鉱物由来の顔料が使われている。

 

混合した塗料の色味を見本と比べながら、同じものとなるまで調色作業を繰り返す。塗料が見本と同じ色味となったところで、調色した塗料をエアブラシで仮吹きしてみる。

 

厳密に言えば、塗料は液体の状態の時の色味と実際に吹き付けた時の色味に違いが出る。そこで同社では、調色後は必ず試し吹きをして色味を確認している。

 

塗料セットには、シンナーや硬化剤、計量ポリカップ、塗料へのゴミの混入を防ぐろ紙、同社作成の塗装マニュアルが含まれる。購入者には電話による技術相談にも応えているそうだ。

塗料の調色は、同社の中でも2 人しかできない特別な作業となる。まずは、原色の缶から必要な塗料を適宜混合する。バイクペイントの塗料は耐候性に優れた鉱物由来の顔料が使われている。 混合した塗料の色味を見本と比べながら、同じものとなるまで調色作業を繰り返す。塗料が見本と同じ色味となったところで、調色した塗料をエアブラシで仮吹きしてみる。
厳密に言えば、塗料は液体の状態の時の色味と実際に吹き付けた時の色味に違いが出る。そこで同社では、調色後は必ず試し吹きをして色味を確認している。 塗料セットには、シンナーや硬化剤、計量ポリカップ、塗料へのゴミの混入を防ぐろ紙、同社作成の塗装マニュアルが含まれる。購入者には電話による技術相談にも応えているそうだ。


リペイント作業のため入荷した外装部品は、まず現在の塗膜を除去する剥離作業が行われる。金属パーツの場合、剥離作業は剥離剤を使用して行われるが、樹脂パーツの場合は素材を痛めるため、水研ぎにて塗膜を落とす。塗膜が落ちると以前に補修されたパテなどが現われることもあるが、パテの下に錆が発生しているケースも考えられるので、パテはこの剥離作業の段階ですべて除去される。ちなみにパテ補修を受けた部分は、塗膜の上からでは判断が付きづらいが、磁石を使えばすぐに判別できるそうだ。

タンクの塗膜を剥離剤で落とす際は、まずタンクの口金やコックに栓をする。剥離剤がタンク内部に入ってしまうと腐食の原因になってしまうので、万全の処置が取られる。

 

剥離剤の反応は早いので、手早く作業が進められる。ちなみに剥離時間は、車種メーカーや年代によっても違うそう。当然、良い塗装は剥がすのも時間が掛かるそうだ。

 

塗装が浮いてきたらスクレーパーでこそぎ落としていく。この時、下地の錆や穴、補修跡などを確認。一度反応が始まればどんどん塗膜は浮いてくるので、手早く作業を進める。

 

旧い塗装がすべて除去できたら、タンクを水洗いする。ここで剥離剤を残すと下地にダメージを与える可能性もあるため、洗浄は念入りに行われ、次の工程に進む。

タンクの塗膜を剥離剤で落とす際は、まずタンクの口金やコックに栓をする。剥離剤がタンク内部に入ってしまうと腐食の原因になってしまうので、万全の処置が取られる。
剥離剤の反応は早いので、手早く作業が進められる。ちなみに剥離時間は、車種メーカーや年代によっても違うそう。当然、良い塗装は剥がすのも時間が掛かるそうだ。
塗装が浮いてきたらスクレーパーでこそぎ落としていく。この時、下地の錆や穴、補修跡などを確認。一度反応が始まればどんどん塗膜は浮いてくるので、手早く作業を進める。
旧い塗装がすべて除去できたら、タンクを水洗いする。ここで剥離剤を残すと下地にダメージを与える可能性もあるため、洗浄は念入りに行われ、次の工程に進む。


純正塗装が美しいまま残されているマシンも要注意。外観上は美しく見えても、実は塗装の下が錆びている車両は少なく無いそうだ。早いものは、新車から5年で錆が出ていたケースもあったそう。また、塗膜を剥がすとタンク下側に穴が…。といった事例も絶版車ではレアケースでは無い。同社では、通常のタンク外側の錆除去や補修は行うものの、内部の錆びや穴の補修は行っていないので、別途専門業者への発注が必要となる。


剥離作業を終えると、続いて下地作りの工程に入る。この段階で必要な部分の補修を行い、塗装面を全て平滑にしておかなければ、いくら美しい塗装を塗り重ねても満足な仕上がりは得られない。バイクペイントドットコムでは、塗装面の補修に特殊なパテを使用している。このパテは、電車のボディ補修に使われるもので、特に振動に対して抜群の耐久性と接着強度を持つそうだ。そのため、以前に同社でパテを入れた経歴がある部品のリペイントを行う際は、剥がすのに苦労するそうだ。

タンクなどの金属表面に錆が浮いている場合は、パテ埋め前にグラインダーで除去しておく。当然、削り取る量はフォルムに影響が出ない程度の必要最小限に留められる。

 

凹凸の補修に使われるパテは硬化剤と混ぜ合わせることで実用強度に達する2液式のものとなる。反応が始まると硬化は早いので迅速に作業を進めていく。

 

必要以上にパテを厚付けすると水研ぎ工程で苦労するので、補修箇所に合わせてパテを盛り付けていく。極小さな凹みは、パテをへらで擦り付けて施工する。

 

パテの硬化を待って、表面の水研ぎを行う。ここでパテに巣穴が見つかったら再度パテを盛り付ける。下地が整ったら、サフェーサーを吹き付ける。

 

サフェーサーの乾燥を待って、水研ぎを行い、必要ならば再度パテを入れた後、さらにサフェーサーを吹く。下地はほとんどの場合、2回のサフ入れで決めるそうだ。

タンクなどの金属表面に錆が浮いている場合は、パテ埋め前にグラインダーで除去しておく。当然、削り取る量はフォルムに影響が出ない程度の必要最小限に留められる。 凹凸の補修に使われるパテは硬化剤と混ぜ合わせることで実用強度に達する2液式のものとなる。反応が始まると硬化は早いので迅速に作業を進めていく。
必要以上にパテを厚付けすると水研ぎ工程で苦労するので、補修箇所に合わせてパテを盛り付けていく。極小さな凹みは、パテをへらで擦り付けて施工する。 パテの硬化を待って、表面の水研ぎを行う。ここでパテに巣穴が見つかったら再度パテを盛り付ける。下地が整ったら、サフェーサーを吹き付ける。
サフェーサーの乾燥を待って、水研ぎを行い、必要ならば再度パテを入れた後、さらにサフェーサーを吹く。下地はほとんどの場合、2回のサフ入れで決めるそうだ。


数々のオーナーの手を渡り歩いた絶版車の中には、何度も補修とペイントが繰り返された車両も存在する。写真のテールカウルはすでに元の色さえパット見では分からず、純正フォルムも怪しい状態だ。こんな状態でも補修は可能だが、作業は別料金となるので、部品が手に入るなら交換も視野に入れたほうが良いことも。

バイクペイントドットコムでは、膨大な車種の外装グラフィック位置データを所有しており、その図面に則って純正塗装と全く同じマスキングを行う。外装ステッカーの補修部品が手に入らない機種は、グラフィックやメーカーロゴをペイントによって表現するが、その仕上がりは近づいて良く確認しなければ判別できないハイレベルな仕上がりだ。また、絶版車の中には、純正の状態で左右のグラフィックの位置が微妙に違うものもあるそうだが、それも忠実に再現してペイントが行われる。

図面データは、グラフィック位置が詳細に書き込まれており、この図面どおりにマスキングを行うことで、何度同じペイントを行っても、均一な仕上がりを可能としている。

 

この図面は、図面付塗料セットに付属するのと同じものだ。グラフィックのアウトラインの曲線は、曲げ自由度の高いデザインテープで表現する。

 

デザインテープでアウトラインを取ったら、幅のあるマスキングテープで覆い、余分な部分をデザインカッターで切り取ってマスキング作業は完了。


図面データは、グラフィック位置が詳細に書き込まれており、この図面どおりにマスキングを行うことで、何度同じペイントを行っても、均一な仕上がりを可能としている。
デザインテープでアウトラインを取ったら、幅のあるマスキングテープで覆い、余分な部分をデザインカッターで切り取ってマスキング作業は完了。
この図面は、図面付塗料セットに付属するのと同じものだ。グラフィックのアウトラインの曲線は、曲げ自由度の高いデザインテープで表現する。


多色塗装時のペイント順序やシンナーの量、エア圧の調整といった諸条件に対し、熟練職人は、その経験から最適と思われる方法に則って、完成に向かって緻密な仕事を積み上げていく。同社のペイントの仕上がりは、テロンとした如何にもリペイントしましたといった仕上がりではなく、あくまでメーカー新車時の純正塗装にごく近い仕上がりだ。この点が新車時の姿をなるべく忠実に再現したいと願う、我々絶版車ファンにとって大変心強いものとなっている。

塗料は撹拌後、細かなゴミが混入しないよう、ろ紙を通してから使われる。バイクペイントに使用される塗料はキャンディなどの透明塗料が多く、施工が難しいが、美しい色味が特徴だ。

 

塗装は、サフェーサーと上塗り、クリアと段階的に分かれて行われているため、乾燥棚には次工程の塗装作業を待つパーツが並ぶ。

 

クリアの仕上げ塗装は、数回に分けて行われる。仕上げの吹きつけ前には、サンドペーパーで水研ぎされた後、最後の一吹きが行われる。

 

写真のマッハのグラフィックは補修部品が手に入らないため、ペイントによって表現されたもの。言われたとしても中々判別の付かない完成度の高さだ。

 

仕上げ後は、4日間程度自然乾燥させられ、出荷前に品質検査が行われる。同社の基準に合わなければ、工程を遡り、妥協のない再作業が繰り返される。

塗料は撹拌後、細かなゴミが混入しないよう、ろ紙を通してから使われる。バイクペイントに使用される塗料はキャンディなどの透明塗料が多く、施工が難しいが、美しい色味が特徴だ。
塗装は、サフェーサーと上塗り、クリアと段階的に分かれて行われているため、乾燥棚には次工程の塗装作業を待つパーツが並ぶ。
クリアの仕上げ塗装は、数回に分けて行われる。仕上げの吹きつけ前には、サンドペーパーで水研ぎされた後、最後の一吹きが行われる。
写真のマッハのグラフィックは補修部品が手に入らないため、ペイントによって表現されたもの。言われたとしても中々判別の付かない完成度の高さだ。 仕上げ後は、4日間程度自然乾燥させられ、出荷前に品質検査が行われる。同社の基準に合わなければ、工程を遡り、妥協のない再作業が繰り返される。

忙しい中取材に応じていただいたバイクペイントドットコムの方々。写真右からペイント職人の伊藤利樹さん、社長の山崎暢さん、企画室長の山崎淳也さん、職人の村田達也さん。愛車の外装ペイントで困ったことがあれば、是非相談してみよう。

BIKE-PAINT.COM (バイクペイントドットコム)
〒435-0031 静岡県浜松市東区長鶴町29-1
電話/053-465-3373
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定休日/日曜、月曜

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