K-SPEC 久留米本店
福岡県/ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ取扱店

取材協力/K-SPEC 久留米本店  取材・撮影・文/マツモトカズオ
掲載日/2015年4月30日
国産旧車を得意としながらも、現行車、輸入車までを幅広く取り扱う「K-SPEC」。かつて多くの少年たちが憧れた昭和の名車たちが最良のコンディションで並ぶ店内は一見の価値あり。自動車ディーラーとして長年培ったアフターサービスも魅力のショップだ。

INTERVIEW

強いコダワリを持つユーザーの
熱い想いに応えてくれるショップ

福岡県久留米市。この街に、51年もの歴史を持つカーディーラーがある。それは、地域からの信頼も厚い「野口自動車」だ。ここにモーターサイクル部門が誕生したのは3年ほど前のこと。ショップの名は「K-SPEC」で、国産現行車はもちろん、輸入車や高コンディションな国産旧車の販売を手がけている。

 

K-SPECを率いるのは、野口自動車グループ代表の野口健太氏。10代の頃は“峠小僧”としてTZRを駆り、久留米・高良山のワインディングでハングオンしていたという。2輪4輪とも造詣が深く、双方ともにドラッグレース参戦歴18年、44歳の現在でも精力的に参戦を続ける生粋のドラッグレーサーであり、エンスージアストである。

 

物心ついた頃からカウンタックをはじめとするスーパーカーに心惹かれていた野口少年は、会社にあったパッソーラに始まり、ゴリラ、前述のTZRなどを乗り継ぎ、昔憧れを抱いていたZ1やGS1000Sなどの旧車も所有することになる。現在もそれら国産旧車のみならず、デュアルパーパス系も所有するなど生粋のモーターサイクル・フリークである。

 

一介のバイク乗りとしてバイクを楽しむ中で、かつて野口氏はあるジレンマに悩まされた。「九州圏内でバイクを探すとき、『こういうバイクを置いてたらいいのに』と思うバイク屋があまりにも少ないんです。もし私がバイク屋をやるなら(九州の)他店には無いような、全国でも数が少ないバイクを置きたい、そう思った事がバイク部門を設立するキッカケになったのかもしれませんね」。

 

かくして誕生したK-SPECのショップ内に並ぶ車種は、どれも強い個性を持つ車両ばかり。「趣味性の高いバイクに乗ってらっしゃる方というのは、総じて強いコダワリを持ち、熱い想いを持つ人が多いと思います。その想いに応えたいと思っています」。

 

野口氏自身、自らのバイクに対しては徹底的に綺麗でないと気が済まない性分で、ボルト一本錆びていたくないと言う。そんなオーナーが営むショップだからこそ、店内に並ぶ旧車はどれも美しい当時の“憧れ”のままの輝きを放っているのだ。そしてそれこそが、K-SPECが誇るクオリティで、それは外観のみならず、内燃機などの内部についても例外ではない。

 

野口氏は「旧車だから壊れる」という定説めいた俗説を嫌う。壊れない旧車を売りたい。それが野口氏の理想だ。「もちろん、機械に絶対(壊れない)はないでしょう。だからこそ、壊れないようにきっちりと整備することを務めだと思っています」。

 

その高い品質に、リピーターも絶えない。「以前バイクを購入されたお客様が、増車の為に再びご来店いただくことも多々あります。バイク屋として、これほど嬉しい事は無いですね」。

 

販売する側の立場になっても、未だに一介の「バイク乗り」であることを自負しているという野口氏。とにかくお客さんに快調に乗ってもらいたい。それが野口氏の、K-SPECの最上の願いなのである。

PICK UP

ユーザーから圧倒的支持を受ける
万全のアフターサービス体制

K-SPECの特筆すべき点のひとつとして、納車後のアフターサービスの手厚さが挙げられる。販売車両は万全の納車整備を経てユーザーの手へと渡る。言わずもがな、そのクオリティは折り紙付きだ。しかし機械に「絶対(壊れない)」は約束できないものだ。万が一の不具合が発生した場合には、保証期間内の往復陸送費は同店負担で、迅速に修理が行われる。これは遠方のユーザーに対しても同じだ。

 

買取・下取にも積極的だ。車を購入する時に、自宅で眠っているバイクを下取してくれたり、その逆にバイク購入の際に車を下取してくれる。これも二輪四輪併売店ゆえの強みだと言える。

 

半世紀の歴史を誇る野口自動車が、四輪業界で長く培ってきた信頼のサービス品質。K-SPECにもそれらがフィードバックされているのだ。

 

福岡県久留米市の中心街から車で10分ほどの距離にあるK-SPEC&野口自動車。県道23号線に面しておりレンガ調の外観が印象的だ。先代がこの地で自動車店を始めて51年。今なお地域で絶大な信頼を得るカーディーラーでもある。もちろん駐車場も完備。

店内に入ってまず驚かされるのがその広さである。そしてその広大な売り場面積にところ狭しと並べられたバイク。現行の国産大型バイクに輸入車、そしてK-SPECが最も得意とする国産旧車に至るまで様々なバイクのラインナップに思わず目移りしてしまう。

K-SPECがフルコンプリート車として製作販売しているヨシムラワークスXR69仕様のSUZUKI GS1200SS。モデルとなったGS1000Rは80年代にスーパーバイクや鈴鹿8耐で名を馳せた名車だ。細部までこだわった造りに野口氏の情熱を垣間見る。

ショップに入ってまず目を留めるのはショールームに並ぶ美しいコンディションのZ1。その輝きたるや、まるで70年代当時のカワサキディーラーにタイムスリップしたような錯覚に陥りそうだ。もちろん外観のみならず、機関や足回りも万全に整備されている。

様々な車種が並ぶK-SPECのショールーム。その中でも異色の存在感を放つデュアルパーパス系のバイクたち。野口氏自身、トライアンフのタイガー・エクスプローラーXCを所有し、この手のバイクの魅力を体感、その文字通りデュアルな走りを楽しんでいる。

2000坪という面積を誇る野口自動車の民間車検場。もちろん、バイク専用のピットも完備している。取材当日も輸入車から国産旧車まで多くのバイクを二輪専門のスタッフが整備していた。指定工場の認定を得ていることで車検の迅速さには定評がある。

常に100台近い在庫車両を有するK-SPEC。ショールームに入りきれない車両も多く、それらは店舗敷地内の頑強なコンテナの中にストックされている。国内外から仕入れられ整備を待つ車両もここに保管されており、ピットで点検・整備の後に店頭へと並ぶ。

ビッグバイクだけではなく、小排気量も揃える。スクーターや250~400ccのバイクも店頭に並ぶ。地元のおじいちゃんやおばあちゃんがスクーターの空気を入れにくる事もあれば、コアなバイクフリークも訪れる。K-SPECの懐の広さを感じさせられる。

ショールームの南側、日中は暖かな日差しが差し込む場所に設けられたキッズスペース。バイク乗りのパパが子供連れで来店しても、子供が退屈しないように配慮されている。バイク乗りだけでなくファミリーにも優しい。そんな暖かなショップである。

10多様なアイテムが並ぶパーツコーナー。各種オイルやケミカル類からキャブレターやサスペンションなどのパフォーマンスパーツ、バイク用のポータブルナビなど様々なパーツはショーケースにディスプレイ。不明な点もスタッフが親切丁寧に説明してくれる。

11中古車を取り扱うショップとしては珍しく、見積書発行システムを導入している。車両価格や税金などはもちろん、保険のシミュレーションやカスタム費用の試算まで、総合的な見積もりが正確かつ迅速に表示される。また、最大84回の長期ローンも用意している。

121階2階の窓から陽の入る明るい場所にデスク&チェア。商談やカスタムの相談などが行われるスペースは、週末や休日にはバイク乗りたちが訪れて憩いの場にもなる。ここに座ってショールームのバイクたちを眺めていると、新たな物欲が湧いてきそうだ。


SHOP INFORMATION

K-SPEC 久留米本店

住所/福岡県久留米市津福本町1899-3
TEL/0942-36-2005
FAX/0942-36-1109
営業/8:00-19:00
定休/ 年中無休

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